独学大全 読書会第四回 | 翡翠のブログ

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独学大全を少しずつ読み進める長編読書会の第四回。

P376~P447(第2部第10章~11章)

 

 

(読書メモ)

 

第10章 集めた資料を整理する

今回も親父の言葉に正座する気持ちで読む。一番、目の前のPCに貼ろうと思った言葉、(p.381)「誰かの受け売りをやっているレベルを抜ける方法は、複数の見方を何度も/何重にも突き合わせてみること」「こうすることで、誰のものでもない自分の見方と考えを持つ端緒が得られる」。これは、昨日読んだ丸山真男「日本の思想」で批判されていた「断片的な思いつきを過度に尊ぶ「オリジナリティー」崇拝」に陥らない考えを得ることにも通じるのではないだろうか。

 

技法28 目次マトリックス

文献の目次を表化することでキーワードやトピックの流れをつかむ。

目次と言っているが、p.388の表を見ると実際には読んで概要も書き込み、関連項目のチャート化までされている。

 

技法29 引用マトリクス

文献の参考文献を表化する。引用か所、評価する箇所を抜き出す。文献の評価や文献間の関係、基本文献、分布を知る。

 

技法30 要素マトリクス

書誌情報、発行年、目的、他、抽出する要素を表にまとめる。

 

第11章 情報を吟味する

情報を集めれば集めただけ、その情報の吟味が必要になる。情報洪水という言葉もあるし。親父の言葉、(p.424)「偶然目にした一冊の書物に飛びつく代わりに、同じテーマを扱った複数の書物を常に求め、それらの存在を意識する」ことはデマを見抜くだけでなく、当時は真実であったり真実であると思われていたものでも、精度や測定が向上したり、新しい考え方が見つかったりなどでアップデートされることもあるし、吟味の穴や吟味されていない範囲がある場合もあるし、そういった先人の知恵や考えの「巨人の方に乗る」場合にも、必要になるように思います。

 

技法31 タイム・スケール・マトリクス

デマの矛盾をあぶりだす。検討するファクトの同位の過去、未来、同じく上位(広いレベル・スケール)と下位(狭いレベル・スケール)の過去・現在・未来を表化し整合性をチェックして事実か評価する。

読書会で、実際に仕事上で、この技法に近い方法を取ってチェックしているという方がいらして、実際に役立つ、必要なチェック技法なのだなあと実感できました。

 

技法32 四分割表

トンデモ主張を暴く。吟味したいことを「XならばYする」の形にし、Xありなし、Yありなしを表化する。

技法は興味深い。もちろん、この方法だけでトンデモ主張を全て見分けられるわけではないだろうが、検討して冷静になることはできるかもしれない。本当にその方法が正しいと主張するためには、4つのマス全てを埋めなくてはいけないということだが、多くの主張は全てを埋めていないことが多いし、(p.437)「まったく同じ条件の対象群についても結果を調べ、効果の有無を比較しなくてはいけない」のだが、人を相手とすることは同じ条件を用意して比較できないことが多い。スマホでバカになるとか、全然検討されていないと思う。

 

技法33 トゥールミン・モデル

主張を検討する。主張、事実を切り出し、主張と事実をつなぐ理由を付け図示する。これは、実際に事実として単に主張をしているようなことは、よくあると思うので、利用度が高く思います。

 

次回範囲は「どのように学べばよいかを知ろう」。