テストー1 | 脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

約72歳。12年ほど前に脳幹出血で倒れました。合併症はたくさんありますが、何とか生きています。つまらないと思うかもしれませんが、愚痴っぽいブログですが、よろしく。

 一度「指標」としてブログで書いたのですが何となく物足りないようなので、もう一度思いつくままに、書いてみようと思います。くどいと思う人は、スルーしてください。

 長い間生活していると、身体に不調を覚え病院を受診しますが、毎日の忙しい外来の業務に全身を見ることは殆どありません。一部総合内科は診ますが。特に事故や難病等に合わない限り、人は皆老齢になります。そこで普段はどう診断に至るかについて、より実際的に考えてみました。

 まず何と言っても初めの問診ですね。多くの場合問診だけで病変の局在性は分かります。それを踏まえて診察に入るのですが、今回は上から順に述べてみます。思いつくかっぎり普段どのような事を考えているかも。

 

 大前提として「痛み」には2種類あります。1 体性痛=鋭い痛み「感覚神経によるもの」 大抵一本指でポイントアウト出来る。 2 内蔵痛=漠然として時にはっきりしない「自律神経による」 場所は複数の指か手の平で示すことが多い。心筋梗塞時の肩凝りや歯痛等の関連痛なんかは有名ですね。この時「反跳痛」=押さえたときは余り痛くないが、急に手を離すと痛む。ブルンベルグ徴候といいます。この反射だけで、胆嚢炎や虫垂炎を何例か診断しました。後で言いますが、腹壁「=腹膜」に炎症があるときに有用です。

 「炎症」は生体の防御の表れですが、4大特徴として ほっ赤「赤みがある」熱い「熱をもつ」 痛い 腫瘍「盛り上がりがある」この時に腫瘍の硬さや表面の様子 可動性をしっかり診る。

 特殊な薬「抗がん剤など」に必須の体表面積「BSA」は計算が非常に面倒。大抵計算機に組み込んであります。現場では火傷などのときに簡略化した、「9の法則」を使います。頭顔部を9%、上肢を各々9%、身体の前後面は各々18%、下肢も各々18%、そして会陰は1%とするのです。

 

 さらに当直をしていると、慢性頭痛の患者さんが多いです。ほとんどは「片頭痛」か「群発性頭痛」です。

 

 片頭痛は頭の血管が開いて拍動性に痛むもので、女性に多くストレスから解放されたときや閉経でホルモンバランスが崩れた時に起こりやすく、頭の移動でも増強します。食べ物「チョコレートなど」

の影響も受けます。カフェインを含むコーヒーや緑茶やポリフェノールなどの抗酸化物質を含むものは和らげます。また光や音に敏感になり、前兆がはっきりしている人もいます。随伴症状として嘔気や嘔吐があります。治療として「冷やす」のは良いでしょう。

 

 群発性頭痛は頭の周囲の筋肉の痛みで、片頭痛のような随伴症状や前兆はありません。長時間同じ姿勢でいる人に多い。治療としては「温める」のが良いでしょう。

 

 嘔気や腹痛も無しにいきなり吐けば、頭蓋内に重大な病変「出血や腫瘍」があります。まあこちらは麻痺など他の兆候で解ります。頭蓋内に病変があると大量の胃出血があることも有名です「ウイルヒョウ現象」。

 

 頭、頭皮に病変があるのは少なくて、大抵視診ですみます。前向きには、三叉神経の支配領域と表情筋に注意する。診るとすぐに分かります。

 両頬の特徴的湿疹や他の所見だけで、難病を診断したことが何例かあります。もちろん後で特殊な抗体をはかり、確定診断を付けました。中には関東地方で働き、近所の医師に「単純な風邪」だと言われていた人もいました。

 頭蓋骨は一枚ではなく、特に上あご「上顎洞」や目の上「しこつ洞」があり、幅鼻腔炎の温床になり易い。これらは声の響に重要です。また鼻や耳の柔骨炎にも注意。

 耳の直下にある耳下腺の状態にも「圧痛や腫れかたや熱感など」注意する。特に子供の時には触診を怠らない。

 ついでに舌下腺や齶下腺つまり「ガマ腫」にも注意する。問診で分かりますけどね。顎下唾液腺に石ができて、毎回食事のたびに痛む患者さんがいました。

 

 目は片方ずつ、眼球の動きを見「外眼筋」は正常か、直前と遠方の瞳孔の動きやペンライトの光を入れたときの瞳孔の動きを見て、脳幹部の病変の有無を調べます。上瞼の内側に脂肪腫の結節の有無。「脂質異常症」の人に多い。

 まあ他に症状があるのは珍しいですがね。眼球の黒い部分は老人などで、白く濁っていることがあります「角膜輪=コレステロール」。同時に結膜「白目」を見て、貧血「さらに白い」 黄疸「黄色に染まる」の有無を見ます。同様に脂の沈着しやすい場所はアキレス腱の周囲です。実際に厚みを計ったりします。

 さていよいよ口を開けさせます。舌をよく観察「ブツブツがあるやなしか 乾燥して居ないか 苔が多くないか」してから、突出させます。喉チンコと同様に左右にぶれないかを見ます。

 耳鼻科でやっているのですか、私は知らないのですが、咽頭の擦過療法がコロナの後遺症がいに聞くらしい。

 舌の奥にクルミのような扁桃腺があります。扁桃腺炎の診断には必須ですね。大きく腫れれていると、その程度を自分なりにI~IVにわけてカルテに記載しておくと、経過がよくわかります。この時に「溶連菌」とか「伝染性単核球症」という言葉を知っていると、診断に楽です。

 さてその奥の咽頭壁に光を当ててよく観察します。大抵ほっ赤の程度を見ます。この時までの問診で風邪やコロナウイルスの感染の有無はわかっているので、その確認のためです。

 ただし子供の場合は後に述べる、疾患以外大抵よくあるウイルス疾患「ほっていても治る」です。

 

 楽器の調律に使う「音さ」も有用です。後ろを向かせ軽く弾けば「感音性難聴」は簡単に調べられます。耳の後ろ下の頭蓋骨の突出部にあてれば骨伝導も調べられます。また音叉は鉄でできており冷たい。調べたい身体の「音痛覚」は分かります。

 

 また普段から「耳鏡」を使い慣れていると便利です。なにせ耳には異物や虫の混入が多い。正常な鼓膜の観察も一緒に身につけてほしい。特に相手がお子さんの時。

 

 頭頚部のXpは「骨折線」の確認や独特の骨の様子「下垂体腫瘍」の観察やパッチーに暗い骨の融解像を見ます「ミエローマや腫瘍性病変」。また頸椎のアライメントも見ます。環軸椎を見て、キアリー奇形の判断もします。昔はCTとかは珍しく、なかなか奥の病変は解りにくかった。

 

 その他諸々のテストがあり、診るべき事は多いです。首から下は別ブログで。