次は減塩について。実は塩と血圧の関係は十分に解明されていないのです。しかし塩のない世界に暮らしている未開人に高血圧はないのです。日本人は塩を取りすぎで(13g以上)、他の民族に比べて塩に非常に感受性です。
一応学会では6g以下/日を推奨しています。そこで様々な方法の減塩がされています。食品法で義務付けられているのは、なぜかNa濃度です。そこで塩への換算式です。Na濃度*2.56/1000(mEq/ml)=塩分(g/ml)。一般に塩分を1g減らすと、血圧が上は1,下は0.5~1mmHg下がると言われています。
減塩には様々な方法がありますが、毎日の生活を損なわないように味付けにメリハリをつけて、一週単位でみていきましょう。気を付けるとすれば、麺類のおつゆは飲まないことと、美味しいものには塩分が多いということ。
高血圧について。
皆さんは受診時の140/90以上が高血圧と思っていませんか。しかしコントロールする側から見れば、家庭血圧115/75以下を目標にします。少し低めですね。
問題は「家庭血圧」の測り方です。主治医からよく説明してもらいなさい。2~4週間の圧の記録をノートでもグラフ化してください。そして主治医と十分に話し合ってください。「白衣高血圧」とか知られていますが、逆に早朝~午前中高い高血圧があります。私も普段は120/80くらいで、脳卒中を起こしたのは、まさしく休日の午前中でした。
生活習慣の是正をしてもまだ高いと、不幸にして薬(降圧薬)が必要になります。最近は一日一回の(長時間作用型)良い薬が出ています。開業医の半数がファーストチョイスにCa拮抗薬の「ペルジピン」を処方しています。
大事なのは指示を受けずに勝手に飲んだり飲まない ことです。つまり血圧を短期間で、大きく変動させない。それが事故の元です。一説によれば、救急車の呼ばれる頻度は、ストレスの増える月曜日の午前中だとか。