今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊16面、「自社株買いに賞味期限? 高ROE、持続力で選別」という記事から思うところを書いていきます。
記事の内容は、投資家が企業を選別する際の重要指標である自己資本利益率(ROE)にスポットを当て、自社株買いのようなテクニカルな方法でROEを上げるより、戦略的な投資によって高ROEを持続する企業の裾野が広がることが日本の株式市場にとって重要だ、と指摘するものです。
ROEは自己資本に対する最終利益の割合ですので、純利益÷自己資本で計算できます。自社株買いを行えば割り算の分母である自己資本を減らすことができ、数値が上昇するというわけですね。今日の記事はこれを「財務の技術に頼ったROEの向上」と呼び、あまり望ましくないものとしてとらえているようです。
一体、高ROEを維持する王道はどのようなものでしょうか。ROE=純利益÷自己資本を分解すると以下のような式が導き出せます。
売上高純利益率(純利益/売上高)×総資産回転率(売上高/総資産)×財務レバレッジ(総資産/自己資本)
従って、これら3つの数値を高くすればROEも高くなるということです。それでは、実際の高ROE企業の数値を確認してみましょう。Yahoo! ファイナンス(http://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=55&mk=1&tm=d&vl=a)掲載の高ROE企業上位5社と、記事で紹介されていた良品計画、オリエンタルランドの数字です。
| 売上高純利益率 | 総資産回転率 | 財務レバレッジ | |
| 東京機械製作所 | 131.2% | 0.39 | 173.1% |
| マルマエ | 7.0% | 0.70 | 1774.1% |
| イグニス | 14.6% | 1.61 | 235.9% |
| ガンホー・オンライン・エンターテイメント | 33.6% | 1.30 | 161.9% |
| ファーストエスコ | 20.8% | 0.60 | 549.7% |
| オリエンタルランド | 14.9% | 0.71 | 134.6% |
| 良品計画 | 7.7% | 1.57 | 126.3% |
トップの東京機械製作所、2位のマルマエは、それぞれ明らかに異常値があることに気づかれるでしょう。東京機械製作所(ちなみに輪転印刷機のメーカーです)は、所有資産を売却した特別利益が多額で売上高純利益率が、マルマエ(ちなみに大型切削加工・マシニング加工のメーカーです)は過去の赤字で資金繰りを借入金に依存したことで財務レバレッジが、それぞれありえない数値となっています。
またイグニス、ガンホーの両ソーシャルゲーム会社、木質バイオマス発電支援のファーストエスコは、今のところ時流に乗って高い利益率を上げていますが、それぞれ市場・経営環境は不透明と言えるでしょう。一口に高ROE企業と言っても、中身を確認しないと実状は分からないのですね。
もちろん業種によって違いはありますが、オリエンタルランドと良品計画を「安定した高ROE企業」とみなすなら、
・「10%程度の純利益率」
・「1回程度の資産回転率(=総資産と同額くらいの売上を上げている)」
・「130%程度の財務レバレッジ(=70%程度の自己資本比率)」
というのが、ざっくりとしたメルクマールになりそうです。何かの参考になれば幸いです(^-^)
あ、何度も言いますが、書いてきたことはあくまで個人的な見解です。投資は自己責任ですので、その点はあしからず・・・
今週もお付き合いいただきありがとうございました! 台風が近づいていますのでくれぐれもお気をつけて、よい3連休を! それでは、また!!
※本稿のデータ出所
http://www.tks-net.co.jp/ir/kextusan140513.pdf
http://v3.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1095688&code=6264&ln=ja&disp=simple
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1171767
http://www.gungho.co.jp/ir/uploads/irk20140203_2.pdf
http://www.fesco.co.jp/ir/library/pdf/tanshin/140808002.pdf
http://www.olc.co.jp/ir/pdf/2014-04.pdf
http://ryohin-keikaku.jp/balance/pdf/h26_tanshin.pdf