ベーシックインカムとブラック企業 | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

ベーシックインカム支持者には、

 

ブラック企業に捕まって

心身をゴリゴリに削り取られて

尊厳の芯をボッキリへし折られた結果、

労働に対する強い忌避感と

企業や社会に対する復讐心という

怨念に近いルサンチマンを持ってそうな人というのは

チラチラ見かける。

 

彼らのブラック企業に対する怨念は凄まじく、

ブラック企業は問答無用で潰すべし、

悪企業滅殺という5文字を額に刻む勢いで、

 

ブラック企業もホワイト企業に成れば解決じゃないか

 

という発想も受け入れ難い話のようで、

ベーシックインカムも

ブラック企業を潰すイチ手段のように考えてるように見える。

 

まぁ実際のところ

 

ベーシックインカムはブラック企業の温床になる可能性が高い。


それを置くとしても

 

ブラック企業を一気に殲滅すべし

というラディカルな発想が社会に混乱を起こす

 

ってのは特に理屈がなくても

なんとなく解りそうな話なんだけど、

そうした配慮が怨念に囚われてると解らなくなる。

 

ブラック企業による賃金抑制が物価の抑制にも繋がっていたり、

 

でも結局低賃金だから庶民にとっては全く恩恵がなく、

ひたすら売上が利益に変換されて株主の懐に飛び込む

 

というような経済構造がある以上、

例え賃上げされても

そのまま価格に転嫁される可能性が高くなり、

庶民の暮らしは良くならない。

 

ベーシックインカムが実装されても、

インフレが給付額に追いついてしまえば状況は逆戻りしてしまう。
 

結局企業による所得分配構造が

今みたいに歪んだままでは状況は変わらない

 

という話で、

 

むしろこの状況下でブラック企業を潰せば

インフレの加速要因になって、

より悲惨な結果になりかねない。

 

ブラック企業をただ潰す、

 

というのは、

 

いわば肺炎になったから肺を切除しちゃいましょうとか、

突き指したから指を切断しちゃいましょうみたいな話で、

 

ブラック企業が国内供給を担ってしまっている以上、

ただ潰せばいいという単純な話では済まない。

 

肺炎治療に、

まず抗炎症剤とか解熱剤で症状を緩和しつつ

原因となる細菌やウイルスを特定して

抗生剤や抗ウイルス剤を投与して原因を叩く

 

みたいな手順が必要なように、

 

社会や経済においても

そうした手順は必要で、

 

所得再分配のバランスを是正して

ブラック企業が溜め込まないようにする構造が必要になる。

 

ベーシックインカムが実装されて

社会の何かが変わると期待するのは勝手だけど、

 

構造自体にはなんの変化ももたらさないか、

むしろ悪い側面がより強固になって

状況を悪化させる可能性の方が高い。

 

それは

 

誰がブラック企業が蔓延する

今のような搾取的構造に日本の経済構造を造り変え、

 

そして今

 

誰が一番ベーシックインカムを推しているか

と言うのを考えれば、

容易に理解できると言うものだろう。