伊予の経営コンサルタントのブログ -21ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊16面、「自社株買いに賞味期限? 高ROE、持続力で選別」という記事から思うところを書いていきます。

記事の内容は、投資家が企業を選別する際の重要指標である自己資本利益率(ROE)にスポットを当て、自社株買いのようなテクニカルな方法でROEを上げるより、戦略的な投資によって高ROEを持続する企業の裾野が広がることが日本の株式市場にとって重要だ、と指摘するものです。

ROEは自己資本に対する最終利益の割合ですので、純利益÷自己資本で計算できます。自社株買いを行えば割り算の分母である自己資本を減らすことができ、数値が上昇するというわけですね。今日の記事はこれを「財務の技術に頼ったROEの向上」と呼び、あまり望ましくないものとしてとらえているようです。

一体、高ROEを維持する王道はどのようなものでしょうか。ROE=純利益÷自己資本を分解すると以下のような式が導き出せます。

売上高純利益率(純利益/売上高)×総資産回転率(売上高/総資産)×財務レバレッジ(総資産/自己資本)

従って、これら3つの数値を高くすればROEも高くなるということです。それでは、実際の高ROE企業の数値を確認してみましょう。Yahoo! ファイナンス(http://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=55&mk=1&tm=d&vl=a)掲載の高ROE企業上位5社と、記事で紹介されていた良品計画、オリエンタルランドの数字です。

  売上高純利益率  総資産回転率 財務レバレッジ
東京機械製作所 131.2%       0.39 173.1%
マルマエ 7.0%       0.70 1774.1%
イグニス 14.6%       1.61 235.9%
ガンホー・オンライン・エンターテイメント 33.6%       1.30 161.9%
ファーストエスコ 20.8%       0.60 549.7%
       
オリエンタルランド 14.9%       0.71 134.6%
良品計画 7.7%       1.57 126.3%

トップの東京機械製作所、2位のマルマエは、それぞれ明らかに異常値があることに気づかれるでしょう。東京機械製作所(ちなみに輪転印刷機のメーカーです)は、所有資産を売却した特別利益が多額で売上高純利益率が、マルマエ(ちなみに大型切削加工・マシニング加工のメーカーです)は過去の赤字で資金繰りを借入金に依存したことで財務レバレッジが、それぞれありえない数値となっています。

またイグニス、ガンホーの両ソーシャルゲーム会社、木質バイオマス発電支援のファーストエスコは、今のところ時流に乗って高い利益率を上げていますが、それぞれ市場・経営環境は不透明と言えるでしょう。一口に高ROE企業と言っても、中身を確認しないと実状は分からないのですね。

もちろん業種によって違いはありますが、オリエンタルランドと良品計画を「安定した高ROE企業」とみなすなら、

・「10%程度の純利益率」
・「1回程度の資産回転率(=総資産と同額くらいの売上を上げている)」
・「130%程度の財務レバレッジ(=70%程度の自己資本比率)」

というのが、ざっくりとしたメルクマールになりそうです。何かの参考になれば幸いです(^-^)

あ、何度も言いますが、書いてきたことはあくまで個人的な見解です。投資は自己責任ですので、その点はあしからず・・・

今週もお付き合いいただきありがとうございました! 台風が近づいていますのでくれぐれもお気をつけて、よい3連休を! それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.tks-net.co.jp/ir/kextusan140513.pdf
http://v3.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1095688&code=6264&ln=ja&disp=simple
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1171767
http://www.gungho.co.jp/ir/uploads/irk20140203_2.pdf
http://www.fesco.co.jp/ir/library/pdf/tanshin/140808002.pdf
http://www.olc.co.jp/ir/pdf/2014-04.pdf
http://ryohin-keikaku.jp/balance/pdf/h26_tanshin.pdf




こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊17面、「一目均衡 スーパー・マリオの稼ぐ力」というコラムを題材に思うところを書いていきます。

内容は、投資の世界で「スーパー・マリオ」の異名をとるマリオ・ギャベリー氏の投資スタイルを紹介するものです。「10年後、20年後に世界がどう変わるかを考えて投資しろ」と語る氏は日本株の購入にも熱心で、保有銘柄としてキッコーマン、ヤクルト本社、伊藤園が挙げられています。

今日は、この中で同じ飲料メーカーであるヤクルトと伊藤園が、なぜ投資家にとって魅力的なのかを探ってみたいと思います。比較対象として、ダイドードリンコの財務数値と比べてみます。

