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遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

香港での騒動が続いています。

市民の粘り強さには驚きと羨望しかありません。

ジャッキーが演じた香港警察は過去のものとなり、

そのジャッキーも、香港人から見捨てられた、過去の人です。

 

『13・67』 陳浩基 著 / 天野健太郎 訳 / 文藝春秋 / 2017年9月

 

昨年くらいから読みたくて、運良く図書館で入手しました。

が、購入する価値は充分あります。

中華系作品としては、最高傑作です。

訳者の力でもあると思いますが、これまで読んできた中華系の本は、とにかく読み進めるのが、辛い。

過去、何冊もギブ・アップしてきました。

 

香港警察を舞台とした、超本格推理小説です。

ミステリー好き、香港に興味がある方にぜひお勧めです。

 

物語は2013年からはじまります。

リバース・クロノロジー(逆年代記)という手法が取られています。

1章ごとに、過去に遡って行きます。

最終章の6章では1967年の出来事が描かれています。

この最初と最後の年代を取って、「13・67」と名付けられました。

500ページ弱のボリュームですので、誰にでもとは言いませんが、

きっと数少ない当ブログ読者さまなら読みきれるでしょう。

 

ご存知のとおり、香港返還は1997年です。

この時を境に、文字通り「香港警察」は息絶えましたが、

名探偵の推理に酔いつつ、古き良き香港を懐かしんでみてください。

 

現在の香港で起きていることは、まさに息絶えた香港警察の姿であり、現実です。

 

 

 

その時は高校生でした。

六四天安門事件からまもなく30年です。

 

最初に天安門広場に立ったのは、

1995年の2月でした。

正直どんな国なのかもわからずに北京に行きました。

けれどその北京行きが人生を変えました。

 

当時日本より三十年遅れていると言われた中国はあっさり日本を抜き去って、

世界第二位の、経済大国です。

 

今年のその日、香港がどのような動きをするのか、

日本のメディアがどう伝えるのか、

少し、注目してみてください。

 

レスリー・チャン(張國榮)がこの世を去って、4月1日で16年でした。

去年は15年ということもあって、いろいろあったみたいなので、あえて16年目に。

 

『さらば、わが愛/覇王別姫』 (1993)

『夜半歌聲/逢いたくて、逢えなくて』 (1995) 香港版オペラ座の怪人

『君さえいれば/金枝玉葉』(1994)

『ボクらはいつも恋してる! 金枝玉葉2』(1996)

 

常々言っておりますが、返還前の香港映画は、決して資金たっぷりではなかったにせよ、

シリアスでもコメディでも、世界中の人を魅了していました。

そしてその中心にいたのが、レスリーでした。

彼が去った後の香港映画界は、資金的には中国本土の資本が入り、高予算高技術の世界が作られました。

ワイヤーアクション全開のチャン・イーモウ監督の『HERO』(2002)はその際たるものですよね。

ジャッキー(成龍)映画の魅力はどんどん下がって、『プロジェクトBB』以降は目も当てられない作品ばかり。

 

古き良きと言葉で片付けるのも簡単ですが、日本がまだアメリカ映画一辺倒だった時代に、

レスリーをはじめとした輝かしい香港映画と出会えたことは、本当に幸せでした。

 

レスリー没10年の際に書いたブログも、よければどうぞ。

https://ameblo.jp/moonset/entry-11494280751.html?frm=theme