伊予の経営コンサルタントのブログ -34ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊11面、「家電量販3社、業績改善」という記事から、家電量販店のビジネスモデルについて考察を加えてみたいと思います。

記事の内容は、家電量販店大手3社(ヤマダ電機・ケーズHD・エディオン)の第1四半期の決算概要を伝えるもので、消費増税の逆風の中でも各社黒字を確保し健闘していると伝えています。

今日は、その発表されたばかりの第1四半期の財務データを使って、家電量販店ビジネスについて考えてみましょう。まずは以下の数字をご覧ください。なお、エディオンはHPにまだデータが載っていなかったので、ヤマダ電機とケーズを比べてみます。

単位:百万円  
  ヤマダ電機 ケーズ
売上高 413,594 150,453
売上原価 314,734 113,441
売上総利益 98,860 37,011
販管費 98,826 34,820
営業利益 34 2,191
経常利益 1,938 4,486
     
売上原価率 76.10% 75.40%
売上総利益率 23.90% 24.60%
販管費率 23.89% 23.14%
営業利益率 0.01% 1.46%
経常利益率 0.47% 2.98%
※データ出所:
http://www.yamada-denki.jp/ir/pdf/kessan/2014/140807.pdf
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1172577

いかがでしょうか。企業規模の違いはありますが、各財務比率は見事に同じような数字が並んでいます。これは両社が似たような費用構造であることを示しており、ひいては家電量販店ビジネスはどこも似たような事業構造であることを表しています。

しかし、「似たような」構造であると言っても、営業利益の数字はヤマダ電機が3400万円にすぎないのに対し、ケーズは21億円あまりと、はっきりした差がついています。これは売上原価率で0.7ポイント、販管費比率で0.75ポイント、ケーズがヤマダ電機を上回っていることによってついた差です。このように少しの売上向上・コスト削減努力が大きく利益に影響することは覚えておいて損のないことです。逆に言えば、安易な値引きやコストの増大は思ったより大きな利益減少要因になりうるということです。

ケーズの決算短信を読むと、同社は『「がんばらない(=無理をしない)」経営』を標榜しているそうです。この辺りは、一時期ブラック企業のレッテルを貼られたヤマダ電機とは対照的です。成熟した事業環境で、「大きな成果につながる小さな差」を生み出すのは、このような目に見えないものなのかもしれません。

さて、台風が接近してきました。私の住む四国は直撃コースに入っています(><) みなさんもくれぐれもお気お付けください! また来週!!







こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!

本日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞9面、「フィリピン 育たぬ車産業 政府、支援に後ろ向き」という記事を取り上げます。

記事の内容ですが、日産が昨年末フィリピンに設立した現地法人の社長をわずか半年あまりで交代させたことを取り上げ、その理由としてフィリピン政府内で自動車産業誘致への足並みが揃っていないことを嫌気したのではないか、と伝えています。具体的には、貿易産業省が進出企業の日産に対し製造1台あたり約10万円の補助金を出すことを目指しているのに対し、財務省がこれに難色を示しているということです。

一見すると、工場が誘致されれば雇用が増えるし、生産力が上がれば輸出もできて貿易収支の改善にも貢献するので、反対する理由はないように思えます。なぜフィリピンの財務省は補助金を出し渋っているのでしょうか? 

いくつかマクロ経済の数字を拾って考えてみましょう。比較対象として、同じ東南アジアで人口規模がほぼ同じであるベトナムと比べてみます。以下は、GDPを分母とした各指標の割合です。

  ベトナム フィリピン
個人消費 68.9% 72.6%
政府支出 6.8% 11.5%
設備投資 30.4% 20.2%
輸出 84.7% 28.3%
輸入 -93.9% -32.4%
政府債務 48.2% 50.2%
政府歳入 25.2% 14.3%
※データ出所:
https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/rankorder/2119rank.html?countryname=Oman&countrycode=mu&regionCode=mde&rank=136#mu

