マイノリティー=マジョリティー -2ページ目

死ぬまでにしたい十のこと

サラ・ポーリー主演
二十三歳のアンは余命三ヶ月を宣告される
彼女はそれを自分だけの秘密にすることを誓い
深夜のカフェで死ぬまでにしたいことのリストを作る

余命三ヶ月の人間が美しいのが気にかかります

もっと肌がくすんだり、顔むくんだりするんじゃないですか?


ですが、サラ・ポーリーの魅力で、この映画の価値が上がっているのですから

そんなツッコミは野暮というのでしょう


アンが出会う人、出会う人とのコミュニケーションを大事にいていることに胸を打たれます

本当に一期一会なんですもんね


原題は「MY LIFE WITHOUT ME」

なかなか味があります

放題もこれで良かったかもね


でもちょっと意訳すると「私がいなくなっても、私はみんなの胸のなかで生きている」になりますね

ダサい…



芸術的なワンシーン

『アナコンダ』という大蛇映画がある

ジェニファー・ロペス主演のアマゾンで大蛇に襲われるB級映画だ


この映画の中で大好きなシーンがある

アナコンダが撮影隊の船を襲い、メンバーの一人が川に落ちる

なんとか逃げようと滝の側の崖をよじのぼる

しかし相手は蛇である

崖を這い上がるなど朝飯前

するすると登り、彼を追いつめる


蛇の鼻先が、メンバーの足に届きそうになったその時

彼は崖から飛び降りる

私はてっきり、これで彼が助かったと思った


だがその刹那、蛇は長い胴をくねらせ

落下する彼を追い、大きな口を開き、空中で捕らえる


本当に「その刹那」

弦を弾いた時間の六十五分の一の長さで、それは起こった


もし僕が英語を話せたら、「MARVELOUS」とつぶやいていただろう

加えて巻き舌が得意なら、「マーベラス」の「ラ」を波打つように発音したと思う


もし芸術が何かと聞かれたら

僕は絶対このシーンだと答える


ポニーキャニオン
アナコンダ<Hi-Bit Edition>

 

クレイマー クレイマー

名作と名高い『クレイマー、クレイマー』

バッハのBGMやフレンチトーストのくだりは知ってました

明石家マンション物語のおかげで…


さんまさんがフレンチトーストを作っている後ろから

関根勤が現れて、テレビ番組にクレームをつける企画です

大好きでした


そんなことは良いとして映画の方ですが

イマイチ感動できませんでした


よくできてるのはわかります


ダスティン・ホフマンもメリル・ストリープも上手いです

しかも若いです

あぁメリル、あなたにも若き日があったのね…

と大女優の彼女しか見たことない僕は、変な感慨に浸ってしまいました


ラストのエレベーターのシーンも

ジャングルジムから落ちた息子を抱え、猛ダッシュするシーンも良かったです


でもイマイチだった…

それは、僕がまだ親でもないし、ビリー君ほど子供でもない中途半端なお年頃だからでしょう

残念です


親になってからもう一回見直します!



     
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
クレイマー、クレイマー コレクターズ・エディション

『プライドと偏見』は某ホームドラマと酷似

 

『プライドと偏見』


                    pride and prejudice

ジェーン・オースティン原作

キーラ・ナイトレイがアカデミー主演女優賞にノミネートされたことでも話題の本作


舞台は十八世紀末のイギリス

田舎に暮らす奔放な五人姉妹とその両親

当時のイギリスは娘に相続権がなく、母親と姉妹たちは早く良い婿を見つけようと必死である

そんな女たちに、心優しい父親(ドナルド・サザーランド)はあきれ気味

そんな時、舞踏会が催され

次女エリザベスは資産家だが気難しいダーシー(マシュー・マクファディン)と出会い

反感を抱きながらも、惹かれていく



文芸大作ですが、なかなか面白かったです

エリザベス(キーラ・ナイトレイ)とダーシー(マシュー・マクファディン)の恋

すれ違う二人の恋模様…

「好きなら好きって早く言っちゃえよ」と、観客はやきもきしちゃいます

しかも二人の恋路を邪魔する意地悪な婆さんも登場します

ダーシーの伯母にあたるキャサリン夫人です

大女優ジュディ・デンチが、その貫禄で「あなたたちの結婚は許さない」と詰め寄るのです

若干ホラーでした


しかし、この展開どこかで見たことがあります。

問題を起こす五人の娘、優しい父親、意地悪な婆さん


『渡る世間は鬼ばかり』だぁー!

弥生、皐月、文子、葉子、長子の五人姉妹もしかり

藤岡琢也演じる優しい父さんもしかり

五人姉妹の問題がドラマのメインである点も

五人姉妹の次女が主役であるという点も同じです


そして意地悪婆さん 赤木春恵

彼女ってまさに日本のジュディ・デンチです

だって…

real judi     judi


そっくりだもん!

これは間違いないですね

橋田壽賀子がオースティンの『高慢と偏見』を基に脚本を書いていたなんて…

まあ、ジェーン・オースティンは女流作家の頂点、オマージュする気持ちもわかります


今後は『渡鬼』を日本の『プライドと偏見』として鑑賞するとしましょう


そして最後にジュディ・デンチがキーラ・ナイトレイをいびるということは

日本のキーラ・ナイトレイは…


泉ピン子ということです!



映画『SAYURI』

映画はワンシーンでも、観客の頭に残るシーンがあれば、その映画は勝ちだと思う
『羊たちの沈黙』の夜間用ゴーグルに写ったクラリス・スターリングの顔にしかり
『シャイニング』の奥さんの絶叫にしかり
『SAYURI』では、 幼少期の主人公が赤い鳥居が連なる小道を駆け抜けるシーンがある

狐のお面をかぶった少女が、ひょいと顔を出しそうな日本の原風景である

津和野のそれはちょっと有名だ


あれほど疾走感を表現できる場所は他にないのではないだろうか?

通り過ぎていった景色が自分の後ろに巻き込まれていくような感覚が、存分に味わえそうだ


ストーリーの脈絡としてはなっていないはずなのに、そのシーンは映画のラストにも挿入されていた


『めぐりあう時間たち』のラストシーンに、ヴァージニア・ウルフの入水自殺シーンが挿入されている

首の丈まで川に浸かったウルフが、上流に目をやる

川面は光を乱反射させている

この映像を撮影するために、監督のスティーブン・ダルドリーは、巨大なファンで川を逆流(!)させたらしい

このシーン前後の脈絡とは合っていない

おかしな話だ


監督はコメンタリーでその理由を語っていた

「あまりにも美しいシーンだったから」と…


その行為に対して、観客である私はまったく異論がない


最も美しいシーンが観客の頭に残るように、『SAYURI』のロブ・マーシャルも、鳥居のシーンをラストに挿んだのだろうか?


その試みはもちろん、成功したと言える


SAYURIオフィシャル・ビジュアルブック