自分で言った言葉に、じわりと涙が滲んだ時、
「なに拗ねてんの」
あーもぉ、って わざと大きなため息をついた彼が俺の背中を押して、力づくで俺をうつ伏せにした。そして背中に覆いかぶさる。
「ちょっ… 重ッ、退けって!」
「ヤダ」
「ヤダじゃねぇよ…!」
「…もっとって、にのが言ったんじゃん」
「は? 何、言って、」
彼は俺の腹の下に両腕を回し、ぐっと俺の腰を持ち上げ、戸惑ってる俺の
その入り口に熱い昂りを押し当てる。
「ちょっと、待て、急に、なんで… なんで復活してんだよ!」
「…拗ねてる にのが可愛いから?」
「知るか! 訊くな!」
そんな抗議の声を無視して、彼は俺を一息に貫いた。
「まっ… ぁあ…っ」
さっきまで 彼 に掻き回されていたその場所は、俺の戸惑いに関係なく、また悦んで 彼 を受け入れてしまう。
「ん…っっ」
もっと奥まで…
恥ずかしげもなく腰が揺れ、欲しいトコロに 彼 を自ら導く。
「…にの、まさか、俺を、独りにする気なの?」
俺の欲求に激しく応えながら、独り言みたいに彼が呟く。
「は…ぁっ? そっちが、俺から、離れてくんだろ…ッ」
「そんな事、一言も言ってない、のに」
「同じ、事だろ、だって… ぁっ」
「ねぇ、オバケ、見つけに行こうよ、一緒に」
途切れ途切れに言葉を紡ぎながら、彼は益々激しく 俺を掻き乱す。
「は…ぁっ…?」
身体も心も痺れて震える。
「オバケ、見つけたら、今度はわざと、捕まってさ… いや、逆に捕まえて、案内させよう」
微かな笑い声。
でも息は、切羽詰まってる。
「にの… 一緒に いこ…」
それはどっちの意味なのか
分からないけど、もうどっちでもいい
いいよ
どこにでも
一緒に
いってやるよ
俺は うんうんってデタラメに首を振って、彼とのタイミングを図る。
彼が息を詰めた時、俺も我慢していたモノを一気に解放した。
その真っ白な瞬間、色んな わだかまりが どうでもよくなって、本当に融けてしまったのかと錯覚するほどの快楽に意識が飛んだ。
10月の窓は オレンジ色
おどけた顔の ジャックオランタン
色とりどりのキャンディ
手招きするカカシ
甘い香りの チョコレートプディング
心踊るものでいっぱい
でも気をつけて
階段の下には
鉤爪をもったオバケが潜んでる
今夜はソイツを捕まえて
彼らの世界へ案内させるんだ
そして今度こそ
この世界から逃げ出そう
手を繋いで
どこまでも
どこまでも
繋いだ手を
離さずに
この物語はフィクションです。
苛立ちをバネに…