今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊17面、「ピジョン『中国の次』課題に 今期純利益12%増78億円に上方修正 他の新興国は伸び悩む」という記事から感じたことを書いていきます。
記事の内容ですが、乳幼児用品大手のピジョンが今期の決算予想を発表し、連結純利益が前期比12%増の78億円になる見通しとのことです。好決算を牽引しているのは中国事業で、営業利益97億円のうち中国事業が占める割合は4割以上。ただし商品によっては競合が激しく減速感も出始め、アジアの他の新興国では売り上げが伸び悩むなど、今後に向けて課題もあることを指摘しています。
中国の成長力を取り込んで業績拡大したという点で、ピジョンは日本企業の中でも屈指の存在だと思います。しかし同社のHPに掲載されている沿革(http://www.pigeon.co.jp/about/company/history.html)によると、同社の中国への本格進出は意外と最近で、2002年に現地法人を設立したのが始まりです。2002年といえば、中国が世界経済の中心に躍り出るという期待が高まってきたところですね。ピジョンは絶妙のタイミングで中国進出に踏み出したと言えるでしょう。
具体的に、ピジョンの経営に中国事業がどのような影響を与えてきたのか、数字で確認してみましょう。2013年度と、進出直後の2003年度の決算内容を比べてみます。
| 単位:百万円 | ||
| 2013年度 | 2003年度 | |
| 売上高 | 77,465 | 34,156 |
| 売上原価 | 42,992 | 20,317 |
| 売上総利益 | 34,472 | 13,838 |
| 販管費 | 24,098 | 11,186 |
| 営業利益 | 10,365 | 2,651 |
| 経常利益 | 11,002 | 2,504 |
| 純利益 | 6,985 | 1,270 |
| 売上原価率 | 55.5% | 59.5% |
| 売上総利益率 | 44.5% | 40.5% |
| 販管費率 | 31.1% | 32.7% |
| 営業利益率 | 13.4% | 7.8% |
| 経常利益率 | 14.2% | 7.3% |
| 純利益率 | 9.0% | 3.7% |
売上を倍以上に伸ばし、原価率を下げることで利益率を高めていることが分かります。これは、ややもすると「廉価品しか売れない」「薄利多売」というイメージがある中国市場において、しっかりとブランドイメージを守って安易な値引きをしていないということを示しています。
国内でも、少し商品が売れなくなると値引きして売上を伸ばそうと考えがちです。しかし、値引きをした場合はその値引率を上回る売上の増加率が必要になることは管理会計の常識。これが、経営の世界で「値引は麻薬」と言われる所以です。ピジョンのこれまでの成功は、麻薬に頼らずしっかりと市場動向と自社商品の強みを見つめた結果と言えそうですね。
それでは、また!!
※本稿のデータ出所
http://www.pigeon.co.jp/ir/pdf/2004_01.pdf
http://www.pigeon.co.jp/ir/pdf/2014_01_4Q.pdf