日本中の時が一瞬止まってしまったあの時から3年
報道やドキュメンタリーなどでしか知ることができませんが
未だに続く被災地の方々の非日常の日々に心が痛みます

一緒に練習している中学生たちは卒業式を前に土曜日に総決算のコンサートです
震災の混乱の中で入学してきた生徒たちが立派に成長して卒業していきます

そんな中で「私たちにできること」として「花は咲く」をプログラムに加えて演奏することになりました
「今何ができるかわからないけれど 忘れずにいたいし 忘れないでいて欲しい」
そんな生徒たちの気持ちと成長が嬉しいです

被災した国の一員として これからも心を寄せていきます
中学生たちと音楽に向き合った日々が 初めての金賞受賞の歓喜と涙で終わりました
吹部のみんな おめでとう
あなたの産み育てた音が 仲間の音と響き合い ホールを満たし消えていきながら 聴く人の心になにかしらの感興を残せたことは代え難い経験となったことでしょう

これまでの稽古を通じて あなたは知り身につけました

できないことが何かを見いだすこと

何が原因でできないのかを理解すること

できるようになるための行程を作ること

目標を見失わずに 目的ある一歩を踏み出し続けること

これらは あなたのこれからの人生に 必ず役立つことです

自分で自分を高めることは どんな環境でも大切です
けれど その方法を具体的に知る人は多くはありません

それを知ることができたことこそが あなたが得た賞なのです
学校が夏休みになって
コンクール出場の吹部のみんなに熱い夏がやってきました

音程を合わせてアンサンブルを緻密にすると金賞に近づくのは確かとは思うけれど
みんなが音にする楽譜には 音符ひとつひとつに作曲家の想いと理想が込められています

あなたの音が 音符を音に 楽譜を音楽にしていきます
その音楽は あなたの感性と想いがこめられた あなたにしか産めない音楽です

心を込めて

そう言うことも 思うことも簡単だけれど

音符も休符も そのひとつひとつに あなたの描く景色や温度や風や香りを はっきり感じてください

楽譜に向き合う ひとりの人間として
音を生む演奏者として

あなたにはできます
やらねばならないことです
雨上がりの緑の芝は
蝉と眠る夏の匂い

紫陽花揺れる濡れ縁は
磯にたわむる潮のぬるり

たまには心も裸足になって
感じる喜びにひとり笑む
音を出す

その音はキミがこの世に生み出した音

静寂に生まれたキミの音だから
産みっぱなしにしてはいけない

音が消えて静寂に溶けていくまで
キミの音を育てよう

出だしも大切だけど
音が消えるまでがキミの音だから
響きを増すように育てよう

本当のキミの音は素晴らしい
その音はキミにしか生み出せない
キミにしか育てられない

だから
今のキミの総てを懸けて
キミの音を育てよう