今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊15面、「近鉄、7年半ぶり7年債」という記事から思うところを書いていきます。
記事の内容ですが、近畿日本鉄道が月内に期間7年の普通社債100億円を発行することを伝えています。ご存知の通り低金利が続いていますので、3年債や5年債よりも長く借りることで低金利の恩恵を長期に受けようという狙いです。調達した資金は借入金返済、つまり「借金の借り換え」に充てるとのことです。
それでは、いつものように財務諸表を確認してみましょう。直近の今年度第3四半期の貸借対照表を、5年前の同期のものと比べてみます。
| 単位:百万円 | ||
| 2014年度 | 2009年度 | |
| 総資産 | 1,951,476 | 1,864,753 |
| 流動資産 | 348,925 | 353,453 |
| 固定資産 | 1,599,683 | 1,510,477 |
| (うち有形固定資産) | 1,398,979 | 1,348,278 |
| 流動負債 | 626,673 | 631,625 |
| 固定負債 | 1,003,115 | 1,051,896 |
| 純資産 | 321,687 | 181,230 |
多くの数字に変化がない中で、固定負債だけ約500億円減少し、それに伴う形で企業の正味財産である純資産が増えていることがお分かりいただけるでしょうか。ここから、最近の近鉄の財務戦略は、負債の圧縮を重視していたことが分かります。
負債の圧縮=借金を減らすことは、企業にいろいろと良いことをもたらします。借金が減ればその分利払いが少なくなりますし、そうなれば利益が出やすい体質となります。上記のように純資産が増えて経営基盤も安定します。
今回は借入金を社債に置き換えるだけですから、借金額そのものを減らす効果はありませんが、より低利の資金に借り換えることで利息負担は確実に軽減されます。
これって、何かに似ていると思いませんか? そう、我々個人が、昔借りた金利の高い住宅ローンを最近の金利の低いローンに借り換えるのと同じです。企業会計と言うととっつきにくい印象を持ちがちですが、お金の損得勘定は大企業も個人も変わりません。
特に、電鉄会社の財務状況は個人が置かれているそれと類似性があります。例えば、
・内需型産業で売上高の大幅な増加は見込めない=デフレで給料が上がりにくい
・線路用敷地や駅など、資産に占める不動産の割合が大=資産に占める住宅の割合が大
・不動産の調達資金を借入金に依存している=住宅購入時にローンを組んだ
という具合です。
したがって、電鉄会社の財務戦略を見ていると、個人の家計管理に活かせるヒントが隠されているかもしれません。よかったら興味を持って見てみてくださいね。
それでは、また!!
※本稿のデータ出所
http://www.kintetsu.jp/kouhou/pdf/tekijikaiji/2010/h22-03dai3q100208.pdf
http://www.kintetsu.jp/kouhou/pdf/zaimuinfo/2015/h2703ki3q20150206.pdf