実家がもうすぐ築50年。

ナショナル住宅の軽量鉄骨木造住宅で、5年後(45年前)に建て増しして部屋も多く、割と間取りも広くとった家。今は父が一人で住んでいる。外観は、最後に外壁塗装したのが30年以上前で、退色しているうえに、エアコンの外付けの管を外した跡もそのまま放置してある。家の中は、10年ほど前に2階の一部の床を張替ただけで、特に人が行き来する玄関や、グランドピアノの置いてある部屋は床がかなりフワフワしてきた。

ちょうどコロナが始まった頃に仕事を辞めて、ピアノを弾きに頻繁に実家に帰っているうちに家のガタがいよいよ気になりはじめたのだが、父は全くリフォームしようとは思っていないからどうしたものか。

 

私は日ごろ名古屋に住んでいて、築50年のナショナル住宅で素敵にリフォームしている家はないかと、暇をいいことに色々な家を眺めて歩く。

 

上野天満宮の牛さんもマスクをして久しい

 

 

なかなかこれは!というリフォーム事例はないもので、目につく古い家は空き家、新しい家は小さく分譲してあって、リフォーム(外壁塗装)しているのは比較的新しいプレファブ住宅ばかり。

基本的に日本は30年もすれば壊して建て替えという風潮で、特に住宅メーカーのプレファブはその傾向が強い(ただし、日本全体で見ればハウスメーカー系のシェアは1割程度だから、これは都市部の傾向です)。

 

近所で更地から戸建て住宅を建てるところがあったので日々観察していると、基礎コンクリート打ちから枠組みも、なんと基本一人でやっている。ちなみに私は建築出身。大学院まで行って、建築とは関係のない道を歩んできたので全く使える知識がない。大工さんたちは経験で家が作れるようになるのに、私には学歴だけが過去の遺物として残った…

 

それにしても、この名古屋の高級住宅地と言われているエリア、何と空き家の多いことか。

日本の住宅問題の筆頭は空き家と郊外住宅の老朽化だが、都心の場合は空き家。家自体は比較的新しい空き家もある。この辺りは私の親より10歳かもう少し上の世代の住宅エリアで、子世代が出て行ったあと親世代が亡くなってそのままになっている家が増えているんだろう。

 

日本の問題ばかりが目につく住宅地を観察しながら半年くらい過ごし、台風や災害がひどくなる日本で古い家に住むためには、仮にあと数年だとしてもリフォームすべきと父を説得したのが今年の年明け2021年1月のことだった。

 

 

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