ロバート・レッドフォード監督、ブラッド・ピット主演の映画で、『リバー・ランズ・スルー・イット』という長い名前の映画がある。
今、調べたら1992年公開で、若いブラッド・ピットが観れる映画。こんなマイナーっぽい映画、周りに観てる人いないと思ってたら先輩が観てたことが飲み会で発覚した。
自分『なんとなくジャケットがいいなと思ってレンタルしたんですよね。。。』
先輩『俺も。あの長い紐のシュルシュルって感じ、え?? なんなの??ってなるよな』
自分『はい。でも、風景がキレイだった記憶はあるんですけど、内容は全く想い出せないっス。。。^^; 』
先輩『ま、いーんじゃね。で、あの映画、カッコよかったから、俺、フライ・フィッシング始めようと思ってるんだ』
自分『いーっすね! 俺もやります!』
そんな感じで、僕たちはフライ・フィッシングをはじめた。広島市内からは中国山地のフィッシング・スポットまで車で1~2時間走ればいけたし、そんな訳で市内にはフライ・フィッシングの専門店が何軒もあった。
映画の中のブラッド・ピットは、爽やかでカッコよかった。
装備を整えた僕たちは、まず、フライ専門の釣り堀に行くことにした。
❶ラインにティペットを結んで、そこに毛針をつける(結び方があって、最初は上手く出来ない)
❷キャスティングをする(ラインの重さで毛針を投げるんだけど、なかなか遠くに行かない&投げたいところにキャスティングできない)
もちろん四人とも釣れなかった 笑!
居酒屋での反省会で、これは難しそうだね!という話になった。キャッチ&リリースが基本だから、釣った魚を食べる気はなかったけど、誰が最初に釣るか、密かなライバル心にみんな燃えていた。とりあえず、❶と❷はマスターしてたので、もう一度釣り堀に行った。四人ともキャスティングしてる雰囲気は、すっかりブラッド・ピットだった。
二回目は他のお客さんがニジマスを釣った場面に遭遇した。みんなが色めき立った。釣れそうな気がしない僕たちは、釣った人がいる事実に勇気をもらったし、その釣り人はヒーローに思えた。そして二回目も、四人は釣れなかった。
それから先輩はダッチ・オーブンを買った。難しくて釣れそうもないから、アウトドアの延長でフライをしようという作戦に切り替えた感じだ。僕もキャンプに興味があったので、テントや寝袋やダッチオーブンを買った。そして、年に数回、寝床準備→晩ごはん→焚き火→世間話→寝る→フライフィッシング のサイクルを繰り返した。
四人いたメンバーは、やがて転勤になって自分も大阪に引っ越した。結局、誰も一匹も釣ることはなかった。信じられないことに、そこにいる四人は誰も自分が釣れるとは思ってキャスティングをしていなかった。。。
四人とも忙しくて、平日フライフィッシングを極めようとする意思が弱かったんだと思う。ただ週末、アウトドアをしてるだけで満足だったし、楽しかった。
大阪に引っ越して、しばらくしてからロッドやリールはヤフオクで売った。同じタイミングでスカッシュのラケットも売ったけど、ラケットは2000円くらいでロッドとリールは20000円以上で売れた。スカッシュが出来るコートは少ないから当然かもしれないけど、フライフィッシングって人気があるんだと改めて感じた。買ってくれた人には、あのロッドで見事釣り上げてくれたらと思う。
フライフィッシングしながら演歌を連想する自分って、なんなんだろって思ってたけど、今、歌詞を見るとちょっとしんみりする。
Eventually, all things merge into one...and a river runs through it.
『最終的に物事はひとつなんだ。そして、川は変わらず流れる』
~映画『リバー・ランズ・スルー・イット』より~
Let it be ☆彡