「上海」がテーマの小説 | 遠近法で描く中国 -2nd Season-

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

これまで何冊か中国関連の書籍を読んできた中で、「上海」をテーマにした小説を紹介します。

『上海クライシス』春江一也著
元外交官の著者が中国を舞台にした渾身の外交サスペンス。時代的には911アメリカ同時多発テロから北京五輪開催前夜まで、男性向けですが、在上海領事自殺事件がモチーフになっていて、切ない恋愛やウイグル事情も交錯して読み応えは十分な作品。

『上海ベイビー』衛慧/ 桑島道夫訳
中国のアンダーグラウンドな世界を描いた作品。好き嫌い分かれますね、私的には苦手。

『月下上海』山口恵似子著
戦時中の上海を描いた作品、主人公は凛とした貴族出身の日本女性。往年の昼ドラマにありそうな設定と展開。

『ナンバーナイン #9』原田マハ著
中国という国において美術品やその鑑賞というものがいかに文化として成熟していないかは、住んでいて本当に感じましたが、こちらは日本と上海を舞台とした大人な恋愛作品。


中国関連書籍もそれなりに読んできて、上海、かつ小説というジャンルで抜き出してみると、以外に少なかった。しかしこうして並べてみると、「魔都上海」という言葉がしっくりくるなと感じました。