社会保険料とコストカット(ついでにベーシックインカム) | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

 

 

さて、いよいよ3年前に私が指摘したような話になって来ちゃってますねコレ。

 

 

っていうか、

3年前も今も流れが継続してるだけの話で、

そもそも予測でも何でもないわけですが。

社会保険料の推移見れば、まