知識の階級闘争 | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

ネットの無い時代では、

知識人の知識(情報)の発信というものが、

出版というものを介した独占的なビジネスだったんだけど、

ネットとSNSサービスの発達で、その独占性が失われてしまった。

 

知識をビジネス化してない人の中には、

当然ビジネス化してる人以上の知識を持った人もいる。
 

SNSの発達で、

そういう人でも出版を介したりコストをかけず

手軽に知識を発信出来るようになった。
 

受け取る側も、

やはりコストをかけずにそれを受け取れるようになった。

 

当然これは情報の氾濫を招き、

発信される情報の中には

胡散臭いものも多く含まれるようになったけど、

 

それ以上に知識でビジネスしてる知識人は

その立場を脅かされるようになった。
 

知識人の発信する情報、

主張以上に説得力のある情報が氾濫し、

批判に晒されることが爆発的に増えた。

 

結果、立場を脅かされた知識人たちは、

自分たちを批判し攻撃する人に対する対抗手段として

反知性とか反知性主義という言葉を生み出すに至る。
 

反知性という言葉自体はネット以前からあるけど、

知識と権威が結びつくことに対する

大衆の反乱行動と位置づけることは出来る。

 

皮肉な話で、

そもそもこの反知性というのも、

写本や口伝という権力者の独占的事業だった情報発信を、

活版印刷という技術革新で

権力者から奪い取ったのが

出版業界という情報をビジネス化した人々で、

 

今度は彼らが

ネットという技術革新によって

その立場を脅かされるようになったという構図がある。

 

だから反知性という言葉と権威主義というのはイコールではないけれども高い親和性を持っている。