成田悠輔キリンCM降板騒動とキャンセルカルチャー | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

 

 

 

さすがにそこまで行くと

キャンセルカルチャーというか、

まるで全体主義的な言論排斥運動だ

という批判も説得力を持つかもしれんけど、

国民レベルで共有されてる大事な価値観を冒涜すると、

どういうことになるかっていうのがよく分かる好例

とも言えるかもしれない。

 

 

 

穿った見方をすれば、

 

なんでキリンが成田氏をCMに起用したかってのも

その辺に理由があるのかもしれない。

 

「既存の価値観をぶっ壊す発言する成田さんカッケェ!」

 

みたいな、

 

アナーキーな子供みたいな感覚。


CMなんて所詮イメージだから、

その程度の発想で決まるなんてことがあってもおかしくはない。

 

でも当然、

 

世の中にはぶっ壊して良い(許される)価値観と、

ぶっ壊しちゃ良くない(許されない)価値観てのがあるし、

 

なんかぶっ壊せば、

何かを変えれば、

より良い新しい何かが絶対に必ず起こるとか、

 

そんな保証もないんだけど、

 

それが社会とか広い世代に共有されると、

そうした空気が支配的になる。

 

こうした

「何かぶっ壊して変えれば良くなるぞ」

という発想やムーブメントの源流には、

 

竹中平蔵さんの顔が浮かぶ。
 

今でもそんな感じだし、

維新や成田氏あたりもこの辺は賛同してる部分だろう。

 

 

 

「議員1000万円不記載にガタガタ言うな」発言への批判に竹中平蔵氏が反論も「賃上げより成長が先」発言で再炎上

 

賃上げよりも成長が先って、

どっかで聞いたような話してますよねコレ。

 

2000年代前半、

 

ちょうど竹中氏が政権内部で

辣腕を振るってた頃。

 

“バブル崩壊後の社会経済の停滞”

という状況下で、

 

バブルの活況と高度成長期を知る

当時の40~60代、社会経済の中枢を占める世代で

このままじゃヤバいという危機感があったから、

 

「ぶっ壊せば良くなる」系竹中平蔵的発想が

流行ってもおかしくはない状況があった。

 

でも

 

今まで壊せ壊せぶっ壊せば良くなるぞ

とやってきたのに、

 

状況は改善どころか悪化するばっかりで、

 

結局何かを変えれば良くなるなんて保証は無くて、

それでも

「イヤイヤもっと変えれば良くなるって」

とか言って

ゴリ推しする空気に

 

嫌気が差して来てる人ってのも

相当数出て来ててもおかしくはない。

 

結局、

 

成田の集団自決発言も

この「壊して変えれば良くなる」系の

流行に乗っかっての暴言だったんだけど、

 

世間にはそれを

シャレとしても隠喩としても

許容する余裕がなく、

キャンセルカルチャー的な動きが加速したのではないか。

 

要するに、

 

成田キリンCM起用に対する

一連の世間のリアクションは、

 

「壊せ壊せ変えれば良くなる」

という空気が

時代遅れになって来てる兆候、

 

あるいはすでに時代遅れになっているのではないか、

 

と見ることが出来ると思う。