【3-1.そもそも文章以前に…… (1)】
ここまで書いてきて今更としか言えませんが、「そもそも文章を書き始める以前に……」という内容の話を幾つか。
★ 執筆であろうがなかろうが、Windows とか MS-Word でこの事前準備は重要よ。
★ パソコンで文書作成をしようが、肉筆で文書を書こうが、このルールを知っててね。
という内容です。
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MS-Word で上書き保存をした直後に「うわ!間違った。別名で保存するつもりだったのに!」
あるあるですね。(笑)
いや、前回のファイルを開いたら、最初に「名前をつけて保存」して、その後にデータを触るんです!
予想外のことが起きたら、前回までの過去データが全部パーになるでしょうが!
また、MS-Word のファイルを開こうとしたら「ファイルが壊れています」えっ!(固)
HDD の中でなく USB メモリの中のファイルを直接開くようなことを当たり前だと思っているとこれも経験しているのではないでしょうか(USB メモリの中のファイルを直接開くのは全くお勧めできません)。
まずはこれへの対策です。文筆作業であろうが日常作業であろうが区別はありません。
MS-Word を使うなら、誰もが心がけてほしい重要なことです。
また MS-Word の「ファイル」メニューから
いつも通り「オプション」に入り
「詳細設定」に入り「バックアップファイルを作成する」を設定。
これを設定しておくと、MS-Word が「文書を上書き保存した際に、上書き前のファイルを 拡張子 .wbk のファイルとして(同一フォルダに)残しておいてくれる」という安心仕様になります。
(新規作成保存したファイルや「名前をつけて保存」した場合は、未だに対象ではありません。一度でも「上書き保存」したときからの話です。また既に .wbk ファイルが存在する場合はそれを上書きします)
拡張子 .wbk のファイルはそのまま MS-Word で開けます。「名前をつけて保存」し直せばいいのです(1つ前のファイルであることに注意。必要に応じて、今間違えて上書き保存した方のファイルを先に削除するなり名前を変更するなりしておいてください)。
※ 仕事で MS-Office を使っている人からは必ず「MS-Excel でも同じようにしたい。どうすれば良い?」と尋ねられます。
MS-Excel の場合は、ソフト側で共通のバックアップ指定ということができません(理解不能)。
MS-Excel でファイルバックアップを有効にするには、1つ1つファイルごとにオプション指定するしかありません。
エクセルのファイル保存時に「ツール」から「全般オプション」に入る。
1ファイルごとに「バックアップファイルを作成する」を選んでから保存する。
エクセルの場合は、上書き前のファイルを 拡張子 .xlk のファイルとして残します。
(新規作成保存したファイルや「名前をつけて保存」した場合は、未だに対象ではありません。一度でも「上書き保存」したときからの話です。また既に .xlk ファイルが存在する場合はそれを上書きします)
念のために。これはファイルごとに設定しなければなりません。エクセル自身にはそんな設定項目はありません。
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さて、上の設定(MS-Word も MS-Excel も)を踏まえてですが。
拡張子 .wbk とか .xlk とかアイコンだけで直感的に判別できるのかという話が出てきます(ファイル名部分も付け足されるので、普通は間違えることはないでしょうが)。
MS-Word や MS-Excel だけの話でなく、「拡張子が見えないのはマズイ」という話はいくらでも出てきます。
特にグラフィック関係を触る人には拡張子 .jpg と 拡張子 .png と 拡張子 .psd が区別がつかないということは多々あります(画像ファイルは、アイコンの絵柄が拡張子特有のものではなく、内容を直接縮小表示する「サムネール表示」だったりするため)。
これ、拡張子が何かわかりますか?
