伊予の経営コンサルタントのブログ -33ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊15面、「化粧品 5社が減益・赤字 4~6月営業、駆け込み反動で」という記事を題材に、化粧品業界について考えて行きます。

記事の内容ですが、主要化粧品メーカー6社の4~6月期の決算発表が出そろい、5社が減益・赤字になったと伝えています。要因はもちろん消費増税で、各社とも新製品の投入や販売促進の強化などで下期にかけて業績の回復を目指す、としています。

それでは、数字を確認していきましょう。業界最大手の資生堂と、今回6社の中で唯一営業増益となったコーセー化粧品を比べてみます。

単位:百万円
  資生堂 コーセー
売上高 168,377 44,316
売上原価 39,432 10,159
売上総利益 128,945 34,156
販管費 127,582 31,288
営業利益 1,362 2,868
経常利益 1,441 2,810
純利益 -1,780 1,142
     
売上原価率 23.4% 22.9%
売上総利益率 76.6% 77.1%
販管費率 75.8% 70.6%
営業利益率 0.8% 6.5%
経常利益率 0.9% 6.3%

売上高は資生堂が4倍近く上回っていますが、コーセーはコスト抑制に成功し、各利益は逆に資生堂を上回っています。次に資産状況を見てみましょう。

単位:百万円
  資生堂 コーセー
総資産 739,780 183,106
流動資産 346,099 114,582
固定資産 393,680 68,523
流動負債 255,284 37,942
固定負債 150,023 12,851
純資産 334,473 132,312
     
流動比率 135.6% 302.0%
自己資本比率 45.2% 72.3%
ROA 0.2% 1.5%
ROE -0.5% 0.9%

こちらも総資産は資生堂がコーセーの約4倍、しかし各財務指標はコーセーが資生堂を上回っているという構図です。これらを総合すると、「規模の資生堂、効率のコーセー」と言えそうです。

しかし、考えてみればこれは当然のことです。業界で圧倒的な規模を誇る資生堂に対抗するのに、収益性や効率性で後塵を拝していたのでは、まったく勝負になりません。業界のシェア2位以下の企業、マーケティング的に言えばチャレンジャー企業は、リスクを取ってリーダー企業との違いを生み出して生存を図ります。そのためには財務的に安定していることが不可欠なのです。

話は少し飛躍しますが、その意味で、私はやはり日本の今の財政状況はかなり危険な状態にあると思っています。GDPは頭打ち、公債残高は右肩上がり、加えて経常赤字に陥るとなれば、世界から「稼げないくせに借金ばかり多いでくのぼう」というレッテルを貼られかねません。そうなれば国際的な発言力は弱まります。

それを避けるためにも、国債の国内消化ができている今のうちに財政改革を行うことは避けられないと思います。一定程度の増税は受け入れざるを得ないというのが私の意見です。

最後は話が脱線しましたが、ご意見などいただけると幸いです。それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1169016
http://www.shiseidogroup.jp/ir/pdf/ir20140731_898.pdf


こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊11面、「腕時計3社とも営業増益 セイコーやシチズン 4~6月 訪日観光客向け好調」という記事を題材に、腕時計業界のツートップ、セイコーとシチズンの経営を論じてみたいと思います。

記事の内容ですが、セイコー、シチズンにカシオ計算機を加えた腕時計大手3社の4-6月期決算が出そろい、3社とも営業増益だったと伝えています。消費増税の逆風はあったものの、訪日外国人向けに販売が伸びたことが要因であると分析しています。

それでは、その発表された4-6月期の数字を比べてみましょう。

単位:百万円
  セイコー シチズン
売上高 64,228 75,914
売上原価 41,550 47,447
売上総利益 22,678 28,467
販管費 19,826 23,898
営業利益 2,851 4,569
経常利益 2,355 4,700
純利益 939 3,583
     
売上原価率 64.7% 62.5%
売上総利益率 35.3% 37.5%
販管費率 30.9% 31.5%
営業利益率 4.4% 6.0%
経常利益率 3.7% 6.2%

