遠近法で描く中国 -2nd Season- -9ページ目

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

英題:Celery Stalks At Midnight
著者:片岡義男
発行:左右社 / 2013年4月 / 単行本
ジャンル:短編小説集

片岡氏の短編集。タイトル一つで、読み手の心をくすぐる手腕は流石です。

<目次>

かき氷で酔ってみろ

駐車場で捨てた男

真夜中のセロリの茎

三種類の桃のデザート

あまりにも可哀相

雨よ、降れ降れ

塩らっきょうの右隣

あとがき


気になった箇所のご紹介です。

「俺はお前みたいな嘘八百の作家とは違って、ほんとだけで生きている。ほんとだけで世を渡ると、世間は年とともに確実に狭くなっていくな」(10頁)
→まさかの、作家による作家批評ですね。

「作家つうのも悪くねえな。赤坂みたいないい女に二冊も買ってもらえて、胸に抱いてもらえて、おまけに夜にはベッドのなかで、じっくりと読んでもらえる。」(28頁)

どちらも、最初の短編「かき氷で酔ってろ」からの一節です。
作家を親友にもつ、ラジオディレクターの科白です。
主人公にこのように語らせる片岡氏のユーモアに、思わず笑みがこぼれる瞬間です。

「捨てるだけなら彼女の行為、そして捨てられたことを完結させるのは、彼だけに出来ることだ。完結とは到達であり、到達は勝利だと言っていい。」(55頁/「駐車場で捨てた男」)

まあ、なんとも言い難い。
ふんわりと最近の技術も盛り込みつつ、片岡ワールドが男女の関係を描きます。


真夜中のセロリの茎/左右社
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副題:不器用で傷つきやすいあなたがうまくいく43の法則
著者:心屋仁之助
出版:中経出版 / 2009年10月 / 単行本
ジャンル:心理カウンセリング

京都・東京で活躍される心理カウンセラー心屋氏の著作です。
とてもわかりやすい言葉で書かれています。
「しんどい!」とまで感じていなくても、人間同士の関わりのすべてが潤滑な人なんてそうそういないでしょうし、心理学の手法をちょっと知ってみる、という軽い気分で読んでみると良いでしょう。

<目次>

はじめに

1章 人間関係が「しんどい!」あなたへ
2章 「なんだか不安」「どうしよう」自分がダメだと思うあなたへ
3章 「なぜかムカつく」「イライラする」他人がゆるせないあなたへ
4章 自分も他人もイヤになって苦しいあなたへ
5章 人間関係の「しんどい!」を積み重ねない習慣

おわりに


気になった箇所のご紹介です。

「「あなた」が、「他人の言動に問題を感じる」ということは、「あなたの中」に反応している「何か」があるのです。」(30頁)

「(なので、)「イヤな奴に私の足を引っ張ったり、心の傷に手を突っ込んでかき回すような行為をやめさせる方法」とは、「自分の中の『反応する原因』を見つけて解消する方法」ということになります。」つまり、自分の心の体質改善です。(中略)
だから、他人を変える方法が存在するとしたら、「”自分が正しい”の間違い」に気づいて、自分を変えていく方法なのです。「その人」という「自分以外をどうするか」ではなく、「自分をどうするか」。それがすべてだと思います。」(33頁)

「(つまり、)自分と他人の「フィルターの違い」を認められたら、人間関係の悩みは消えていきます。違いを認めるということは、「比較しない」ということであったり、「正しさを主張し合わない」ということです。認める、受け容れるということ。それは、「他人を尊重する」ということ。それは、「自分を尊重する」ということ。」(80頁)

「伝えるときに気をつけないといけないのは、「相手を指摘・攻撃しない」ということ。(中略)相手に思っていることを伝えるときは、「私は、こういう理由で腹が立った。なぜなら・・・・・」と、自分が何かに勝手に期待していた、その期待をかなえてもらえなかった、という本当の気持ちだけを伝えることです。そして、大切なのは、それを伝えたあとの相手の行動に期待しないこと。相手には相手の都合と考え方があるのです。」(90頁)

人間関係が「しんどい!」と思ったら読む本/中経出版
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著者:北村泰一
発行:小学館 / 2007年3月 / 文庫本
ジャンル:南極、海上保安庁

第一次、第三次の南極観測に越冬隊の一員として参加した北村氏の記録です。
越冬隊は、観測員の中から11名が選ばれ、その中でも最年少だった北村氏が、「犬係」として世話をしたと記されています。

映画『南極物語』(1983年)は有名ですが、最近になっても、テレビドラマや料理人の映画などが創れらています。
「タロジロの真実」と謳ったこの本では、置き去りにせざるを得なかった当時の宗谷の実情、そして奇跡の再会に際して、北村氏自身の言葉で、読者へ伝えようとされています。
感動的な映画や映像作品をどうこう言うつもりではなく、当事者の生の言葉の貴重さを改めて感じた1冊です。

<目次>

まえがき

第一章 旅立ち~いざ、南極へ
第二章 越冬開始
第三章 犬と隊員たち
第四章 厳冬期のカエル島へ
第五章 ボツンヌーテン犬ゾリ行
第六章 オラフ海岸の夏の度
第七章 宗谷の苦闘、犬たちの悲劇
終章

あとがき
解説


気になった箇所のご紹介です。
「隊員候補者は全国から殺到した。私もその一人となった。選考の基準は、いかにその人に「資格、能力」があるか、であった。とくに、「死ぬ」ような経験をしていて、「死ななかった」ものが選ばれた。元特攻隊員や、満州で放浪していた人や、大学山岳部で遭難の経験のある者たちが選ばれたのだ。」(3頁)

「人間が何かを判断するとき、その基準は、その人が今まで経験してきたことを基として判断する。不安や未知に遭遇したとき、自己のそれまでの経験に照らし合わせて、百人百様の受け止め方をする。」(99頁)
「だが、西堀隊長は同じことに対して、その成功の可能性をかなり高いものと踏んでいた。これは経験の差である。成功するかもしれないと考え得たら、”やってみる”という態度が生まれる。これが大切だ。そして、それが成功に結びつく。要は、事に当たってその成功率を自分で高く評価できなければならない。”経験”が豊かであればあるほど成功率は高く評価できやすい。とすると、”経験”こそわれわれが追求すべきことではないか。」(99頁)

「ベックもテツも、仲間が帰ってきた夜に死んだ。彼らは私たちが旅行しているあいだ、死線をさまよいながらなんとか生き抜き、仲間が無事帰ってきた姿を見届けてから、ロウソクの最後の焔が一瞬大きくなってパッと消えるようにその生命を閉じた。これは偶然だろうか。」(286頁)
「私は人間と同じように犬にも気持ちがあり、感情も意志もある、と、この一年、犬たちとの生活を通して信ずるようになった。」(286頁)


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