この手順で拡張子が表示される設定に変更できます。(Win11)
「PC」でも「ドキュメント」でも「ピクチャ」でも、どこでも構わないからとにかくフォルダを開いて、「表示」の右の下向きの山の中から更に「表示」に入ると、「ファイル名拡張子」を表示させるための設定にたどり着けます。
この手順で拡張子が表示される設定に変更できます。(Win10)
Win10ならば、「表示」タブの中に、「ファイル名拡張子」を表示させるための設定があります。
そもそも拡張子は「ファイルの種類」を決定するもので、それによって「どのアプリでこのファイルを開くか」の判定基準となるものです。
ところが、Windows は標準ではこれを見せないことにしています(「ファイルの種類」を設定されていない場合は、例外的に表示されます)。
従って標準のままでは、人間は「何のファイルを開かされようとしているのか理解不能」ということになります。
一応、「ファイルの種類」を登録するときに「どんなアイコンで表示するか」も決定できることになっていますが、幾つか例外もあり(例えば、プログラムそのものは自前で勝手に好きなアイコン表示を指定できるので、ウィルスプログラムに「MS-Word の文書ファイルのアイコン表示しろ」と指定があった場合は区別不能になる)、アイコン表示だけで区別しろというのは暴論です。
しかもまた、例えば MS-Word 関連の(MS-Word が開ける)ファイルの種類ってかなりあって、それごとにアイコンが微妙に違うとか、もうどうにもこうにも人間にはお手上げ状態です(下の例は MS-Word2010 です)。
尚且つ、ウィルスなどのプログラムが2重拡張子状態でファイル名を付けられていた場合(例えばスペースを幾つもかませた「緊急日程変更.docx .exe」とか)、本当の拡張子が見えないので、人間の目ではこのファイルを有用なファイルと勘違いすることが容易に起こり得ます(ウィルスチェックソフトは流石にこの程度の偽装に騙されることはないはずですが)。
ここでは一歩進んで、 MS-Word と MS-Excel のデータファイルの拡張子について追加でお話しておきます。
① 代表的な MS-Word のデータファイル形式
.docx これは現在標準の MS-Word のデータ形式です。「マクロ」というプログラムを利用できなくしてあります。
.docm これは現在標準の MS-Word の「マクロ」が有効なデータ形式です。ウィルス入りの可能性アリです。
.doc これは MS-Word 2003 以前の古いデータ形式です。これも「マクロ」が有効です。
.wbk これは MS-Word のバックアップファイルです。元が上3つのどれかはわかりません。
.rtf これはリッチテキストファイルというデータ形式です。MS-Word 以外でも使える書式付き文書ファイルです。
.odt これはオープンドキュメント文書データです。全世界のワープロ共通で策定されたオープンな文書規格です。
② 代表的な MS-Excel のデータファイル形式
.xlsx これは現在標準の MS-Excel のデータ形式です。「マクロ」というプログラムを利用できなくしてあります。
.xlsm これは現在標準の MS-Excel の「マクロ」が有効なデータ形式です。ウィルス入りの可能性アリです。
.xls これは MS-Excel 2003 以前の古いデータ形式です。これも「マクロ」が有効です。
.xlk これは MS-Excel のバックアップファイルです。元が上3つのどれかはわかりません。
.csv これは各セルデータをコンマで区切って保存したテキストです。各種ソフト間でのデータ変換・交換に使われます。
.ods これはオープンドキュメン表計算データです。全世界の表計算ソフト共通で策定されたオープンなデータ規格です。
とにかく、「マクロ」が有効かどうかが致命的に重要です。「マクロ付き」はウィルスを忍ばせることが可能だからです(実際、「マクロウィルス」が猛威を振るった時期があったのです)。また、今更旧形式のファイルを求めるのはどうかしていると思われますし、拡張子 .rtf のファイルもウィルスを内蔵させるのに何度も使われた形式です(「マクロ」ではありません)。
また、オープンドキュメントは理念は素晴らしいのですが、既得権を持ったソフトメーカー(例えば MS-Office を売っている Microsoft とか)は積極的に推進することはありません。しぶしぶ互換性を残しているようなものです。
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<連れ合いが文章担当>