今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊15面、「化粧品 5社が減益・赤字 4~6月営業、駆け込み反動で」という記事を題材に、化粧品業界について考えて行きます。
記事の内容ですが、主要化粧品メーカー6社の4~6月期の決算発表が出そろい、5社が減益・赤字になったと伝えています。要因はもちろん消費増税で、各社とも新製品の投入や販売促進の強化などで下期にかけて業績の回復を目指す、としています。
それでは、数字を確認していきましょう。業界最大手の資生堂と、今回6社の中で唯一営業増益となったコーセー化粧品を比べてみます。
| 単位:百万円 | ||
| 資生堂 | コーセー | |
| 売上高 | 168,377 | 44,316 |
| 売上原価 | 39,432 | 10,159 |
| 売上総利益 | 128,945 | 34,156 |
| 販管費 | 127,582 | 31,288 |
| 営業利益 | 1,362 | 2,868 |
| 経常利益 | 1,441 | 2,810 |
| 純利益 | -1,780 | 1,142 |
| 売上原価率 | 23.4% | 22.9% |
| 売上総利益率 | 76.6% | 77.1% |
| 販管費率 | 75.8% | 70.6% |
| 営業利益率 | 0.8% | 6.5% |
| 経常利益率 | 0.9% | 6.3% |
売上高は資生堂が4倍近く上回っていますが、コーセーはコスト抑制に成功し、各利益は逆に資生堂を上回っています。次に資産状況を見てみましょう。
| 単位:百万円 | ||
| 資生堂 | コーセー | |
| 総資産 | 739,780 | 183,106 |
| 流動資産 | 346,099 | 114,582 |
| 固定資産 | 393,680 | 68,523 |
| 流動負債 | 255,284 | 37,942 |
| 固定負債 | 150,023 | 12,851 |
| 純資産 | 334,473 | 132,312 |
| 流動比率 | 135.6% | 302.0% |
| 自己資本比率 | 45.2% | 72.3% |
| ROA | 0.2% | 1.5% |
| ROE | -0.5% | 0.9% |
こちらも総資産は資生堂がコーセーの約4倍、しかし各財務指標はコーセーが資生堂を上回っているという構図です。これらを総合すると、「規模の資生堂、効率のコーセー」と言えそうです。
しかし、考えてみればこれは当然のことです。業界で圧倒的な規模を誇る資生堂に対抗するのに、収益性や効率性で後塵を拝していたのでは、まったく勝負になりません。業界のシェア2位以下の企業、マーケティング的に言えばチャレンジャー企業は、リスクを取ってリーダー企業との違いを生み出して生存を図ります。そのためには財務的に安定していることが不可欠なのです。
話は少し飛躍しますが、その意味で、私はやはり日本の今の財政状況はかなり危険な状態にあると思っています。GDPは頭打ち、公債残高は右肩上がり、加えて経常赤字に陥るとなれば、世界から「稼げないくせに借金ばかり多いでくのぼう」というレッテルを貼られかねません。そうなれば国際的な発言力は弱まります。
それを避けるためにも、国債の国内消化ができている今のうちに財政改革を行うことは避けられないと思います。一定程度の増税は受け入れざるを得ないというのが私の意見です。
最後は話が脱線しましたが、ご意見などいただけると幸いです。それでは、また!!
※本稿のデータ出所
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1169016
http://www.shiseidogroup.jp/ir/pdf/ir20140731_898.pdf