グイン・サーガが結構面白い。
グイン・サーガは意外性に富んでる。
但し、必ずしも本筋の評価であり正当な意味において……って訳じゃないんだなwww
もちろん、普通に観てても結構楽しい。ああいう英雄譚の、特に初期は英雄たちの顔見せ的な要素が強いからそれだけでも良い。また戦闘シーンは短いながらも迫力があるし、皇なつき原案のキャラデザも(これは原作未見てのがあるかもしれんが)ノビィの音楽もなかなかステキだ。
ただ、笑ってしまうようなシーンが多々ある。
1話の
「あ、間違えた」
とか言って行われる、うっかり転送。
グインさんのかますタイガーマスクばりの飛び膝蹴り。
2話の谷に落とされた兵士(飛び方が面白い)、それをスルーしてしまう隊長。
3話は盛り沢山だった。
決闘になるかと思いきや、突然吐き気を催し退席してしまう黒伯爵(案外繊細だ)
イシュトヴァーンの牢に、剣や鞭をそのまま持ち込ませてしまう純朴なモンゴールの方々(当然、手枷も忘れる)
他人に毛布をねだる癖に「自分の事は自分でしろ」と説教してくるイシュトヴァーン(お前だよ!)
↑にも関わらず「ヤツの言うとおりだ」と納得するグイン(なんで?)
セム族の少女の為とは言え、アルマジロのドタマに岩を振り下ろす王女さま(完全に殺しに掛かってます)
セム族襲撃で「持ちこたえろ!」と言った直後にぶっ殺される隊長さん(もう少し持ちこたえてください……)
反逆行為で牢に入れた少年Aを「お前も戦え」と解放してしまう本当に純朴なモンゴール兵(あんたら人良すぎだよ……)
仲間フラグバリバリだったと思わせて実は死亡フラグで速攻退場の少年A(可哀想すぐる……)
先週からやたら強そうな素振りを見せていたにも関わらず、速攻やられる用心棒の先生(あんた猿以下かよ!!)
不定形になって、火を付けると爆発する黒伯爵(お前はガソリンか何かか?)
尺の都合もあるんでしょうけど、なんか笑っちゃうんだよな~。
アニメ化したせいだけじゃなくて、原作からの要素もあると思うんですよ。
1979年だから、もう30年前。
ウルトラマンがこの前40周年で、仮面ライダーはそれと同じくらいの時期に35周年。
5年スパンで考えると、更にその後くらい……という事になります。
知ってる人は知っていますが、ウルトラマンも仮面ライダーもかなりお間抜けなエピソードが沢山あります。
それは当時の物語的に言えばさほど妙な事ではなく、子供向けだしそれくらいが丁度良かったからです。
平成の今から見ればツッコミどころ満載なのですが、逆に近年の作品と比べれば新鮮で、独特の魅力にもなっているんですね。
例えば……
初代ウルトラマンでラクガキが宇宙船で怪獣化するという現象が発生。
「ラクガキを消しに行けばいいんじゃないですか?」ともっともな主張をする隊員に「科特隊が子供のラクガキを消しにいけるか!」とキレるキャップ。
仮面ライダーで財宝の争奪戦になり、人質を取られた為、地図が的に渡ってしまった。
意気揚々と目印らしき十字架が立っている場所を掘るショッカー隊員。
棺のようなデカい箱を掘り当て、蓋を開けるとそこには、仮面ライダー!
仮面ライダーは地図を持っている間に場所を特定し、先回りしていたのだ。
で………………棺に入った後、誰が埋めたの?
同じく仮面ライダー。
メガネを利用して人々を洗脳し、手下にしようとたくらむショッカー。
お父さんと子供がメガネ屋へ行った帰り。突然お父さんが苦しみ出す!
「どうしたの、お父さん!」駆け寄る子供。
だがお父さんは「うるさい!」と、子供を突き飛ばして叫ぶ。
「メガネが、メガネが俺を呼んでいるんだあぁぁぁっ!」
ハッキリ言って今だと爆笑してしまうのですが、同時に「いいなぁ~」とノスタルジーに浸りそうになってしまうのです。今ではリアリティなどと言って切り捨てられてしまいがちな奔放さや自由さが、そこにはあります。
カッコだけつけるフリして実は何も考えてない作品よりも、こっちの方が僕はずっと好きです。
グイン・サーガにはこういった善良なお間抜けさに通じるシーンが多々あります。
もちろんツッコミ大好きな私は、その度に突っ込んでしまうのですが、それはグイン・サーガの悪い部分ではなくてステキな部分なのです。
普通に見て楽しむも良し、ツッコミながら昭和テイストに浸るも良し。
こういう見方が出来る作品は、なかなか良い物ですよ。