実は、この数字を見る前は先入観で「業界1位がセイコー、2位がシチズン」と勝手に考えていましたが、上記のように損益計算書の数字は軒並みシチズンがセイコーを上回っています。次に、資産規模を見てみましょう。

単位:百万円
  セイコー シチズン
総資産 369,911 393,373
流動資産 153,477 263,237
固定資産 216,433 130,135
流動負債 161,740 87,310
固定負債 138,918 90,364
純資産 69,252 215,698
     
流動比率 94.9% 301.5%
自己資本比率 18.7% 54.8%
ROA 0.6% 1.2%
ROE 1.4% 1.7%

ご覧の通り、総資産でもシチズンがセイコーをわずかながら上回っています。したがって、現在の腕時計業界での両社のポジションは拮抗しているか、ややシチズンがリードしていると言っていいでしょう。

にもかかわらず、我々がセイコーを国内腕時計市場のトップブランドと認識している理由は何なのでしょう? 実はその答えも貸借対照表の中にあります。固定資産の欄を見れば、セイコーはシチズンの約1.7倍の額を計上しています。これは土地や建物など、人が目で見て価値が分かる資産の割合が多いことを示します。これが、実態以上にセイコーの企業イメージを高めているのです。一例を挙げれば、セイコーの本社所在地が港区虎ノ門という23区内の一等地であるのに対し、シチズンの本社は郊外の西東京市田無にあります。

大まかに言ってしまえば、セイコーは銀座和光に象徴される「イメージ重視経営」、シチズンは優秀な財務諸表に象徴される「実質経営」と言えるかもしれません。ただ、セイコーの流動比率が100%を割っているのは問題で、記事によれば創業者の旧邸宅だった土地を売却する計画だとか。この厳しい時代、イメージだけではやっていけないということなのでしょうね。

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.seiko.co.jp/dev/data/doc/20140812b.pdf
http://www.citizen.co.jp/ir/pdf/note/FY14_1Q.pdf

こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊9面、「トルコ大統領にエルドアン氏 超長期政権を視野」という記事から思うところを述べたいと思います。

記事の内容ですが、10日実施のトルコ大統領選挙でエルドアン現首相が当選し、同国史上初の直接選挙で選ばれた大統領になることを伝えています。今日はこれを機に、トルコという国の課題について考えてみたいと思います。

いつもの「The World Factbook」(https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/tu.html)でトルコを検索し、経済の数字を眺めてみると、世界のベスト10に入っている指標がひとつだけあります。それは中央銀行公定歩合(Central bank discount rate)です(2009年12月のデータで15.00%、世界第9位)。ここから関連する指標を追ってみると、インフレ率は7.6%(2013年)と、高い方から世界32番目、経常赤字は583億ドル余りで赤字が多い方から世界7番目となっています。また、私がいつも注目するGDP構成比では、個人消費が71%を占め、トルコが消費大国であることが分かります。

これらの数字が意味するところは、「もともと国民の消費意欲が旺盛だったうえに経済発展が重なり、高まる国内需要を国内の生産力だけでは賄いきれず、輸入超過になっている」→「外国からモノを買うために自国通貨安になりやすく、物価が上がりやすい」→「中央銀行はインフレ防止のため金利を高くする」・・・という構図です。

つまり、トルコ経済の今後の課題を一言で言うと、「インフレ抑制と経済発展の両立」ということになります。その意味で、今日の記事には気になる記述がありました。エルドアン氏と側近のブルト経済上級顧問は、中央銀行に利下げを迫っているというのです。大統領の権限がどこまで強化されるのかは未知数ですが、中央銀行の独立性を脅かすような事態になれば、利下げがハイパーインフレの引き金になる事態が十分に予想されると、私は考えます。

まずは、安定した権力基盤を、国内の産業力を高める方向に使うべきだと思います。現在の経常赤字体質を放置したまま金融緩和を行えば、さらなる通貨下落・物価高騰という流れに陥る危険性が高いのではないでしょうか。

ご意見などいただける幸いです! それでは、また!!