咀嚼の健康法を知っても、なかなかそれが上手く身につかないのには理由がある。
今回の記事は、それを考察していきたい。
☆咀嚼30回以上に必要な機能
・舌の味蕾
・脳の咀嚼野
・第一次味覚野
・第二次味覚野
少なくともこれらの身体の機能が、どれも水準があり平均的な水準もそれなりにないといけない。
・舌の味蕾
まず旨味や五味を感じ取る味覚を持たなければならない。
何故ならば、不味いと吐くわけにはいかず、呑み込んでしまうからである。
だから味蕾の機能が低いと、本来の唾液によって分解されて旨味を感じ取る機能が発揮されず、それが咀嚼途中で食べ物を呑み込んでしまう原因になるからだ。
誰もが味蕾の機能を平均水準以上を持ってると思わない方が良い。
実は自分自身の舌の味蕾は、平均未満かもしれないからだ。
・脳の咀嚼野
脳の咀嚼野の機能が低い場合もある。
咀嚼は意思ではなく脳機能。
一時的に集中して意思力で咀嚼30回をしても、咀嚼野の機能が低い場合、すぐに元の木阿弥に戻ってしまう。
何故ならば、脳機能の限界を強引にねじ伏せて咀嚼30回以上を達成してるからだ。これは意思力の結果であって、脳機能の結果ではない。
だからふと気を抜くと、いつもの早食いに戻ってしまう。
脳機能>意思力
であることを忘れてはならない。
が、前頭葉(意思力)次第では、もしかしたら新しい脳回路が出来るかもしれないが、大抵は挫折してしまうのが関の山だ。
・第一次味覚野
味蕾が高い機能を持っていたとしても、第一次味覚野の機能が低い場合、五味の情報を単純情報として処理してしまう。こうすると、濃い味や甘い味にしか関心が向かないし、咀嚼による唾液での分解での甘みなどは、感じ取ることは出来ない。咀嚼し尽くしても、味は感じ取れないので異物感で呑み込んでしまう。その結果、咀嚼30回は達成されないことになる。
だから第一次味覚野の機能が低い場合も、咀嚼30回の障害になる可能性が高い。
・第二次味覚野
この機能が高機能だと、おそらく料理人の舌になると推測する。料理人の舌とは、食べた料理の材料を当てられる舌のこと。
そうでなくても、平均や中央値くらいでさえ、料理の材料は当てられる。
しかし、全く当てられない。または思い浮かばない場合は事情が変わってくる。それはかなり機能が低いのではないだろうか。
機能が低いとどうなるか。某ラーメンハゲが言うように「情報を食ってるんだ」が成り立たない。
このような場合では、食べ物は栄養を取る手段に過ぎないことになる。栄養を取る手段に過ぎないから、咀嚼が軽くなって早食いなどをしてしまう。
☆補完機能
・鼻の機能
祭りの屋台のかき氷シロップは、全て同じなのは有名な話だ。大事なのは、香料を感じ取る鼻だということ。
この鼻の機能が低い場合、咀嚼された食べ物の変化を鼻で感じ取ることが出来ず、咀嚼が単調になって長続きしないことになる。
・視交叉上核(脳の時計)
今までもこれも私の推論であるが、脳の時計がおかしい場合、咀嚼の時間が永遠と感じられて精神的にキツくなり、それが咀嚼挫折に繋がる。
以上4つの機能と2つの機能のうち、一つでも機能が低いと、それに引っ張られて咀嚼30回は難しくなると私は考える。
☆咀嚼は意思力や習慣ではなく、本質的には才能に近い。
咀嚼を推奨する歯医者を考えてみて欲しい。彼らは歯科医師国家試験を合格した猛者である。頭が良くて集中力や意思力がある。脳の抱えてる問題が少ないことは推定できる。
そんな彼らの基準ならば、上記4つと2つの機能も高いのは当然だ。
だが他の人の脳はそうではない。彼らは簡単に行えても他の人は違うのである。
彼らは脳機能の水準が高いから意思力の問題と考えているが、他の人の脳機能は低い可能性は高くて、意思力だけでなく脳機能も必要になってくる。
これはもはや脳の才能の問題だ。才能の差ならば、失敗は当たり前だ。
だから「容易ではない」ことを受け入れて、工夫していくしかないのだ。
咀嚼で有名なフレッチャー氏も同じである。彼は脳機能の水準が低いかもしれないが、お金と時間は余りある。だから、咀嚼に集中出来る。
我々庶民は、お金と時間が無い場合が多く、咀嚼のみに集中することは難しい。
だからフレッチャー氏の成功は参考になりそうで参考にならない例である。
以上。
咀嚼は思ったよりも才能寄りであるから、たくさん失敗しても自分自身を責めないで欲しい。
咀嚼30回は「容易では無い」。「難しい」技能なのだ。
☆後書き
咀嚼30 回の失敗で嘆くのはこれで終わりにしたいですね。
ではでは。
読んで下さってありがとうございます!