今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊3面、「マクドナルド 情報拡散に苦慮 異物混入を陳謝」という記事から思うところを書いていきます。
記事の内容ですが、ご存知の通り、日本全国の店舗で被害が報告されているマクドナルドの異物混入問題で、幹部が開いた謝罪会見の模様を伝えています。昨年の中国にある仕入先の使用期限切れ鶏肉使用問題から間を置かず今回の問題が噴出したことで、マクドナルドの信頼回復への道は一層険しくなった、と指摘しています。
それでは、今一度日本マクドナルド社の経営の現状を数字で確認してみましょう。直近の今期中間決算を、競合のモスバーガー(モスフードサービス)と比較してみます。
| 単位:百万円 | ||
| マクドナルド | モス | |
| 売上高 | 121,000 | 32,421 |
| 売上原価 | 104,753 | 16,728 |
| 売上総利益 | 16,246 | 15,693 |
| 販管費 | 12,734 | 15,034 |
| 営業利益 | 3,512 | 658 |
| 経常利益 | 3,233 | 702 |
| 純利益 | 1,852 | 274 |
| 売上原価率 | 86.6% | 51.6% |
| 売上総利益率 | 13.4% | 48.4% |
| 販管費率 | 10.5% | 46.4% |
| 営業利益率 | 2.9% | 2.0% |
| 経常利益率 | 2.7% | 2.2% |
| 純利益率 | 1.5% | 0.8% |
もっとも違いが分かるのが、売上原価率とその裏返しである売上総利益率、そして販管費率です。手っ取り早く言えば、マクドナルドは「薄利多売」型、モスは「高付加価値」型、と言えます。
便宜的に、売上原価を変動費、販管費を固定費とみなして損益分岐点比率(売上高に対する損益分岐点売上高の割合。この値が低いほど余裕のある経営をしていることになります)を出すと、マクドナルドが78.5%、モスが95.8%となります。モスはマクドナルドより粗利率は高いのですが、固定費である販管費の割合が大きいため、利益が出にくい体質なのです。
今回のような問題がなければ、明らかにマクドナルドの方が効率的で賢い経営をしていることになります。しかし、今後を考えると、売上高の減少は避けられないでしょうし、安全確保のために人的リソースを増強することも検討されるでしょう。
つまり、マクドナルドの“勝利の方程式”だった「薄利多売」と「固定費の低さ」が崩れる可能性が高いわけです。今回の騒動が同社の経営に深刻な影響を与える本当の理由はここにあります。
日本で長く外食産業の雄として君臨してきたマクドナルドは、いま事業戦略の岐路に立っているのです。
それでは、また!!
※本稿のデータ出所
http://www.mcd-holdings.co.jp/pdf/2014/2014_half_j.pdf
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1192281