中山淳雄 クリエイターワンダーランド | 翡翠のブログ

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読書会の課題本で読んだ本。

中山淳雄 クリエイターワンダーランド 不思議の国のエンタメ革命とZ世代のダイナミックアイデンティ

 

少し前に同じ著者の本「エンタメビジネス全史」を読んで、面白くて。そのとき、新刊として今回の本が宣伝され、予約して読みました。

 

読んでみて・・・非常に面白かったです。前回の「エンタメビジネス全史」より一層面白かった。エンタメについても書かれつつ、エンタメをキーワード、一貫した屋台骨にしつつ、今回の本は「エンタメ」だけに固定されず、エンタメの視点から、ネット社会、ネットビジネスについて等も描かれていて、前回の本以上に読み応えありました。

 

感想メモ:面白かった、興味深かった点。

・Y世代はダウンロード型、Z世代はアップロード型、という区切りが、とてもわかりやすく納得できた。

・もうけるため、生活のためではなく、作りたいから作るというクリエイターの意識は、今日だけによらず広がっている。ラノベのなろう、世界一のpixivなど、世界観が身近で興味深かった。

 

・世代切り分けが、ネット社会への信頼の差によるという意見は面白い。しかし実際はどうなのだろう? ネットが恐ろしいところと気を付ける必要を過剰にあおる情報モラル的な押し付けより、使うことが前提の状況になってはいると思うが、ネットはやはり信頼しきれるところにはなっていないようにも思う。また、危険というよりゴミ情報の発信が多いとも思う。
 

・著作権の観点から、二次創作、実況動画は不正、不法という意識だったので、それも含めての戦略というあり方に変わっているというのは驚きだった。

 

p.326)35歳の壁という分類の仕方は、とてもキャッチーで目を引く意見、ただし切り分けは適当だと思う。元の引用論文をあたれれば。
最初に読んだ時、非常に面白く感じたけれど、よくよく考えると
実際には、世代の区切りより地域による差、個人による差の方が大きいのではとも思う。

 

p.232)ネットを能動活動するユーザこそリアルと求める、という視点について。リアルとネットの二項対立ではない。同時にライブ配信は、リアル鑑賞の下位互換ではない。
もちろん、とはいえ、リアルで見る機会の多かった私(私世代)には、やはりリアルこそとの思いもあるが、物心ついたときに、配信が当たり前の世代には、同じ並びたちの水平のもの、同列の選択しかもしれない、それを考えると確かに世代による差はあるのかもとも思う。

 

非常に読んで面白い、語りたくなるところの多い本でした。