今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊12面、「素材の活路 『脱・汎用品』設備を刷新」という記事に紹介されていた旭化成の経営をテーマに筆を進めます。
記事の内容ですが、製紙・鉄鋼・繊維といった素材関連業界の経営戦略について考察を加えています。素材産業が抱える共通の課題は「供給過剰の是正」で、製紙業界で2000年代に続いた再編の目的は、経営統合により過剰設備を廃棄し、供給能力を最適化することでした。今回、繊維・ケミカル業界の中で国内工場改編の取組が紹介されていたのが旭化成です。
それでは、いつものように直近の財務諸表から数字を見てみましょう。今日は貸借対照表を中心に見ていきます。比較対象として、事業ポートフォリオが比較的似ている東レと比べてみます。
| 単位:百万円 | ||
| 旭化成 | 東レ | |
| 総資産 | 1,915,089 | 2,119,683 |
| 流動資産 | 890,401 | 920,365 |
| 固定資産 | 1,024,689 | 1,199,318 |
| (うち有形固定資産) | 480,535 | 781,235 |
| 流動負債 | 576,782 | 596,582 |
| 固定負債 | 412,541 | 578,476 |
| 純資産 | 925,766 | 944,625 |
| 流動比率 | 154.4% | 154.3% |
| 自己資本比率 | 48.3% | 44.6% |
| ROA | 7.5% | 5.2% |
| ROE | 10.9% | 6.3% |
| 有形固定資産回転率 | 3.95 | 2.35 |
今回数字を拾ってみて初めて分かったのですが、両社は売上高、総資産など、事業規模はほぼ同じなのですね。したがって各指標は似たような数字が並ぶのですが、大きく差が出ているのは、赤文字で示した資産効率性に関わる数値です。特に、今回の記事のテーマである生産設備の効率性を表す有形固定資産回転率(=売上高÷有形固定資産額)は1.6ポイントとかなりの差がついています。
有形固定資産の計上額を見ると、旭化成は東レの60%強しかありません。つまり、旭化成は東レの6割の生産設備で同じ額の売上をたたき出しているということで、それだけ効率的な経営、以前このブログでお話したことのある「筋肉質の経営」ができているということになります。
旭化成といえば、実業団柔道の強豪としても知られています。そういえば、製造業で効率経営の雄と言われるコマツも、柔道部が強いですね。社員が筋肉質なら経営も筋肉質・・・まあ、単なる偶然だとは思いますが^^:;
今週もお付き合いいただきありがとうございました。すっかり秋めいてきましたが、体調には気をつけて、良い週末を!!
※本稿のデータ出所
https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/ir/news/pdf/201403_cnsldtd.pdf
http://www.toray.co.jp/ir/pdf/fin/fin_a085.pdf