今日は仕事の後、母と歌舞伎を観に行きました。
第412回市民の劇場 松竹大歌舞伎
演目と配役
一、ご挨拶 中村 隼人
二、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)引窓
南与兵衛後に南方十次兵衛:中村 隼人
女房お早:市川 笑三郎
平岡丹平:中村 蝶一郎
三原伝造:上村 吉太朗
母お幸:上村 吉弥
濡髪長五郎:中村 錦之助
岡村柿紅 作
三、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
山蔭右京:中村 隼人
太郎冠者:市川 青虎
侍女千枝:上村 吉太朗
同 小枝:上村 折乃助
奥方玉の井:中村 錦之助
最初に中村隼人さんがご挨拶と解説をしてくださって。事前には、よく存じ上げないまま今日は観にいったのですが、話が上手で、あらすじもわかりやすく、ハンサムでかっこいい方でした。グッズが、たくさん販売されていたのもうなづけます。撮影タイムもありました。先日の落語の寄席もそうでしたが、古典芸能の世界も新しいファンを獲得すべく、敷居を下げてくださっている気がします。
◆引窓 あらすじ
南与兵衛(中村雁治郎)は亡父の後を継いで郷代官に昇進します。そこで任命された初仕事は、人を殺して逃げた相撲取りを探して捕まえること。ところが、その相撲取りは、与平の継母の実子の長五郎だったのです。幼いころ養子に出された長五郎は、人を殺めてしまい母を訪ねて来ていました。与兵衛は長五郎が母の子であり、家の中に隠れていることに気が付きます。母を想って長五郎を見逃そうとする与兵衛、自分を逃がそうとしてくれる与兵衛を思って捕まろうとする長五郎、継子の与兵衛の想いをありがたく思い長五郎を差し出そうとする母。与兵衛のはからいに、とうとう長五郎も逃げることとなります。
「引窓」は、これまでにも何度か観たことがあります。過去記事で振り返ってみたら、岐阜の巡回公演で母と2回、観に行っていました。子どもとも観に行ったことがあるので、地方巡回には選ばれやすい演目なのでしょうか?人情物だし、子どもが観ても大丈夫(色街や盗賊とかが出ないで、登場人物が良い人間ばかり)だからかな。面白い良い演目ではあるのですが、なかなか母と御園座、歌舞伎座といった遠くには遠征できないので、色々な演目が公演されると嬉しくは思います。しかし一方で、わかりやすく面白い演目なのも確かで、今回も最初の挨拶で、初めて歌舞伎を観る人?と聞かれて大勢の方が手を挙げておられたので、初歌舞伎にはぴったりとも思います。
それに、何度か観たことで、筋や流れがわかって、より集中して楽しめましたし、なんとなく舞台ごと、演者ごとの違いを感じたり、反対に、声の調子や演じ方が似ていると感じたりもあって、それも面白かったです。
南与兵衛:中村雁治郎
濡髪長五郎:市川 左團次
もう一本は連獅子
南与兵衛:染五郎改め松本幸四郎
濡髪長五郎:幸四郎改め松本白鸚
もう一本は、色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ) かさね
こちらは名古屋の御園座へ私だけ観てきたもの。
南与兵衛:仁左衛門
濡髪長五郎:獅童
もう一本は、狐と笛吹き
◆<身替座禅>あらすじ
奥方の玉の井の目を盗み、恋人の花子との逢瀬を叶えようと考えた山蔭右京は、持仏堂に籠って座禅をすると言い立て、太郎冠者を身替りとして衾を被せて出かけて行きます。しかし、直ぐに玉の井の知るところとなり、太郎冠者の代わりに衾を被った玉の井は夫の帰りを待ちます。
一方、花子との逢瀬を叶えて戻った右京は、逢瀬の様子を語った上、衾を取り払います。そして、恐ろしい形相の玉の井を見て逃げ出す右京をどこまでも追って行く玉の井でした。
「身替座禅」は、狂言の大曲「花子」を素材とした作品で笑える演目。こちらは以前に、市川海老蔵さんの舞台で観て、
上にも挙げた名古屋御園座の公演の夜の部でも観ました。
狂言らしく、楽しく客席も、ワッと笑える演目で、今回も楽しめました。狂言に比べると、舞の部分が多いので、小中学生はどうなんだろう?もしかしたら狂言の方がシンプルで楽しめるかも。一方、大人には笑いと、舞と両方楽しめるのが歌舞伎の良いところなのかも。
中村隼人さんは、二枚目もコミカルな笑える演技もできて、コミカルであっても色気のあるところも良かったです。今回、お顔も名前もバッチリ記憶に残ったので、今後も応援していきたい方となりました。