著者:片岡義男
発行:左右社 / 2013年4月 / 単行本
ジャンル:短編小説集
片岡氏の短編集。タイトル一つで、読み手の心をくすぐる手腕は流石です。
<目次>
かき氷で酔ってみろ
駐車場で捨てた男
真夜中のセロリの茎
三種類の桃のデザート
あまりにも可哀相
雨よ、降れ降れ
塩らっきょうの右隣
あとがき
気になった箇所のご紹介です。
「俺はお前みたいな嘘八百の作家とは違って、ほんとだけで生きている。ほんとだけで世を渡ると、世間は年とともに確実に狭くなっていくな」(10頁)
→まさかの、作家による作家批評ですね。
「作家つうのも悪くねえな。赤坂みたいないい女に二冊も買ってもらえて、胸に抱いてもらえて、おまけに夜にはベッドのなかで、じっくりと読んでもらえる。」(28頁)
どちらも、最初の短編「かき氷で酔ってろ」からの一節です。
作家を親友にもつ、ラジオディレクターの科白です。
主人公にこのように語らせる片岡氏のユーモアに、思わず笑みがこぼれる瞬間です。
「捨てるだけなら彼女の行為、そして捨てられたことを完結させるのは、彼だけに出来ることだ。完結とは到達であり、到達は勝利だと言っていい。」(55頁/「駐車場で捨てた男」)
まあ、なんとも言い難い。
ふんわりと最近の技術も盛り込みつつ、片岡ワールドが男女の関係を描きます。
- 真夜中のセロリの茎/左右社

- ¥1,785
- Amazon.co.jp