伊予の経営コンサルタントのブログ -15ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊17面、「ピジョン『中国の次』課題に 今期純利益12%増78億円に上方修正 他の新興国は伸び悩む」という記事から感じたことを書いていきます。

記事の内容ですが、乳幼児用品大手のピジョンが今期の決算予想を発表し、連結純利益が前期比12%増の78億円になる見通しとのことです。好決算を牽引しているのは中国事業で、営業利益97億円のうち中国事業が占める割合は4割以上。ただし商品によっては競合が激しく減速感も出始め、アジアの他の新興国では売り上げが伸び悩むなど、今後に向けて課題もあることを指摘しています。

中国の成長力を取り込んで業績拡大したという点で、ピジョンは日本企業の中でも屈指の存在だと思います。しかし同社のHPに掲載されている沿革(http://www.pigeon.co.jp/about/company/history.html)によると、同社の中国への本格進出は意外と最近で、2002年に現地法人を設立したのが始まりです。2002年といえば、中国が世界経済の中心に躍り出るという期待が高まってきたところですね。ピジョンは絶妙のタイミングで中国進出に踏み出したと言えるでしょう。

具体的に、ピジョンの経営に中国事業がどのような影響を与えてきたのか、数字で確認してみましょう。2013年度と、進出直後の2003年度の決算内容を比べてみます。

単位:百万円
  2013年度 2003年度
売上高 77,465 34,156
売上原価 42,992 20,317
売上総利益 34,472 13,838
販管費 24,098 11,186
営業利益 10,365 2,651
経常利益 11,002 2,504
純利益 6,985 1,270
     
売上原価率 55.5% 59.5%
売上総利益率 44.5% 40.5%
販管費率 31.1% 32.7%
営業利益率 13.4% 7.8%
経常利益率 14.2% 7.3%
純利益率 9.0% 3.7%

売上を倍以上に伸ばし、原価率を下げることで利益率を高めていることが分かります。これは、ややもすると「廉価品しか売れない」「薄利多売」というイメージがある中国市場において、しっかりとブランドイメージを守って安易な値引きをしていないということを示しています。

国内でも、少し商品が売れなくなると値引きして売上を伸ばそうと考えがちです。しかし、値引きをした場合はその値引率を上回る売上の増加率が必要になることは管理会計の常識。これが、経営の世界で「値引は麻薬」と言われる所以です。ピジョンのこれまでの成功は、麻薬に頼らずしっかりと市場動向と自社商品の強みを見つめた結果と言えそうですね。

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.pigeon.co.jp/ir/pdf/2004_01.pdf
http://www.pigeon.co.jp/ir/pdf/2014_01_4Q.pdf





こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊5面、「地銀4割『再編も選択肢』 全国81行調査 九州・東北で前向き 低金利・人口減加速で」という記事から思うところを書いていきます。

記事の内容ですが、日経新聞がアンケートを取ったところ、地方銀行・第二地方銀行首脳の4割が将来の再編を選択肢の一つとして考えていることが分かったとのことです。特に、肥後銀行と鹿児島銀行の統合が発表された九州や、人口減が著しい東北で再編に前向きな銀行が多いと伝えています。

今日の日経新聞は、1面トップでも「地銀再編へ規制緩和」という記事を取り上げており、まるで金融庁のお先棒を担ぐがごとく(?)、地方銀行の危機と再編の必要性を強調しています。さて、そんなに地方銀行の経営環境は厳しいのでしょうか? 私の地元、愛媛県のトップ地銀である伊予銀行の過去5年の中間決算の推移を見てみましょう。

単位:百万円
年度 2010 2011 2012 2013 2014
貸出金 3,413,616 3,478,343 3,588,874 3,665,266 3,736,815
預金 4,336,592 4,402,738 4,637,604 4,709,208 4,845,033
経常収益 57,502 61,138 59,606 67,945 64,558
経常利益 15,908 19,198 11,689 26,379 26,728
           
