この白い一輪のバラを花瓶に挿そうというときに、それを無理やりナナメにいけようという人はいないはずです(口の広いグラスなどにいけようとすれば、どうしても茎の方向はナナメにはなるでしょうが)。だから、上のような細長い一輪挿しにお花をいけるとすれば、お花も自然と「立つ」のです。
〔 参 考 〕
むずかしいのは…… 「葉を何枚、残すか」 ということ。
たとえば、たんぽぽみたいなお花は野に咲いている時も、葉っぱは目立ちませんから、極端な話…全部(葉っぱを)むしってしまって(いけて)もよいのです。でも、バラは…たんぽぽみたいには咲いていません(注)。
(注) ふだんから「野に咲く花々」をよく観察しておくことは生け花をやる上で大切です。
むしろ、葉っぱの繁り具合と
その先端に咲く花…との調和やバランスが大事になって来ます。
そういうふうに考えると…、
あの白いバラの一輪挿し…またちがったふうに見えて来ませんか?
「葉っぱ」の存在をまったく考えないと…ただ…「白(いバラ)」と「青(い切子の花瓶)」との対比で見てしまいますが、その2つ…言わば、北にある〈北極〉と最南端の〈南極〉にある2つのものの間に、地球のまん中に赤道がぐるりとめぐっているように想像すると、葉っぱがうま~く両者(白と青、北極と南極)を引き寄せて…それで全体がまとまっている感じがします。
「白(い花)」と「青(い花瓶)」と「緑(の葉っぱ)」…
形も素材もちがう…この3つのものが、
小さい空間の中で、うま~~くバランスを保っています。
だから、お花の「向き」なんかも大事ですが(やはり…花の部分が、生け花の“顔”ですから)、でも同時に、きれいにお化粧した女性に、ミニスカートをはかせるか、ボリュームのあるフレアスカートにするか…というのが「葉っぱ」の問題でもあるわけです。
そういうふうに…とかく人の関心がいきやすい〈花〉だけではなく…〈葉〉にも目がいくようになると、またお花のいけ方もおもしろくなって来ます。
![]()
ママのいけた…白いバラの一輪挿し、そうして考えると葉っぱにボリュームがあります。
これね…当たり前のことですけど、葉っぱを少なくしていくと、どうしても白いパラが強いので、悪くすると“あたまデッカチ”になってしまいます。
逆に…葉っぱの量は、これがぎりぎりですね、これ以上増やすと…もじゃモジャの雑木林みたいになってしまいます(注2)。
(注2) あとは…ママさん、さすがです。ちゃんと、葉っぱのバランスを崩していけています。
葉っぱを均等に残すと、一輪挿し全体が、東京タワーとかエッフェル塔などのように、ただの
均整のとれた鉄塔みたいになってしまうのです。だから、花が均整の取れた線対称のお花なら、
下の葉っぱ部分は「崩して」残すと面白くなりますよね…。
それから、もうひとつ。
葉っぱの量ですが、これはあまり写真に写っていないですが、窓ガラスの外に、少し灌木(かんぼく)と言うか、緑があるので、…だから、これぐらいでちょうどいいのです。
外が白いテラスか何かでまったく緑が無い場合に、写真のように葉っぱを“こんもり系”にしてしまうと…やっぱり、ぱっと見た時に、フラダンスの腰蓑(こしみの)みたいに…葉っぱが
少しうっとうしく重くなってしまいます。
今回の白いバラの一輪挿しは…、店内のカウンターから座って見る形になります(注:ブログを読んでいる人はわかりにくいと思いますが)。
そうすると「店外の緑」が「借景:しゃっけい」気味に視野に入るので、一輪挿しの「葉っぱ」の分量が多少おおめでもいいのです。 何て言うか…
1枚目の青い花のように…白いバラが緑の背景全体の中に、うまくおさまるのです。
ね…? だから、一輪挿しでもむずかしいでしょ?
て言うか…一輪挿しをきちんといけられるようになったら、
あとは…花瓶がどんな大きさになっても、問題ないのです。
まずは、一輪挿しをちゃんといけられるように練習することです。
これも大事だなぁ…。 ※ 続く → コチラ
◆ 桜の花と…小さな宇宙(2017年3月30日ブログ)




