三が日が明けて仕事はじめ
週明けから業務の会社が多いのか、街はまだ閑散としていて、丹沢越しに覗く富士山の白い峰がいつもより近くに見えています

劇場は秋から10カ月ほどのシーズンで動くので、お正月はちょっとした連休程度の感覚で、すでに今年最初のお客様をお迎えしての通常営業になっています

このブログを通じて、舞台に未来をかけて歩み、走る人を知ることができました
舞台裏や舞台袖から、若い才能を眩い舞台に送り出し、情熱に溢れた輝きを多くのお客様にお届けできるよう、陰ながら応援していこうと思いを新たにしました

夢が目標となり、スケジュールとなり、自分を磨き、その人にしかできない表現を存分に示していただけたら幸せです
駅伝を観ていたら いつも外出している息子が 寝癖頭でのっそり起きてきて「おぁ~ 今日は暇だぁ」

ぬぅあにぃ~
「じゃ 献血いくぞ」と即決して 納豆,長芋,玉子,沢庵を用意
「ぅわ まだ正月なのに 平日飯じゃん」との異議は無視 献血前は脂モノは御法度っす

湘南は強風が駅伝ランナーたちを苦しめていましたが 新宿は小春日和
アルタ周辺はすでにいつもの週末の人出で 違うのは店員さんの呼び込みに「初売り」の台詞が加わった程度です

なんだかお正月は元日のみの風情になってきたみたい
クリスマスやハロウィンと違って 年が明けないとお正月気分にならないため
ひと月以上前から盛り上げる他のイベントより賞味期間が短いのでしょう
お正月は鮮度が命ですね


なんて話をしながら献血ルームへ

そう言えば 僕がドナーの定年が近いので 息子に登録を提案
抵抗を覚悟して説き伏せようと思ったら「あっ そっ いいよ」と二つ返事

おっ なんか大人じゃん

そう言えば僕のドナー登録は 息子の誕生がきっかけでした
一度候補の一人になったことはありますが 骨髄提供はしないまま終わりそうです

いま 息子がドナー登録してくれたので
なんだか 襷(たすき)を繋げたとホッとしました

生涯に一度あるかないかのことですが
ドナーになることで 誰かの命を救い その人とご家族の幸せに寄与できるのは 自分にとって名誉ある喜びです

ふつう 他人の命を救えるなんて 絶対できないことですから


献血ルームの待合室に差し込む陽射しが いつもより柔らかで暖かな午下がりになりました
新年あけまして おめでとうございます

冷たさが指先から全身に伝わる水で顔を洗い
新しいカレンダーの表紙をめくれば
気持ちも新たに行く先の道のりが心に描き出されます


それぞれの頂を目指して 平坦ではない道を歩んでいく友たちも きっと思いを新たに力強く一歩を踏み出していくことでしょう

我が道を往きながら ひたむきに歩む友に声をかけ 祈りを捧げ
他の誰とも違う自分として 素直に日々を生きていくことを信じて
応援していくことを元旦の空に誓います
君は君の内なる声に素直でいるだけでいい

君は歩いていける

歩くうちに
登るうちに
景色は変わり
目指すものも変わるかも知れないけれど

君が進みたいならそれが正しい道だよ

大丈夫

大丈夫だから

もう一歩踏み出せば

それで明日への扉の鍵が開く
誰かと共に創るパフォーマンスには 独り舞台のソロとは異なる楽しみがあります

自分の発するものと 他者の発するものが 響き合い 競い合い 融合して 独創的なモノが産まれるからです

ユニゾンとして同じことをするのでも 異なる人間の感性同士ですから どちらがどちらに合わせるのか 常に主導権の争奪が起きます
そのなかで 互いのどちらも持たない 新しいイメージが生まれて 練り上げられます

掛け合いにおいても 主張し合うそれぞれの世界観のせめぎあいの緊張感から 相手の世界を理解し認め 少しずつ変化していく自分の世界
その様子をパフォーマンスとしてあからさまにすることで お客様に深く伝わるものを発することができます


このアンサンブルで何より重要なことが「感じること」です

自分のすべての感覚で 音や声や動き 息づかいや間合い その先にある相手の感性と心にまで視野を広げ 思いを巡らせる
そのためには高い集中と 鋭く切り込む感覚と あらゆるものを柔らかく包容する豊かな心がなければなりません

感じとる力を高めれば 心も豊かに容積も増していきます

そうすれば それを表現するために 自分に何があるのか 何が足りないのかがわかり
次に為すべきことは自ずと見えてくるはずです


寒さのなかで 春に備える芽が 枝の中に育つのを感じるように
微かなもの 見えないものを感じられたら
世界は豊かで驚きに溢れたものになるのでしょう