伊予の経営コンサルタントのブログ -27ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊9面、「トルコ、新首相が就任 経済の構造改革 課題に」という記事から思うところを書いていきます。

内容ですが、トルコの日刊紙「ヒュリエット」の翻訳記事になっています。トルコの新首相に外相だったダウトオール氏が就任したことを伝え、新政権の課題として民主化と経済改革を挙げています。その上で、現状のトルコ経済の問題点として多額の経常赤字を指摘し、その原因が低調な設備投資にあると分析しています。そして、これを改善する方策として、①教育の充実による適切な労働力水準の確保②海外からの投資環境の整備、を主張しています。

それでは、これらの課題をいつものThe World Factbook(https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/tu.html)の数字から確認してみましょう。部門別GDP構成比を見てみます。比較対象として、トルコとGDPの規模が似通っているインドネシアと韓国の数字と並べてみます。

  トルコ インドネシア 韓国
個人消費 71.0% 56.0% 53.1%
政府支出 15.4% 9.4% 15.9%
設備投資 19.4% 32.7% 27.0%
輸出 26.6% 23.5% 54.6%
輸入 -32.5% -25.8% -50.8%
経常収支 583億㌦の赤字 287億㌦の赤字 556億㌦の黒字
明らかに、トルコの設備投資は他の2国に比べて低調であることが分かります。生産力が弱いため国内消費を国内生産力でまかないきれず、また競争力のある輸出品も生み出せないため、経常収支は慢性的な赤字状態です。経常赤字は自国通貨の下落⇒物価上昇につながり、GDPの7割を占める個人消費に影響が出、庶民の不満もたまって政治が不安定化する・・・という悪循環に陥ります。

今日のヒュリエット紙の記事で素晴らしいところは、経常赤字問題の根っこに教育問題があることを指摘している点です。経常赤字改善のためには価値の高い輸出品を生産し、貿易黒字に転換する必要性を説いたあと、「(国内100万人の生徒のうち)半数以上は安価な労働力として圧力にさらされる。これを変えない限り、トルコが独創的なハイテク製品を生産することはできない」(記事より一部修正して抜粋)と明確に指摘しています。

しかし、この指摘はトルコだけではなく、日本にも当てはまるのではないでしょうか。私は、これからもわが国の豊かさの源泉は生産力、ものづくりの力にあるような気がしてなりません。その意味で、昨今の「ものづくりは古い。これからは知恵と技術で稼ごう」という風潮は少し危険な気がしてなりません。

海外の論調を読むことで、改めて「豊かさを生み出す原理原則」について考えた次第です。

それでは、また!!




こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。昨日付日経新聞朝刊35面、「放送や衣料・・・「錦織効果」 WOWOWに紹介殺到/完売状態」という記事を取り上げます。

ご存じの通り、テニスの錦織圭選手が全米オープンで日本人初の決勝進出を果たしたことが、多方面で好影響を与えているという記事です。今日は、数字を使って「錦織特需」がどれくらいになるのかを衛星放送WOWOWのケースで考えてみます。

サンスポの記事(http://www.sanspo.com/geino/news/20140908/sot14090817230006-n1.html)によると、試合を独占生中継するWOWOWには8日、通常の10倍の照会電話があったそうです。同社の直近5か月の新規加入件数平均は36,489件(ワールドカップで加入者数が伸びた6月は除外)で、1日あたりにすると1,216件。これの10倍として1日12,160件の問合せがあったことになります。

このうち、実際の加入率を5割と仮定すると6,080件。錦織選手が決勝進出を決めた日曜と月曜2日間で6,080×2日間=12,160件の新規加入があったと算出できます。

WOWOWの決算短信を見ると、「当社の収入の約90%は、加入者からの視聴料収入で占められており~」とあり、前期の売上高は約702億円です。また8月末現在での累計加入件数は約264万件ですので、1件当たりの売上高は、
702億円×0.9÷264万件=約2万3900円 
となります。

今回の新規契約は、いわば錦織選手見たさの「にわか」契約も多いかと思いますので、新規契約の半数は6か月後に解約すると仮定します。すると売上高は、
12,160件×0.5×23,900=約1億4,500万円(1)
12,160件×0.5×23,900×0.5=約7,200万円(2)
(1)+(2)=約2億1,700万円
となります。これを分子にして、先ほどの視聴料収入を分母とすると、今回の「錦織特需」は、売上高を約0.34%押し上げる効果があった、と類推できます。

みなさんはこの数字、どう評価しますか? マスコミが「錦織特需!」と騒ぐ割には、小さい数字だと思いませんか? 私は、やはり経営というものは風頼みではなく、正しい方向性をもって地道に努力することだと、改めて感じたのですが、いかがでしょうか?

