島根県の松江にお茶に行ってきた。

 

今年は、松江の七代目城主、松平不昧公の没後200年。今年一年を通して不昧公200周年祭が行われている。

松平不昧は、茶道具の収集で知られた不昧流の祖であり、自ら数多くの道具を意欲的に作った文化人であった。

 

7年ほど前に島根の安来に行った時は、名古屋から岡山経由、JR特急八雲に乗って、7時間ほどかけて行った。
あまりの時間距離に、もう行くことは無いだろうと思ったが、今ではLCCで50分で到着飛行機
全国から少しずつ飛んでくるようになり、これでようやく陸の孤島から脱皮できるか!?島根県。

 

茶の湯船でお茶をしながら松江城回りを遊覧。こんなイベントが盛りだくさん。

 

 

さて、先日、表千家の本丸行事で世間との隔離感を覚えたが、今回は!まさしく時代錯誤感を体験した。
日ごろ、なじみのある名古屋のお茶会は基本的に一般開放で、庶民文化の傾向がある。
今ある名古屋のお茶文化は、江戸時代末期以降に商人が活性化した町人文化であり、野良茶と言われる農民生活に根付いた日常茶であり、根底にあるのは気楽なもてなし、日常の娯楽である。

お菓子も庶民的におはぎや饅頭。あんこ消費量日本一を誇る。


それに比べて、松江のお茶会は、城主から伝達された文化継承で高尚なもの。
もともと茶の湯は、織田信長によって茶道具の価値を高められた頃から、大名や身分の高いものがたしなむものだったが、松江の茶道界は今も江戸時代。
松江では、茶道に関わるのは武家の末裔だけ、という確固たる身分格差があることを、祭り上げられて正客になってしまった茶会で身をもって知った。

不昧公200年祭の公的イベントで広告されているお茶会でも、一般市民は来ないのだ!

邪道は許されぬ手


自分の身分と、お茶に関与してしまった罪悪感まで湧いてくるほど、強烈な圧力を感じた茶会。

これを、カルチャーショックと言わずして何と言おうか・・・。だいたいからして、これ公共イベントじゃん!?

 

最近、日本においてカルチャーショックを受けすぎて、ちょっと疲れる・・・ぐすん

 

 

♡三英堂の生菓子
そんな茶道界なのに、松江では日常的に皆、上生菓子をおやつにしてよくお茶を飲む。

お茶を飲む習慣は庶民にも広まっていたらしい・・・。

 

東京も、名古屋も、京都も、上生菓子が300円前後と高価なので日常的には食べられないが、松江の生菓子の相場は180円台。
しかも、2つ3つパクっと食べられるほど、癖がなくて、美味しい!
三英堂のお菓子は、先ほどの茶会でも使われていて、本当に美味しかった。


旅から持ち帰った三英堂の生菓子で、朝の一服をしたらようやく落ち着いた照れ