『地球暗黒記Ⅰ~Ⅲ』(評価★★★★☆) | 遠近法で描く中国 -2nd Season-

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

著者:荒俣宏
発行:角川書店 / 角川文庫
ジャンル:小説 / 世界再発見
第1巻『ナナ・ヌウ』
第2巻『パリウリ』
第3巻『アルカ・ノアエ』

昭和63年初版のこの本が、簡単にアマゾンで手に入ったことにまず驚きました。
最初にこの本を手にしたのは、たぶん大学生のころだったと記憶しています。
度重なる引っ越しで何時しか手放したのでしょう。
この本の記憶がよみがえったのは、以前紹介した池澤夏樹氏の著書『ハワイイ紀行』(新潮文庫)でした。
それ自体素晴らしい本でしたが、そのハワイイ神話、フラ・ダンスの由来、そして王朝の歴史など、どれもぼくが一度目にしたことがあったのです。
それが、『地球暗黒記』によるものだと気づくまで、そう長くの時間は必要がありませんでした。
十数年前に読んだ当時、これは小説なのだという想いのほうが強く、それでも太平洋諸島の民に、楽園に、夢を見ていました。
しかし「暗黒記」と名付けられたこの本は、パラダイスの裏側を、小説という舞台を借りて、描き出します。
日本人がなぜハワイに魅せられるのかを、池澤氏とは別のアングルから捉えたものと言えるでしょう。
三巻によるこの小説は、荒俣氏が帝都物語を書き終えあたあとに手がけたと書かれています。
勿論ぼくも『帝都物語』は読みました。
映画版は観ていません。

長い時空を経て、平成19年、20年にこの本が改めて版を重ねたことに、とても興味を感じました。
ぼくが手に入れたのも、この新しく発行されたものです。
時代が、やっとこの本を必要としたのでしょうか。
この物語は、楽園・パラダイスを女子高校生”ヨーコ”が満喫するものではありません。
地球環境問題、徳川家康の陰謀、核実験の影響、神話による世界滅亡の予言など、フイクションとノンフィクションが交錯しながら、物語は進みます。
この手法は、帝都物語と同じもので、この時期に荒俣氏が得意としたものだったのでしょう。
それが小説のスタイルとして描かれると、本当になにが真実か見えにくくなります。
けれど、真実はこれだと指摘することを、あえて荒俣氏は避けているのです。
真実は読者が自分で見つけなければならないのです。
あなたのパラダイスの在りかを見つけるために、さあ”ヨーコ”と旅に出かけましょう。
”黄色いクーポン”があなたを暗黒の楽園へと、導きます・・・・・。
最後に、ハワイ語を学習したいというあなたにも、この本はお勧めです。



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