発行:講談社 / 講談社文庫 / 1984年
ジャンル:人物、世界再発見、宗教
ぼくがなぜマザーの本を手に取ったのか、自分でも説明はできません。
この時には、マハトマ・ガンジーの自伝も手に入れていました。
また、ラダビノード・パール博士の本も一緒に手にしました。
何か"インド"に対するインスピレーションがあったに違いはありません。
今の日本で、マザー・テレサについて知らない人は、ほとんどいらっしゃらないと思います。
でも、どれだけの人が、本当にマザーについて知っているのでしょうか。
殆ど名前だけしか知らなかったマザーが、沖氏の写真とともに、ぼくに逢いに来て下さったような気がします。
[目次]
プロローグ
第一章 プア・イズ・ビューティフル
私は自分にできるわずかのことを選んだだけ
もっとも悲しむべきことは、病めることでも貧しいことでもなく
ポケットには5ルピー、たったひとりで修道院を出て
特等!法王のお召し車、純白のリンカーン・コンチネンタル
あなたがともしてくれたランプは、いまも燃えている
[写真グラフ]
第二章 マザーとその姉妹たち
聞く耳を持っている人だけが、プア・イズ・ビューティフルの心がわかる
どれほど貧しい人に借りがあったか、天国へ行ってはじめてわかる
貧しい者は、金持ちよりも美しい顔でよく笑う
[写真グラフ]
第三章 かっぽう着のボランティア
不幸な人びとのために何かしたいという心を持つだけでよい
その人たちは、長い袖のついたエプロンを着ていた
彼らに与えてください、おにぎりひとつぶんだけの気持ちを
孤児をもらってくれるより、病気の子を抱いてくれるほうが
[写真グラフ]
第四章 マザー、ようこそ日本へ
首相さん、あなたの服がもっと質素で、もっと粗末なものを食べるなら
何がマザー・テレサとその姉妹たちをラジカルにしているか
ファインダー越しに追うだけだったぼくの失敗
世界中が湧きたったノーベル平和賞受賞
かならず日本に行かせてもらいますよ
愛に飢えて?写真展にクリスタル族ら殺到
「豊かな日本」を批判
エピローグ
あとがきにかえて
マザーのことばを中心に拾います。
「私の白いサリーは、貧しい人のなかで、私も貧しい人のひとりだというしるし。私の身なりも生活も、病に倒れた人や、骨ばかりの子どもとひとつになるための糧。そして、不親切で冷淡でありながら奇跡をおこなうよりは、むしろ親切と慈しみのうちに間違うほうを選びたい」(13頁)
「貧しい人たちはね、オキ(著者のこと)、お金を恵まれるよりも食べ物をあたえられるよりも、なによりまず自分の気持ちを聞いてほしいと望んでいるのよ。実際は何もいわないし、声も出ないけれどもね」(29頁)
「目的地に着くまでのあいだ、機内私にスチュワーデスを手伝わせてください」(49頁)
→飛行機を利用する際に、航空会社と交渉した言葉です。
こうして浪費嫌いのマザーは、できるだけ安く移動できるようにしました。結果としてマザーのインド国内航空運賃は無料という措置がとられたのです。
「今日の最大の病気は、らい(病)でも結核でもなく、自分はいてもいなくてもいい、だれもかまってくれない、みんなから見捨てられていると感ずることである。最大の悪は、愛の足りないこと、神からくるような愛の足りないこと、すぐ近くに住んでいる近所の人が、搾取や、権力や、貧しさや、病気におびやかされていても、無関心でいること」(100頁)
「いい写真がとれるかどうかは機械じゃないって気がするのよ。自分の仕事を誇ったり自慢する心があったらダメですね、仕事は神がさせてくれるのだから」(228頁)
→沖氏の撮ったマザーたちの写真を見ながら。
「オキの仕事は、私たちのために、写真を撮って世界じゅうにこうした恵まれない人びとがいるということを広めてくれることなのよ。それもりっぱな愛の仕事なのよ」(249頁)
☆★☆
親切で慈しみ深くありなさい
あなたに出会った人がだれでも
前よりもっと気持ちよく
明るくなって帰るようになさい
親切があなたの表情に
まなざしに、ほほえみに
温く声をかけることばにあらわれるように
子どもにも貧しい人にも
苦しんでいる孤独な人すべてに
いつでもよろこびにあふれた笑顔をむけなさい
世話するだけでなく
あなたの心をあたえなさい
(『マザー・テレサのことば』半田基子訳、女子パウロ会刊より)
☆★☆
マザー・テレサ―あふれる愛 (講談社文庫)/沖 守弘

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