スーパー歌舞伎 ヤマトタケル | 翡翠のブログ

翡翠のブログ

日々の徒然をつづっています。コメントは承認後公開させていただきます。

今日は御園座に、「スーパー歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内 ヤマトタケル」を観に行ってきました。

 

梅原 猛 作
石川耕士 監修
二世市川猿翁 脚本・演出

小碓命後にヤマトタケル/大碓命:市川 團子
兄橘姫/弟橘姫:中村 壱太郎
帝:市川 中車
タケヒコ:中村 福之助
熊襲弟タケル/ヘタルベ:中村 歌之助
犬神の使者/琉球の踊り子/新朝臣:嘉島 典俊
ヤイラム/帝の使者:市川 青虎
尾張の国造:嵐  橘三郎
老大臣:市川 寿猿
倭姫:市川 笑三郎
国造の妻:市川 笑也
熊襲兄タケル/山神:市川 猿弥
皇后/姥神:市川 門之助
みやず姫:市川 笑野(交互出演) 〇市川 三四助(交互出演)

 

感想は、とっても、とーっても面白かったです!

元々「古事記」は好きで、「ヤマトタケル」の話も好き。おおよその筋はわかっていることもありましたが、たぶん、それが無くても物語展開もセリフもわかりやすく、舞台劇として楽しめたと思います。今回、学生はC席が2000円になるありがたい券があったので、次男坊も一緒に行ったのですが、たぶん、彼も小学校のときに観に行ったオーソドックスな歌舞伎(岐阜市で小学校単位で募集があり、希望者は親子で観に行ける)より楽しめたように見えました。

 

最近、宙乗りがあったり、舞台上で水が流れたり、ペンライトや初音ミクが登場したり、という様々な歌舞伎を観る機会も何度かあり、「スーパー歌舞伎の定義って何なのかな?何があれば歌舞伎で、どこまでが歌舞伎なのだろう?」と、そこはよくわからないのですが。

ともかく、今回の舞台、華やかで、衣装も豪華で、ダイナミックな動きもあって、物語もビジュアルも舞台にグッと引き付けられる魅力があって、すごく面白かったです。

 

熊襲征伐の場面は、登場人物が多く踊りの部分が、にぎやかで楽しい。クマソタケル兄弟を討つため女装して小碓命が舞う部分はとても美しかったし、戦う部分は建物がバンバン壊れてダイナミック。

 

蝦夷征伐では、火をかけられて天叢雲剣(あめのむらくも 後の草薙剣)をふるい火をつけ返してしのぐ場面が、赤と黄の火の衣装と旗を振った大人数での戦いの舞がとても迫力あって良かった。草薙剣のエピソードは、なんといっても地元、熱田神宮の神体のエピソードでもあって、能の演目「草薙」もとても好きなのですが、さすが、歌舞伎は動きがダイナミックで大迫力でした。

 

また走水(はしりみず)では嵐にあい、船が動かなくなって、愛する弟橘姫を海神に差し出すしかなくなる場面では、舞台全体に布が敷かれ、大荒れの波が表現されて観ていて面白かったし、一方、内容的には哀れを誘う良い場面でした。

 

第3幕の伊吹山の山神退治の場面では、白イノシシが思ったより可愛いデザインでした。でもここで、草薙剣を置いておったことで、怪我(病?)を受けて大和に帰れなくなるのですよね、なぜ置いていったのか。海神にも姫を差し出す以外になかったわけだし、熊襲や蝦夷より、よほど山神の方が、国津神であっても「神」なので、神剣の力が、ここでこそ必要だったでしょうにと思いながら、観てました。

 

最後に帰りつけず、妻の兄橘姫にも息子にも会えず。というか、兄橘姫との婚礼後3日で蝦夷に出発しているということは、産まれた息子とは一度も会っていないということか、哀れな。でもワカタケルの子役の方、とても可愛らしかった。そして、最後の最後に、陵がパーンとはじけて開いて(ここは、ちょっと笑えました)、登場したヤマトタケルは、真っ白な鳥のような衣装で、すごく綺麗。ここで宙乗りもあって、客席の上に飛ぶ場面は、亡くなって神の鳥になった感があって、すごく綺麗でした。あと、2階席で観ていたので、「おお、こんな近くに来てもらえた!」というワクワクな嬉しさもありました。毎回、面白かったと書いているのでまたかという感想ですが、いや、今回こそ、今までで一番最高に面白かったかもしれません。

 

次男坊が付き合ってくれたので、幕間に弁当。私は八尾彦のなでしこ弁当、次男坊は天むす弁当にしてました。

 

そして2度目の休憩には、いつものアイス最中を。美味しい。