単位:百万円
  ヤクルト 伊藤園 ダイドー
売上高 350,322 437,755 154,828
売上原価 156,331 225,951 70,553
売上総利益 193,990 211,804 84,275
販管費 161,964 190,703 78,270
営業利益 32,026 21,100 6,004
経常利益 39,535 20,518 5,962
純利益 22,543 12,096 3,712
       
売上原価率 44.6% 51.6% 45.6%
売上総利益率 55.4% 48.4% 54.4%
販管費率 46.2% 43.6% 50.6%
営業利益率 9.1% 4.8% 3.9%
経常利益率 11.3% 4.7% 3.9%
純利益率 6.4% 2.8% 2.4%

確かに、投資家が重視しそうな利益率の数字でヤクルトと伊藤園は相対的に高い値を示しています。しかし、売上原価率とその裏返しである売上総利益率では、3社はほぼ拮抗、むしろ伊藤園はダイドーの後塵を拝しています。

利益率の差を決定づけているのは、営業関連費用である販管費の比率です。ヤクルトは4.4ポイント、伊藤園は7.0ポイント、ダイドーより低くなっており、これが利益率の差に直結しています。

これは、決してダイドーが他の2社に比べて経費を無駄使いしているということではありません。上表の一番上、売上高の欄をご覧ください。ヤクルトと伊藤園の売上高はダイドーの倍以上あります。販管費は、人件費や販促費など、商品が売れても売れなくてもかかる費用(=固定費)が占める割合が高いため、売上高が伸びれば、相対的に売上高に対する割合が低くなるのです。

そう考えると、経営成績の浮沈はいかに売上を上げるかにかかっている、と言えそうです。なんだか当たり前の結論ですが、利益率の議論は往々にして費用削減の話になってしまい、大元の売上高のことは基本的に過ぎて疎かになる傾向があります。しかし、「会計の神様」と呼ばれる信越化学工業顧問で経済評論家の金児昭氏は、「会社の中で経営上・会計上一番大事な科目は売上高。売上高は学問である」(日経ビジネス人文庫「M&Aで会社を強くする」P93-94より抜粋)と述べています。商売の基本は、「いかに売るか」。モノやサービスが売れて初めて、費用をどう節約するか、という話になるわけですからね。

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.itoen.co.jp/files/user/pdf/ir/securities/201404.pdf
http://www.itoen.co.jp/files/user/pdf/ir/fr/apr14/2604aj.pdf
http://www.dydo.co.jp/corporate/ir/pdf/20140417_00.pdf
http://www.yakult.co.jp/company/ir/finance/results/2014/pdf_tanshin/h26_04_tansin.pdf
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊6面、「ドルトムント、脱『借金』 強さと両立、黒字定着」という記事を取り上げます。

内容ですが、サッカー日本代表の香川選手が所属する独・ブンデスリーガの強豪、ボルシア・ドルトムントのチーム経営について好意的に伝えています。ドルトムントは独サッカー界で唯一の上場企業で、その堅実かつ戦略的な経営手法の数々が紹介されています。

ご存知の通り、日本のプロスポーツチームで上場している企業はありません。今回は、記事に載っているドルトムントの数字をプロ野球の阪神タイガースと比較して、日本においてプロチームの上場が可能かどうか検証してみたいと思います。

まず、記事には、ドルトムントは「飲食や物販も含め年間約6千万ユーロ(約84億円)の試合関連収入を稼ぎ出す」とあります。タイガースの年間主催試合数を72試合、1試合4万人動員、チケット代や物販等の客単価を5000円と仮定すると、

72試合×4万人×5000円=144億円

となります。実際は地方開催や満員にならない試合もありますので、8掛けで考えると約115億円。我が阪神タイガースは、欧州の名門サッカークラブを凌駕する収益力を誇るのです。

次に全体の売上高ですが、記事によればドルトムントの2014年6月期の売上高は2億6千万ユーロとのこと。1ユーロ=140円で計算すると約364億円です。阪急阪神ホールディングスの有価証券報告書(http://holdings.hankyu-hanshin.co.jp/file_sys/irRelatedInfo/148.pdf)のセグメント情報を見ると、タイガース関連事業である「スポーツ事業」の営業収益は約309億円と記載されています。全体として考えても、タイガースはドルトムントと同じくらいのスケールでビジネスができると考えて良さそうです。

私は、日本のプロスポーツでもひとつくらい上場する企業があっていいと思います。記事によれば、ドルトムントは無理な大型補強に失敗したことで経営方針を転換、効率重視でチームも経営も立て直したとのことです。この素早い転換は、上場によって外部監視の目があったからこそのもの。親会社からの天下り社長の下、のんべんだらりとした経営をシャキッ、とさせるにはいい方法だと思いますけどね('-^*)/

それでは、また!!