ご意見や、「その数字の前提、おかしいんじゃないの?」という指摘も大歓迎ですので、コメントいただけると幸いです。それでは、また!!

※本稿の参考資料
http://www.wowow.co.jp/co_info/service/subscriber/2014.html
http://www.wowow.co.jp/co_info/ir/pdf/1735.pdf








こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊3面、「もたつく景気回復 期限切れ肉、外食直撃」という記事に取り上げられている日本マクドナルドの現状について書いてみたいと思います。

記事の内容ですが、7月の外食産業の売り上げの落ち込みが激しいことを伝えた上で、その要因として悪天候と業界のガリバーである日本マクドナルドの経営不振を指摘しています。ご存知の通り、仕入れ先だった中国での期限切れ鶏肉使用問題が客足が遠のく原因になっています。

私は今年の初めまで6年間東京で生活していましたが、最初の4年間は郊外の国分寺市に住んでいました。JR国分寺駅周辺はファーストフード店の激戦地で、主だった外食チェーンはだいたい出店していましたが、その中でも断トツの存在感を示していたのがマクドナルドです。店内は常に満員で、週末には店の外に行列が伸びる盛況ぶりでした。

ここで、その国分寺駅前店が盛況だった5年前(2008年)と去年(2013年)の財務データを比較してみましょう。
                                                                                                            
  2008年度 2013年度
売上高 405,892 259,876
売上原価 341,110 223,326
売上総利益 64,781 36,550
販管費 47,300 25,465
営業利益 17,481 11,085
経常利益 16,370 9,373
純利益 9,904 4,515
     
売上原価率 84.0% 85.9%
売上総利益率 16.0% 14.1%
販管費率 11.7% 9.8%
営業利益率 4.3% 4.3%
経常利益率 4.0% 3.6%
純利益率 2.4% 1.7%

一目瞭然、マック不調の原因は売上高の低下、すなわち「お客さんが来なくなった」ことです。中国の仕入れ問題や天候不順は今年の現象ですから、すでに去年までの段階で低落傾向は鮮明になっていたのです。

日本マクドナルド自身は、売上減の原因をどう分析しているのでしょうか。今年2月に公表された通期連結決算状況(http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2014/release-140206.html)の中にこんな一文があります。

「当社は、「メイド・フォー・ユー」、「キッズ&ファミリー」、「ドライブスルー」、「ピープル」などといったマクドナルド独自の強みを持っております。そしてそれらの強みは必ずしも十分にお客様にとっての価値を生み出すには至っておりません。」(原文のまま)

つまり、これまで培ってきた「強み」が、顧客の意識の変化で徐々に通用しなくなってきた、と感じているようです。

マクドナルドというブランドは、私のような片田舎で青春を過ごした者にとっては、「都会的」で「かっこいい」ものの象徴でした。修学旅行で東京に行ったとき、まず何がしたいかと言って、「マックシェイクを飲みながら原宿を歩く」ことだったのを思い出します(私と同世代の地方出身の方は同意していただけると思うのですが・・・)。今のマクドナルドには、そんな「ワクワク感」がなくなり、場所によっては、「近所のガキどもの溜り場」「ただの小汚いハンバーガー屋」みたいになっているところもあります。

規模の拡大や効率的なオペレーションも大事ですが、マクドナルドの経営陣には、「なぜ日本人はマック好きだったのか?」をもう一度じっくり考えて欲しいと思いますね。

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.mcdonalds.co.jp/company/outline/pdf/mcdj07_bspl.pdf
http://www.mcdonalds.co.jp/company/outline/pdf/mcdj12_bspl.pdf