『BASIE』と銀河鉄道の夜 | ダンス・ダンス・ダンス

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『音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ』

〜村上春樹〜『ダンス・ダンス・ダンス』より

一ノ関にある『BASIE』という喫茶店で珈琲を飲んでます。

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店内にはJBLの大型スピーカーがあって、軽快にモダンジャズが流れています♫
ヘッドホンから流れる音階よりもっと立体的で臨場感が豊かで、高いスピーカーもここまでくると全然レベルが違います。

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今日は岩手県遠野市をぶらぶらして来ました。遠野市は『遠野物語』の舞台ですが、河童だったり、座敷童だったり、そんな伝承が息衝いている町です。子供じみた民話かもしれないと思ってると、意外にハマる部分もあったりで、今度はゆっくり滞在したいと想う不思議な魅力のある街です。

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伝承館の昔話↑
オシラ神信仰の話は少し怖い。。。^^;

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翌日。新花巻から臨時便の新幹線に乗って、上野に帰っています。

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ぐずつきそうでいて、それでも持ち堪えた曇天が、今はパラパラと小粒の雨を降らせていて新幹線の窓を儚くつたっています。はじめて訪問した陸前高田市には街の痕跡はほとんど残っていませんでした。かつて7万本あったという松の木も、枯死した奇跡の一本松を残すのみです。

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山から切り出した土砂は『希望の架け橋』と名付けられた大きなベルトコンベアで平地に運ばれています。

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BRTはかつてあった線路を専用の舗装路にかえて、バスが運行される路線。三陸鉄道で釜石に向かう途中も、海沿いの街があったらしい平地は今も建物がありません。ただ、その先にあるリアス式海岸が見せる景色は、自然の脅威を忘れさせるような美しさがあって、目を奪われます。

海沿いの景観↓
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山側の景観↓
(遠くの建物の1Fに津波の跡)
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『NEWSWEEK』に載っていた一枚の写真。三年の時を経て、粉雪の中、膝を折る女性。2011年3月11日、その日、僕は振替休日をとっていて、リアルタイムで被害の実況中継を見ていました。。。
それは想像を絶する光景で、衝撃的というよりむしろ、ただ呆然としていました。3年を経過した今日、あの日テレビ中継されていた地域の一つ一つをBRTや三陸鉄道は通り抜けて行きます。平地になった大地と山間のコントラストになんとなく見覚えがあるように感じるのは、あの日呆然と見た記憶のせいかもしれません。

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僕は『NEWSWEEK』の写真に心動かされ、陸前高田に来ました。悲しみの雪は三年後も解けず。その雪は春になった今も地中深く、湾の奥底を凍らせていて、美しい海岸線を、ただ美しいと感じられない心境を残念に思いました。

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この一人旅で僕は、遠い昔にみたアニメ『銀河鉄道999』をぼんやり想い出しながら、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読みつつ、車窓を眺めていました。

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『銀河鉄道999』の記憶は今となっては限りなく曖昧で、子供ごころにその背景には格差や偽善に対するメッセージを漠然と感じて、どこかもの悲しい印象もあります。『銀河鉄道999』の名言集を検索すると何個かサイトがあって、、、




大人になった今見てもハッとするような台詞が多いことに気付きます。

ゴミの山を作れる所は 
とてもしあわせな所よ……
確かに三陸の被災地の一部は今も荒廃していて、ゴミの山すら作らない。
女というものは一番美しい時の自分を心の支えにして生きていくものなのよ……

に至っては松本零士さんが、どのようにその台詞を考えたのか不思議なくらい。

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帰りの新幹線の車窓に夜の東京を見たとき、その明るさに不思議と銀河鉄道がオーバーラップした。夕闇に浮かび上がる明かりの一つ一つは人々の営みや生活の証明で、それは夜空に浮かぶ星の一つ一つと重なるような気がした。

『なにがしあわせかわからないのです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。』
~宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』より~

確かに人は幸福を見失う。人はその幸福に順応し、それを標準と考えるようになるからだ。しかし、人は悲しみや苦しみを忘れない。その傷は忘れた頃にあっても、ふとズキズキ痛む。人の生存本能には危険から身を護るため、学習本能があるからだ。

あの悲しみの平原にTDRと同規模の『ジブリの森』をつくれたらと思う。そこには『風の谷のナウシカ』のアトラクションがあり、『天空の城ラピュタ』があり、『となりのトトロ』の世界がある。そして、その made in JAPAN の遊園地には世界中の観光客が訪れ、笑顔と歓声に溢れる。そして『奇跡の一本松』は復興と教訓の象徴になる。僕たちは忘れない。でも、前に進んで行くんだ。
どこかにカジノを作るより、ずっと夢があって楽しいと考えるのは僕だけだろうか。。。ラスベガスもいいけど、オーランドを作ろうという議論だって、あっていいんじゃないか、そう感じた一日だったのでした。

LET IT BE ☆彡