こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!
今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊1面、「三井住友銀に売却へ シティ個人部門 300~400億円軸に」という記事を取り上げます。
記事の内容ですが、今夏から話の出ていた米金融大手・シティグループの日本法人シティバンク銀行の個人向け事業売却について、三井住友銀行が売却先に決まったことを伝えています。買収額は300~400億円になる見通しで、年内の最終合意を目指しているとのことです。
私は8月21日のブログ「大胆予想! シティバンクはいくらで売却されるか?」で、売却金額を2800~3000億円と予想しました。はい、大外しですm(__)m
言い訳するつもりはありませんが、今後のこともありますので、今回の買収額決定について後付けの検証をしてみたいと思います。
結論から言えば、買収額は昨日説明した「純資産=企業価値」の考え方で算出されたようです。シティバンク銀行のディスクロージャー誌(http://www.citibank.co.jp/aboutus/financialdata/pdf/2013fullyeardisclosure1.pdf)によれば同社の純資産額は約2560億円。これに個人向け融資割合(17.89%)を掛けて算出した個人部門の企業価値は約458億円となり、報道の数字に近くなります。私の予想はDCF法で行ったため、将来キャッシュフローや期待収益率(WACC)の算定における想定が甘かったようです。
逆に言えば、それだけ日本におけるリテール金融ビジネスの環境が厳しいということなのでしょう。
バブル崩壊直後、日本の個人金融資産を狙って多くの外資系金融機関が日本で活動しましたが、結局日本人の心をつかんだ銀行は現れませんでした。そうこうしているうちに人口は減少段階に入り、高額預金を持つ高齢者層が蓄えを取り崩し始めたことで、外資・邦銀を問わず事業環境が悪化してきた、というところです。本来の企業価値から考えれば低い価格での決着となった今回の買収案件は、そんな時代の移り変わりの象徴として記憶されるかも知れませんね。
それでは、また!!
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!
今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊15面、「シャルレMBO訴訟の教訓 取締役の株主軽視に警鐘」という記事から思うところを書いていきます。
記事の内容ですが、東証2部上場で神戸市に本社のある下着販売会社・シャルレの経営陣が2008年に計画したMBO(経営陣が参加する企業買収)を巡り、手続き違反があったとして神戸地裁が当時の取締役の賠償責任を認める判決を下したことを伝えています。結局、このMBOは頓挫して、現在もシャルレは上場が維持された状態となっています。
記事によれば、企業価値算定で想定より高い価格が出ることを知った当時の経営陣が、買収価格を下げるために企業価値算定プロセスに介入したことが手続き違反と認定されたようです。
ファイナンスの入門書などを読むと、企業価値を算出する方法として、「時価総資産法」「類似会社比較法」「DCF法」の3つがある、などと出てきますが、分かりにくければ私は次のように考えれば良いと思っています。
「過去の実績で評価するか」or「これからの期待で評価するか」です。
一番わかりやすいのは、貸借対照表の純資産の部の金額をそのまま企業価値だと考えることです。純資産の部を構成するのは、過去にその会社に投下された資本金と儲けの累計である利益剰余金ですから、「過去の実績で評価する」企業価値になるということです。
一方、現時点で最も優れていると言われるDCF法は、「これからの期待で評価する」方法です。その会社がこれから稼ぐであろう儲け(正確にはキャッシュフロー)を投資家の期待値で割り戻して算出します。投資家の期待値はWACCという指標を使うのが一般的で、これはその会社への資金提供者(債権者+出資人)の期待リターン、つまり利率と配当率、株の値上り益率を加重平均したものです。
シャルレのHPに掲載されている2008年当時の財務諸表(http://www.charle.co.jp/company/ir/pdf/settlement/20090515-1.pdf)を参考に、発行済み株式総数で純資産額を割った1株当たり株価を算出してみると約885円となります。これが「過去の実績で評価する」方法ですね。これに対し、「これからの期待で評価する」DCF法で1株当たり株価を算出すると約1500円と、倍近い値になります。
おそらく、当時のシャルレの経営陣は、前者の885円という数字が頭に入っていたのでDCF法でかけ離れた数字が出た時に狼狽してしまったのではないでしょうか。DCF法は将来の利益を根拠に数字を出すためどうとでも調整がきき、また当時の株価は600円前後で推移していたので、800円程度の買取価格なら株主の理解も得られる、とやや安易に考えていたのではないでしょうか。
裁判で負けた、と言われると、何か意図的に悪いことをしたかのような印象になりますが、当時の経営陣に悪気はなかったのではないでしょうか。ただ、これから様々な形での企業買収が増えると予想される中で、「悪気がなかった」では済まされませんよ、というのが、このニュースからの教訓であるような気がします。
それでは、また!!
