『容疑者Xの献身』
ガリレオの湯川先生的に言えば「実におもしろい」作品でした。
TVシリーズでの福山&柴咲コンビは絶妙で、コミカルな部分、論理的、科学的に事件の真相を暴いていく部分が非常に良い塩梅で楽しく観ていたので、映画化されても大きく期待を裏切るようなことはないだろうと予想していました。ただ、TVの2時間スペシャル的な感じも否めないかなぁとも思ってました。が、見事に期待を裏切ってくれましたんね。
今回は特に天才数学者役の堤真一、暗い過去を持つ弁当屋の松雪泰子のキャスティングがドンピシャはまったように思います。それにしても堤真一はスバ抜けて上手い。松雪泰子と共に最近、TV、映画で大活躍ですが、その役の持つ過去から引きずる憂いや鬱屈した感情までも表現し、それがまったく自然で恰も演者ではないのかと錯覚を起こしそうなほどです。彼が出演するだけで、作品の重みが増し、ギュッと締まって見えるのはファンであるが故の贔屓(ひいき)目でしょうか。
主役の福山雅治と柴芝コウは、ご存知のようにフジの大ヒット映画『HERO』のキムタク&松たか子につづく名コンビになりましたね。論理的な湯川と非論理的な直感を信じる内海のキャラを生み出し、ありがちな殺人事件を緻密に練り上げ、謎解きの痛快さと人間の内なる情念や理性をも描くストーリー展開、原作者の東野圭吾はやっぱりスゴイです。
原作を読んでいないので、どこまで原作に忠実なのかは分かりませんが、これまでのTVドラマシリーズとは一味違った切り口で事件の究明をしていく(内容を詳しく書くとこれから観る人に怒られるので・・・)部分がとても人間的で微妙な心理が見事に演出されているように思いました。推理ミステリーによくあるキーマン、キーアイテムもちりばめられていますし、TVドラマシリーズのファンはもちろんですが、見てなかった方でも、楽しめるんじゃないかと思います。TVドラマシリーズを見てた方でしたら、「こんな展開もあったかぁ」と唸らせてくれると思います。