伊予の経営コンサルタントのブログ -13ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊13面、「けいざいじん 徹底議論、理解深める」という新社長紹介記事の行間を読み取っていきます。

記事の内容は、三菱ケミカルHD次期社長に決定した越智仁氏の人となりを紹介するものです。記事の前半は、越智氏のこれまでの業績を紹介するものですが、後半にはこのような記述があります。
「課題は海外勢に見劣りする収益力だ。(中略)自己資本利益率(ROE)を21年3月期までに約8%に引き上げる目標を掲げた。そうなればグループ内の事業構成の見直しは避けられない。『何事にも解はある。腹を割って社内で議論するしかない」と覚悟を決める」(下線筆者)

さて問題です。ROEを高めるために、なぜ「事業構成の見直し」が避けられないのでしょうか?

このブログでも何度か取り上げたように、ROE=自己資本利益率は以下の式で表されます。

ROE=純利益/純資産
   =純利益/売上高(純利益率)×売上高/総資本(総資本回転率)×総資本/純資産(財務レバレッジ)

このうち、特にROEに影響を与えるのが総資本回転率です。式をご覧いただければ分かる通り、総資本回転率を上げるためには分子の売上高を上げるか、分母の総資本を下げる必要があります。もっと具体的に言えば、「総資本を増やさずに売上を上げる」か、「売上に影響が少ない資本を減らす」ことが必要です。このうち、マネジメント層がすぐに実行できるのはどちらか? そう、後者ですね。

「売上に影響が少ない資本を減らす」ということは、早い話が「リストラに着手する」ということです。だから社長は、「『腹を割って社内で議論するしかない』と覚悟を決め」なければいけないのです。

「事業構成の見直し」という無味乾燥な言葉から、少し財務の知識があるだけで血生臭い(?)リストラの場面が想像できませんか? まあ、そりゃ社長就任のご祝儀記事で、「これから株主様のためにリストラ進めますから、社員には犠牲になってもらいますよ~」とは言えないですわな・・・

それでは、また!!




こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊15面、「ソニーどこへ(中) 『画質・音』軸に原点回帰」という記事を題材に、企業の経営戦略について考えてみます。

記事の内容ですが、念願のエレクトロニクス事業黒字化に向けて、ソニーが展開している新たな戦略を分析するものとなっています。簡単に言えば、「量より質」「売上より利益」を重視する戦略で、ソニーのお家芸だった製品差別化への原点回帰を図るものになりそうです。

普段、我々は簡単に「経営戦略」という言葉を使いますが、これは厳密には3つの階層に分かれます。全社的な戦略である「企業戦略」、事業ごとの戦略である「事業戦略」、生産・営業・財務といった業務ごとの戦略である「機能別戦略」です。今日の記事と照らし合わせながら、それぞれについて説明していきましょう。

「企業戦略」は、一言で言えば、その企業が何でメシを食っていくかを決めることです。ソニーでいえば、「テレビ事業を続ける」ことが企業戦略にほかなりません(分社化はしましたが)。一方、例えば日立はテレビ事業から撤退しましたので、「テレビ事業を止め、重電事業に集中する」ことが企業戦略となります。

「事業戦略」とは、その企業が選択した事業(=メシのタネ)でいかにライバルに勝ち、収益を上げていくかの戦略、つまり「競争戦略」です。今日の記事の中に、「脱・安売りを支える商品力の向上」「画質と音質にこだわり、付加価値を最大化する」という言葉がありますので、ソニーの事業戦略は「製品の高付加価値化による差別化戦略」であることが分かります。

「機能別戦略」とは、事業戦略の方向性を実現するために関係各部署が持つ戦略です。例えば今日の記事にこんな一節があります。
「(テレビ事業のトップは)今、部品や材料メーカーを訪ね回る。(中略)部材の進化を促す新しい商品を提案し、パートナーとしての魅力を高めるためだ」

