息が切れてきたら 休もうよ
大丈夫 休んだら また 走れるから

甘いココアにブラックペッパー
ゆっくり心まであったまって
大きく背伸びをしてみたら
また 走り出せるよ

立ち止まっても大丈夫だよ

頑張り過ぎて 夢中になると
いつのまにか道に迷うよ

椅子の上に立って観れば
部屋にあるもの違って見える

机の上に立って観れば
人の姿が違って見える

いつもの道でしゃがんで観れば
街の景色が違って見える

落葉の上に寝転んで観れば
時の流れが違って見える

越えられない壁を感じたら
少し低い壁を越えてみて
どうやって越えたか確かめれば
やるべきことが見えてくる

それでもどうしても どうしても
どうしても その壁を越えられないのなら

土を掘りトンネルを作ろうとしてもいい
壁を叩き穴を開けようとしてもいい

壁の切れ目や扉を探し 壁沿いに歩きまわっても
誰かが梯子をかけるのを そこで待ち続けていても
越えたいあなたに 誰も気付いてくれはしない

必要なのは 壁を越えることでなく
壁の向こうに行くこと
壁の向こうの景色に出会うこと

壁でジタバタしていれば
僕が気付いて踏み台になるよ

一度越えたら 次はひとりで大丈夫

身の丈は変わらなくても
心の丈は伸び続けてる
ディズニー作品の「ファンタジア」という映画が好きです
戦前 CGはもちろん「ステレオ」というものすら珍しかった1940年の作品です
「動いておしゃべりする漫画」とは別の「動く絵画」をバレエのように表現した作品で 当時のディズニーさんやスタッフの方々の枠にとらわれない想像力とチャレンジ精神が伝わってきます
オーケストラの音を背景や伴奏ではなく主役にするため 最新の録音方式を採り入れて 複数のスピーカーから異なるパートの音を出して臨場感を演出するので 映画館ではDVDとは異なる面白さが味わえました
子どものころに何度か観て リマスター版が公開された時には 朝から夜まで一日映画館で過ごし 繰り返し観たのが懐かしいです

ミッキーが「魔法使いの弟子」として登場することで有名になっていますが ファンタジアの冒頭に演奏されるのが バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」です

この作品にはキャラクターは登場しません
楽曲解釈やバッハのことなどと無関係に ただ 演奏を聴いたアニメーターたちが感じたイメージを視覚化したものです

音楽を演奏する時 クラシックの曲解説や紹介文にあるような「嵐のような」とか「穏やかな夕暮れの」とか「歓喜の祭りのような」とか 具体的な場面や景色を思い浮かべたりはしません
音の表現を誰か他者に伝える時に 共通しているイメージの例えとして そんな表現をすることはありますが 実際の演奏の際には 何か具体的なシーンを思い描くことはありません 音楽は精神的なもので視覚的なものは集中の邪魔になるからかと思っています

それにも拘わらず 「トッカータとフーガ」の映像は 音楽の視覚化として かなりしっくりくるものです
音楽から得たインスピレーションが描かれたものですが 音楽を表現したものとして 演奏者の頭の中を覗き込んでみたような面白さがあります

ミッキーの魔法もカバのダンスも神々の饗宴も楽しいですが 「観る音楽」としてダンスはもちろん 身体表現をされている方には スキップせずに是非ご覧いただきたい作品です

余談ですが
「魔法使いの弟子」のお師匠さんの魔法使いの名前はイェン・シッド/Yen Sidといいます
スペルを逆に読むと・・・・です
彼方の峰を目指すとき

ふもとの道はなだらかな道
誰でも楽しく歩める道
けれど目指す峰は
行けど歩けど近くにならない

中腹の道は急な坂道
細く険しく息がきれる
けれど振り返ってみれば
広い裾野が眼下に広がる

頂近くに道はない
気力なきものを拒む厳しさを
命をかけてよじのぼれば
眼下に地球を見渡せる

そして峰に着いたとき
周囲に峰を見つけるだろう
頂はゴールではなく
新たな峰への出発点

あなたが見るあの峰を
夢見るうちはふもとにいて
目標として坂を上る
険しく厳しい岩を登れば

そこは経由地にすぎないと知るだろう
終着点は常に谷を隔てた向こうにある

進めなくなったら休めばいい
行き詰ったら迂回すればいい

峰は動かず
在り続けている
いまのあなたがどこにいても
冬の朝を歩けば

白い息が朝陽に光り
人目を気にして そっとゴジラしてみる

光る息の向こうには くっきり背伸びのビルたち
ビルの向こうに澄んだ空 ささっと箒で掃いた雲

近所のおばあちゃん落ち葉掃き
「さむいですねぇ」と軽く会釈
角を曲がれば眩しい朝陽
背を伸ばして歩こう

午後の日向は背負うのが嬉しい
朝の陽射しには向かうのが楽しい

信号待ちの陽だまりは人溜まり
靴底に石畳の冷たさが沁みてくる

横断歩道の白だけ踏んで大股歩き
鼻の頭が舳先となって 冷たい朝をかき分ける
ボートから水に手を伸ばしたように
流れる朝に耳たぶが冷たい

これから始まる冬の一日
いつもの朝ではあるけれど

晴れた冬の朝はいつも

渡された台本に見つけた最初の台詞

初レッスンのフォー・エイト

初見で奏でた最初の音

初めて気づいたキミの瞳

同じ陽射しの下のキミも
キミらしく一日を始めている

午後には素適なココアを飲もう