※本稿の参考資料
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=9885.T&ct=z&t=ay&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130,s&a=v
今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊15面、「シャルレMBO訴訟の教訓 取締役の株主軽視に警鐘」という記事から思うところを書いていきます。
記事の内容ですが、東証2部上場で神戸市に本社のある下着販売会社・シャルレの経営陣が2008年に計画したMBO(経営陣が参加する企業買収)を巡り、手続き違反があったとして神戸地裁が当時の取締役の賠償責任を認める判決を下したことを伝えています。結局、このMBOは頓挫して、現在もシャルレは上場が維持された状態となっています。
記事によれば、企業価値算定で想定より高い価格が出ることを知った当時の経営陣が、買収価格を下げるために企業価値算定プロセスに介入したことが手続き違反と認定されたようです。
ファイナンスの入門書などを読むと、企業価値を算出する方法として、「時価総資産法」「類似会社比較法」「DCF法」の3つがある、などと出てきますが、分かりにくければ私は次のように考えれば良いと思っています。
「過去の実績で評価するか」or「これからの期待で評価するか」です。
一番わかりやすいのは、貸借対照表の純資産の部の金額をそのまま企業価値だと考えることです。純資産の部を構成するのは、過去にその会社に投下された資本金と儲けの累計である利益剰余金ですから、「過去の実績で評価する」企業価値になるということです。
一方、現時点で最も優れていると言われるDCF法は、「これからの期待で評価する」方法です。その会社がこれから稼ぐであろう儲け(正確にはキャッシュフロー)を投資家の期待値で割り戻して算出します。投資家の期待値はWACCという指標を使うのが一般的で、これはその会社への資金提供者(債権者+出資人)の期待リターン、つまり利率と配当率、株の値上り益率を加重平均したものです。
シャルレのHPに掲載されている2008年当時の財務諸表(http://www.charle.co.jp/company/ir/pdf/settlement/20090515-1.pdf)を参考に、発行済み株式総数で純資産額を割った1株当たり株価を算出してみると約885円となります。これが「過去の実績で評価する」方法ですね。これに対し、「これからの期待で評価する」DCF法で1株当たり株価を算出すると約1500円と、倍近い値になります。
おそらく、当時のシャルレの経営陣は、前者の885円という数字が頭に入っていたのでDCF法でかけ離れた数字が出た時に狼狽してしまったのではないでしょうか。DCF法は将来の利益を根拠に数字を出すためどうとでも調整がきき、また当時の株価は600円前後で推移していたので、800円程度の買取価格なら株主の理解も得られる、とやや安易に考えていたのではないでしょうか。
裁判で負けた、と言われると、何か意図的に悪いことをしたかのような印象になりますが、当時の経営陣に悪気はなかったのではないでしょうか。ただ、これから様々な形での企業買収が増えると予想される中で、「悪気がなかった」では済まされませんよ、というのが、このニュースからの教訓であるような気がします。
それでは、また!!
※本稿の参考資料
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=9885.T&ct=z&t=ay&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130,s&a=v
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!
今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊37面、「スポーツ探Q 大相撲人気回復のワケ」という記事から思うところを書いていきます。
記事の内容ですが、大相撲の人気が回復していることを多方面から伝えています。白鵬の優勝記録や、遠藤・逸ノ城といった若手の台頭など土俵の充実に加え、外国人観光客向けのツアー企画やSNSの活用によって新規顧客の開拓に成功していることが要因と分析しています。
ご存知の通り、2010年以降は薬物問題や八百長スキャンダル、野球賭博問題が次々と表に出て、角界は大揺れに揺れました。あれからわずかの時間しか経過していませんが、本当に相撲人気は回復してきているのでしょうか。いつものように数字で確認してみましょう。
日本相撲協会のHP(http://www.sumo.or.jp/kyokai/financial_information/yosan_kessan)には、毎年の決算報告が掲載されています。そこから、近年の経常収益(一般企業の売上高に相当)の推移を見てみましょう。
確かに、問題が噴出した2011年に約63億円と深刻な落ち込みを見せた経常収益は、ここ2年で持ち直し昨年は100億円台を回復しました。記事の内容によると、今年はさらに好決算になりそうな勢いです。
この数字を見て私がもう一つ思ったのは、「相撲協会って売上高100億円規模の『企業』なんだな」ということです。この100億円という数字、みなさんは大きいと思いますか? 小さいと思いますか?
