戦国BASARA 第4話「揺れる緋の花 悲を呼ぶ信義」 | リュウセイグン

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長文多し。

本当にビックリさせられる。BASARAスタッフの力量には


あらすじ

浅井長政とお市登場

対織田連合軍準備

浅井と明智の遭遇

お市、人質に

対織田連合軍進軍開始

明智、浅井を連合軍の楯に用いる




正義の大名(笑)浅井長政とヤンデレヒロインお市登場回です。

いやぁ……シリーズ構成のむとうやすゆきさんのお陰だと思うんだが、本当に凄いぞこの人
例えば今回も武田&真田のやり取りがあった訳ですが、これもゲームには存在しない状況。
ゲームは戦場がほぼ全てですからね。


ところが、キャラを完全に掴んでいる為に全く違和感がない


むしろ「そうそう! こういう感じだよ!」と、キャラクターが普通に生きているようにこの状況に照らし合わせて動いている。


それ以上に凄いところは浅井長政の使い方。
見れば分かるように、正義を旨とするキャラなんですが、今回は織田&明智がそれを利用するというお話。

まず明智の不義なる進軍で釣って、お市を人質にして朝倉攻めを促し、更にそれが出来ないなら……と伊達軍に当てさせる。


この流れ、完璧。


まず浅井が単なる正義キャラではなく、ちゃんと夫婦の情愛を以て行動している事が分かる。
これは浅井のキャラを複雑で人間的にしている。


そして妹を人質に朝倉攻めを命じる信長。
信長の鬼畜キャラを際だたせると同時に、お市の口癖「私が悪いの……」というセリフに中身を持たせてる


そして朝倉の元へ走る浅井を明智が待ち受け、「朝倉攻めが出来ないなら伊達軍を倒せ」と唆す。
攻めろ言われても正義の信念から全う出来ない長政と、それをすら読んでより伊達軍への戦いを持ちかける明智。浅井の信条としても、朝倉に比べて伊達と戦うのはさほど困らないんですよね。



それをも含めて明智の策略で、見事浅井を楯に使う事を為し遂げました。
こういう小技は傲岸不遜な鬼畜キャラの織田信長よりも、狡猾で何を考えているか分からない明智光秀の方が合っている。明智もゲームだと快楽殺人キャラばっかりが前に出るんですが、本能寺の変などを考えれば元々奸知に長けているという解釈はしっくりきます


浅井が勝ったらそれで良し、お市を楯に更なる朝倉攻めを強制する事も出来る
浅井が負けても、伊達軍の力を削ぐ事が可能。徳川と武田も戦いますから、万全なのは上杉のみ。
どちらが転んでも織田軍は痛くない


そう…………これを戦略って言うんですよ!!



「戦術と戦略の区別もつかない」某アニメに見せてやりたいぐらいの鮮やかさです。

ちなみに朝倉はゲームに登場しないので、スタッフ的にはキャラクターをいちいち作って出さずに済む……という追加効果まであります。


調べてみたところ、BASARAシリーズ構成のむとうやすゆきさんは『ペルソナ』や『バジリスク~甲賀忍法帖~』のシリーズ構成などを務められた方。私は未見ですが、両方とも評価の高い作品です。

またバジリスクは原作やマンガを読んでいますが、アレは構成力がないと出来ない作品

キャラクター同士の能力的な組み合わせが重要なので、ちょっとでも変えるとすぐにガタが来てしまうような難しいものです。


現に適当な改変しまくった実写版『SHINOBI』では目も当てられない完成度を誇り『デビルマン』の後継となる、
第二回きいちご賞
に輝きました


まぁ、この人がやってくれる限りBASARAは安泰でしょう。
ホントに良いなぁ……こういうゲームのアニメ化なら色々やって欲しいもんです。