これは、購買部に「製品差別化のため部品メーカーを開拓する」という戦略が設定されていることを表します。また、記事に言及はありませんが、広告宣伝部には「高価格でも高品質のものを求める富裕層をターゲットにする」という戦略がありそうだし、財務部には「固定費を圧縮していたずらにコストを上げない」という戦略がありそうです。

これらを踏まえると、例えば「ドン・キホーテは『どこよりも安く』という企業戦略で成功した」などという言い方は間違いだと分かります。ドンキの企業戦略は「ディスカウントストア事業に進出したこと」であり、安売りはあくまでライバルに勝つための手段、「事業戦略」の一環なのです。

もしかすると、こんな使い分けには大して意味がないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、このフレームワークは企業活動だけでなく個人生活にも応用できます。例えば、職業選択に当てはめると、

企業戦略=何でメシを食っていくか?=公務員になりたい!
事業戦略=ライバルにどう差をつけるか?=仕事内容で勝負か? ゴマスリに徹するか?
機能別戦略=体調やお金をどう管理するか?=早寝早起き・しっかり貯金?それとも毎晩飲み会?

何かの参考になれば幸いですm(__)m

それでは、また!!

こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊2面、「スカイマーク 苦渋の決断 全日空にも提携要請 発表」という記事から思うところを書いていきます。

記事の内容ですが、経営不振に陥っている航空会社のスカイマークが、先に報道された日本航空との提携に加え、全日空にも支援を要請すると正式発表したことを伝えています。この問題は航空会社の経営の範疇を越え、政治家や官界の思惑も入り乱れて今後が見通せない状況になっています。

今日は、改めてスカイマークの直近の決算を見ながら同社が置かれている立場を確認してみましょう。今年と昨年の中間決算の数字を比べてみます。

単位:百万円
  2014年度 2013年度
売上高 45,172 45,505
売上原価 47,848 41,737
売上総利益 -2,676 3,767
販管費 1,710 1,734
営業利益 -4,387 2,033
経常利益 -3,983 3,361
純利益 -5,744 1,702
     
売上原価率 105.9% 91.7%
売上総利益率 -5.9% 8.3%
販管費率 3.8% 3.8%
営業利益率 -9.7% 4.5%
経常利益率 -8.8% 7.4%
純利益率 -12.7% 3.7%

新聞報道だけを追っていると、スカイマークが苦境に陥った原因は国際線就航のために購入予定だったエアバスの大型機の発注をキャンセルされ、その違約金が巨額だったから、と考えがちです。しかし、直近の決算を見る限りは、この発注キャンセルの影響はまだ表れていません。売上が下がり、費用が増加するという、単純に言えば「本業が上手くいっていない」ことが経営不振の原因です。

決算短信の定性情報を読むと、売上原価(事業費)が増加した要因として、
・新型機導入による機材費の増加
・新型機導入に伴う乗務員訓練費の増加
・新型機導入に伴う整備部品費の増加
が挙げられています。つまり、顧客満足を高めるために新型機を導入してそれなりのコストがかかったけれど、それに見合う売上増加がなかった、ということですね。

売上増加を狙って思い切った設備投資をしたは良いが、想定ほど売上が伸びず、キャッシュフローは悪化、借金は増え、利払いと減価償却費で損益も赤字・・・というのは航空会社に限らず、「上手くない経営」の典型です。これは会社の規模の大小に関係なく起こりがちで、「起業したからには、これくらいの応接セットは欲しいなぁ・・・」とか、「いまどきこれくらいの設備は持っておかないと恥ずかしいよなぁ」など、“設備投資の誘惑”は経営の場面に意外とたくさん出てきます。ここで大切なことは、「その設備投資がどれだけ利益を増やすか」を見極めることです。

「それが分かれば苦労しないよ」と言われそうですが、少なくとも言えることは、「体裁」とか「見得」が動機になっている投資は危ないということ。まずこのフィルターを通せば、会社にとって冷静で有益な投資ができる可能性はグンと高まります。

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.skymark.co.jp/ja/company/investor/141030_ir_1.pdf