両国に共通しているのは、
・個人消費の割合が高い
・貿易赤字国である
ということです。これは、「国民の旺盛な消費意欲を国内の生産力だけで賄いきれないので、輸入でカバーしている」という状態です。しかし、設備投資が占める割合はベトナムがフィリピンを10ポイント以上上回っており、ベトナムが外資を導入して設備投資を行って、国内の生産力を上げようとしているのに対し、フィリピンはサービス業を中心に稼ぎ、欲しいモノは外国から買ってくればいい、と考えていることが伺えます。

一方、両国で対照的なことは、
・政府歳入の割合はベトナムが約11ポイント高い
・政府支出の割合はフィリピンが約5ポイント高い
ということです。これは、フィリピンが国民からお金を集められていないにもかかわらず、公共投資にはお金を使っている、ということを示します。島国で、離島も多いフィリピンでは、どうしてもインフラ整備のコストが高くついてしまうことが原因だと思います。

以上を総合すると、フィリピンは、もともと製造業誘致への熱心さが乏しいのに加え、政府財政がタイトなため、政策効果が不明確な支出には慎重になる傾向がある、と言えるのではないでしょうか。

しかしながら、失業率や貿易収支の改善はフィリピン政府にとっても解決したい課題であるはずです。20世紀的思考では、工場誘致はそれらの明確な回答になりうるものでしたが、果たして今はどうなのでしょうか? もしかしたら、フィリピンは「大規模製造業に頼らない雇用改善」という新しいテーマに挑戦しようとしているのかもしれません。

それでは、また!!







こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊13面、「日本電産 永守流スカウト術 片山シャープ元社長、副会長に」という記事から、思うところを書いていきます。

記事の内容は、モーターメーカー大手の日本電産が、シャープの元社長・片山幹雄氏を副会長として迎える人事を発表した、というものです。強烈なリーダーシップで有名な創業者の永守重信会長も今年で70歳。次代の経営を集団指導体制で乗り切るための布石と分析しています。

経営コンサルタントにとって、一代で日本電産を世界的トップメーカーに育てた永守氏という経営者は目を奪われずにはいられない存在です。今日は良い機会ですので、日本電産の経営の特徴を数字で検討してみましょう。比較材料として、同じ部品メーカーの小糸製作所と比べてみます。

単位:百万円
  日本電産 小糸製作所
売上高 875,109 597,502
営業利益 85,068 49,506
総資産 1,165,918 483,093
従業員数(人) 100,394 18,742
     
営業利益率 9.7% 8.3%
ROA 7.3% 10.2%
総資産回転率    0.75回 1.23回
従業員一人当たり売上高 871万円 3,188万円

※両社とも2013年度有価証券報告書より
http://www.nidec.com/~/media/nidec-com/ir/library/reports/archive/pdf/FY13Q4.pdf
http://www.koito.co.jp/pdf/ir/yuka_pdf/yuka114.pdf

まず目を引くのは、圧倒的な企業規模の違いです。総資産で2.4倍、従業員数では5.3倍、日本電産は小糸製作所を上回っています。しかし、営業利益では1.7倍、売上高では1.4倍と、その差は小さくなります。その結果、経営の効率を示すROA、総資産回転率、従業員一人当たり売上高といった指標は、すべて小糸製作所の方が日本電産を上回っています。

しかし、収益性を示す営業利益率は、逆に日本電産が高くなっています。さらに詳しく見てみると、売上原価率は小糸製作所が84.4%なのに対し、日本電産は74.5%と約10ポイントも低コストで製造を行っています。これは、永守流の現場主義が企業グループの隅々までに行き渡っている証拠です。

普通、買収やM&Aで企業規模を拡大すると、どうしても無駄やコスト意識の低下が生じ、収益性が低くなってしまう、いわば「大男、総身に知恵が回りかね」状態になるものですが、日本電産はそれを見事に克服しています。お相撲さんに例えるならば、入門した時はヒョロヒョロの少年が、人の3倍ちゃんこを食べて体を大きくし、かといって体力だけに頼るのではなく、技術の研鑚も怠らずに見事横綱になった、というところでしょうか。

これからも、永守氏=日本電産がどんなニュースを届けてくれるのか、注目して見ていきたいと思っています。

それでは、また!!