約15年前に開業して気づいたのですが、日ごろあまり診なかった病気があると。代表はMCI(minimal cognition impairment)です。認知症の初期症状で、物忘れや性格の変容など、周辺症状から解りました。余りシャープに効かないのですが副作用に注意しながらドネペジルなどを出していました。
それと同じく線維筋痛症の患者さんも多かったですね。どんな病気かといえば、3か月以上も続く痛みが主訴で、痛いところの筋肉や関節には異常がないのです。痛みの原因が解らない以上、根本治療はありません。どうやら自己免疫が関与しているようです。当時はリリカなども無くNSAIDなんかで胡麻化していました。またうつ病に効く薬の一部も効きました。どうやら脳内の一部が過剰になっているようです。同じような病態に「むずむず足症候群」があります。英語が解りやすいです。レストレスレッグ症候群です。同じく抗精神病薬が効くので、脳の過剰反応でしょう。