今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊1面、「横浜・東日本銀が統合 地銀首位グループに」という記事から思うところを書いていきます。
記事の内容ですが、地方銀行大手の横浜銀行と東京都を主な地盤とする東日本銀行が2016年をメドに経営統合する方針を決めた、というものです。統合後の資産規模は16兆円弱となり、現在地銀首位のふくおかFGを抜き、地銀最大の金融グループが誕生する見込みです。
今日は、今回の地銀再編劇の裏にあるものをいつものように数字から読み解いていきましょう。横浜・東日本両銀行の前期、および6年前の損益計算書を比較してみます。
| 横浜銀行 | 単位:百万円 | |
| 2013年度 | 2007年度 | |
| 経常収益 | 294,451 | 317,949 |
| 経常費用 | 192,250 | 206,139 |
| 経常利益 | 102,200 | 111,810 |
| 純利益 | 60,690 | 68,270 |
| 経常利益率 | 34.7% | 35.2% |
| 純利益率 | 20.6% | 21.5% |
| 東日本銀行 | 単位:百万円 | |
| 2013年度 | 2007年度 | |
| 経常収益 | 39,994 | 48,724 |
| 経常費用 | 30,016 | 37,322 |
| 経常利益 | 9,978 | 11,402 |
| 純利益 | 5,545 | 6,575 |
| 経常利益率 | 24.9% | 23.4% |
| 純利益率 | 13.9% | 13.5% |
一見、両行とも堅実な経営をしているように見えますが、注目していただきたいのは経常収益のところです。横浜銀行は約7.4%、東日本銀行は約17.9%、6年前より数字を落としています。経常収益とは主に貸出金の受取利息のことで、一般の企業では「売上高」にあたります。分かりやすく言えば両行とも「販売不振」に陥っているということです。
もっとも、この状況は地銀全体に言えることです。なぜ地銀の「売上高」が上がらないかといえば、一般企業であれば新製品や新サービスの開発、販路の拡大などで売上拡大できるのですが、地方銀行ではそれができない、またはかなり困難だからです。A銀行とB銀行でお金のデザインが変わるわけではありませんし、この低金利時代に「○○銀行の新型ローンなら20%の利息を払っても借りたい!」などと言う奇特な人はいません。また、「東北のお金って活きが良さそうだから、ローン借りるなら東北の銀行だよな!」といって関西の人が東北の地銀と取引することも、まずないでしょう。
つまり、地銀の「売上高」の減少は今後も続くということです。このことを前提として、今回横浜・東日本両行はお互い体力のあるうちに経営統合し、大胆なリストラを進めやすくした、というのが本当のところではないでしょうか。
これって、人の結婚に似ているような気がしませんか? お金に困っていたり、体力的に不安があったりすると、良い条件での縁談はまとまりにくくなります。お互いしっかりした経営ができている今だからこそ、負い目もなく対等な交渉ができる・・・人も企業も一緒になるときは相手うんぬんよりまず「自分」をしっかり持つことが大事なのかもしれませんね。
それでは、また!
※本稿のデータ出所
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=9436&code=8332
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=4240&code=8332
http://www.higashi-nipponbank.co.jp/pdf/financial_results/21.3.1.pdf
http://www.higashi-nipponbank.co.jp/pdf/financial_results/20140515_release_summary.pdf