数日前の日経新聞に新日本プロレスの記事が載っていて、その中で木谷社長が「現在の売上高は約20億円、これを100億円にしたい。100億円といえばプロ野球の中堅球団くらいの規模だ」と語っていました。つまり、現時点で相撲協会は、同じ格闘技団体の新日本プロレスから目標とされる「中堅のプロ野球球団」くらいの事業規模だということです。
しかしながら、プロレス団体の専属契約選手が約30名、プロ野球の支配下登録選手が約70名程度と考えると、力士総数が600名を超える相撲協会の台所は決して楽とは言えないでしょう。「幕下以下は無給だから」とか、「相撲にはタニマチがいて実際の収入はもっと多い」などと言われますが、無給であっても生活の面倒は協会のお金でみるわけだし、この不景気にそんなに羽振りのいいタニマチがいるとも思えません。
そう考えると、日本の若者が夢を持って角界の門を叩くというのはやはり難しいのかな、と正直思います。モンゴルや東欧など、明らかに日本と経済格差のある国の若者にとっては魅力的でも、日本人で体が大きく、運動神経に恵まれた子供にはもっと違う選択肢がありそうです。
したがって、日本人力士の優勝や横綱昇進は今後も難しい状況が続くと思います。そうなると相撲人気の本格的な回復には至らず、ますます外国人中心の優勝争いになり、さらに土俵上の盛り上がりに欠け・・・という悪循環に陥るような気がします。
断っておきますが、私は外国人力士の活躍を苦々しく思っているとか、否定するような意図はありません。しかし、素直に考えて、日本人力士が優勝争いをしてくれたり、横綱になってくれたりした方が間違いなく今より盛り上がるとは思います。
そのためには、一時の危機を乗り越えた今こそ、色々な改革を進めるべきです。多いと言われる部屋数を削減して一部屋に所属する力士数を増やし、充実した稽古ができるようにする。一方で力士総数自体は減らして最適化する必要があるでしょう。その代り、相撲という資源を活かした新規事業を立ち上げる。教育やフィットネス、歴史・観光など、アイデア次第でいろいろ面白いことができそうではないでしょうか?
ご意見などいただけると幸いです。それでは、また!!
今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊37面、「スポーツ探Q 大相撲人気回復のワケ」という記事から思うところを書いていきます。
記事の内容ですが、大相撲の人気が回復していることを多方面から伝えています。白鵬の優勝記録や、遠藤・逸ノ城といった若手の台頭など土俵の充実に加え、外国人観光客向けのツアー企画やSNSの活用によって新規顧客の開拓に成功していることが要因と分析しています。
ご存知の通り、2010年以降は薬物問題や八百長スキャンダル、野球賭博問題が次々と表に出て、角界は大揺れに揺れました。あれからわずかの時間しか経過していませんが、本当に相撲人気は回復してきているのでしょうか。いつものように数字で確認してみましょう。
日本相撲協会のHP(http://www.sumo.or.jp/kyokai/financial_information/yosan_kessan)には、毎年の決算報告が掲載されています。そこから、近年の経常収益(一般企業の売上高に相当)の推移を見てみましょう。
| 単位:百万円 | |
| 2008年 | 10,912 |
| 2009年 | 10,412 |
| 2010年 | 9,277 |
| 2011年 | 6,348 |
| 2012年 | 9,970 |
| 2013年 | 10,777 |
確かに、問題が噴出した2011年に約63億円と深刻な落ち込みを見せた経常収益は、ここ2年で持ち直し昨年は100億円台を回復しました。記事の内容によると、今年はさらに好決算になりそうな勢いです。
この数字を見て私がもう一つ思ったのは、「相撲協会って売上高100億円規模の『企業』なんだな」ということです。この100億円という数字、みなさんは大きいと思いますか? 小さいと思いますか?
数日前の日経新聞に新日本プロレスの記事が載っていて、その中で木谷社長が「現在の売上高は約20億円、これを100億円にしたい。100億円といえばプロ野球の中堅球団くらいの規模だ」と語っていました。つまり、現時点で相撲協会は、同じ格闘技団体の新日本プロレスから目標とされる「中堅のプロ野球球団」くらいの事業規模だということです。
しかしながら、プロレス団体の専属契約選手が約30名、プロ野球の支配下登録選手が約70名程度と考えると、力士総数が600名を超える相撲協会の台所は決して楽とは言えないでしょう。「幕下以下は無給だから」とか、「相撲にはタニマチがいて実際の収入はもっと多い」などと言われますが、無給であっても生活の面倒は協会のお金でみるわけだし、この不景気にそんなに羽振りのいいタニマチがいるとも思えません。
そう考えると、日本の若者が夢を持って角界の門を叩くというのはやはり難しいのかな、と正直思います。モンゴルや東欧など、明らかに日本と経済格差のある国の若者にとっては魅力的でも、日本人で体が大きく、運動神経に恵まれた子供にはもっと違う選択肢がありそうです。
したがって、日本人力士の優勝や横綱昇進は今後も難しい状況が続くと思います。そうなると相撲人気の本格的な回復には至らず、ますます外国人中心の優勝争いになり、さらに土俵上の盛り上がりに欠け・・・という悪循環に陥るような気がします。
断っておきますが、私は外国人力士の活躍を苦々しく思っているとか、否定するような意図はありません。しかし、素直に考えて、日本人力士が優勝争いをしてくれたり、横綱になってくれたりした方が間違いなく今より盛り上がるとは思います。
そのためには、一時の危機を乗り越えた今こそ、色々な改革を進めるべきです。多いと言われる部屋数を削減して一部屋に所属する力士数を増やし、充実した稽古ができるようにする。一方で力士総数自体は減らして最適化する必要があるでしょう。その代り、相撲という資源を活かした新規事業を立ち上げる。教育やフィットネス、歴史・観光など、アイデア次第でいろいろ面白いことができそうではないでしょうか?
ご意見などいただけると幸いです。それでは、また!!