映画 オッペンハイマー | 翡翠のブログ

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今日は、もうすぐ春休みの終わる次男坊と映画「オッペンハイマー」を観に行きました。

 

原子爆弾の開発に成功し、「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを描いた歴史映画で、2006年ピュリッツァー賞を受賞したカイ・バードとマーティン・J・シャーウィンのノンフィクションが元になっているのだそう。

 

非常に感情に訴えかける映画でしたが、あまりにも私が背景知識が無いために、複数の時代、複数の裁判が切り替わる部分で理解しきれない部分もあったのが残念でした。

 

しかし、オッペンハイマーの人となりが、丁寧に描かれていたことで、心がよく伝わったとは思います。科学者として新しいことを発見するという欲求、興味や喜び、戦争を終わらせる、祖国を戦争に勝たせるという愛国心や責任、同時に、自分が成功させたプロジェクトが生み出した兵器の影響の大きさを実感したときの恐れ、道義的倫理的責任による葛藤という心の動きは、共感でき、よく感じられたと思います。

 

オッペンハイマーの指導者であったニールス・ボーアの言葉「君は人類に滅ぼす力を与えた。この世界には早すぎだ」や、オッペンハイマーが作中で口にする聖典の言葉「我は死なり、世界の破壊者なり」が非常に重い。原子爆弾、核兵器は、抑止力にはならないと私には思えますし、今のところ、人はその暴発を理性で抑制することはできないとも思っています。そして、科学者の追い求めるべき新しい発見が、同時に道義的倫理的責任をも伴う、世界への不可逆な影響につながる変化となるのは、核兵器にとどまらず、たとえば原子力発電など核反応の利用、遺伝子組み換えの生命科学、AI など、今日でも現状、探究されるべきものでもあり、しかし、それが及ぼす影響を科学者が無視し探究のみに没頭することは許されないものでもあるけれど、往々に得られるものの大きさから、リスクについては後回しにすることはありがちだろうとも思いながら、映画を観ていました。

 

映画だけでは、あまりに考えたり論じたりするには私の理解も知識も浅すぎ、不足すぎ情けなさも感じたのですが、次男坊と観たことで、色々、感想を言い合えたりできたのは面白かった、良かったです。

 

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