収益率(対貸出金) 1.68% 1.76% 1.66% 1.85% 1.73%
利益率(対貸出金) 0.47% 0.55% 0.33% 0.72% 0.72%

銀行の本業である預金と貸出(融資)については、数字は順調に伸びています。しかし経営的な観点で見ると、経常収益(一般企業の売上高に当たります)と経常利益は一進一退を繰り返しています。近年では、2013年の増収増益が目を引きますが、これはご存知の通りアベノミクスの恩恵で株価が上昇しキャピタルゲインを多く計上したためです。決して、本業が好調だったわけではありません。

逆に言えば、株価の上昇と経費削減がなければ、伊予銀行の経営状態は良くて横ばい、悪くすればじり貧に陥っていた可能性が高いと言えます。

このような分析結果を見て、金融庁(および日経新聞)は、「ほらね、地銀の経営は厳しいでしょ。これからは融資の利息でなんか稼げないんだから、統合してコスト削減するしか儲ける手段はないんだよー」と言って地銀再編を進めようとしているのです。

この低金利が定着したご時世、「利息で稼げない」という認識は正しいと思います。しかし、だからといって地銀がすぐに経営統合しなければやっていけないかと言えば、そんなこともないだろう、というのが私の意見です。

コストダウンなら他にやり方はあるでしょうに。例えば銀行員の給料って、私はやっぱり高すぎると思いますけど・・・。

「地銀は再編すべし」という圧力は、手柄を立てたい金融庁の役人と、それにお追従する経済マスコミの過剰な煽り・・・というのは言いすぎでしょうか??

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.iyobank.co.jp/ir/zaimujouhou/press.html







こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊13面、「ニトリが大型物流施設 250億円投資、都市出店備え」という記事から思うところを書きます。

記事の内容ですが、家具チェーンのニトリホールディングスが埼玉県幸手市に大型物流センターを建設することを伝えています。総投資額は250億円に上り、今後増加が見込まれる都市型の小規模店舗やネット通販に対応する体制を整えることが目的とのことです。

ホームセンター事業では一人勝ちの感もあるニトリですが、その経営はどこが優れているのでしょうか。いつものように数字を見て考えてみましょう。直近の中間決算を、競合のコーナン、DCMと比較してみます。

単位:百万円
  ニトリ コーナン DCM
売上高 210,844 144,972 224,076
売上原価 101,424 93,023 155,137
売上総利益 109,419 51,949 68,938
販管費 71,935 50,361 60,153
営業利益 37,484 8,221 11,765
経常利益 38,208 7,482 11,554
純利益 22,144 4,316 6,803
       
売上原価率 48.1% 64.2% 69.2%
売上総利益率 51.9% 35.8% 30.8%
販管費率 34.1% 34.7% 26.8%
営業利益率 17.8% 5.7% 5.3%
経常利益率 18.1% 5.2% 5.2%
純利益率 10.5% 3.0% 3.0%

意外にも、売上規模には3社それほど差はありません。明らかに差がついているのは原価率で、ニトリは60%を超えているコーナン、DCMとは別次元と言ってもよい48.1%という低原価を実現しています。ここで稼いだ粗利が、そのまま営業利益率や純利益率の高さにつながっており、ニトリの強みは「商品力・現場力」の高さと明確に定義できそうです。

ニトリと言えば、「お、ねだん以上」というCMのフレーズが印象的ですね。これはすなわち「高付加価値の商品を手頃な価格で」提供できるという自信の表れなのでしょう。製造現場では原価企画・VE・VAといった製造企画管理の最先端の手法が導入されていることと推察します。

しかし、最先端の手法はあくまで手法なのであって、それを導入しても運用が拙ければ成果は上がりません。ニトリの低原価率は、試行錯誤を重ねながら製造小売としての能力をブラッシュアップさせてきた現場の努力の積み重ねの賜物、と言えるのではないでしょうか。

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.hc-kohnan.com/ir/images/inter/kessan_2q_h2702.pdf
http://www.nitorihd.co.jp/ir/financial_information/AA5F01A3-484E-A531-5C5C-AB284F53B258.pdf
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=yuho_pdf&sid=2124777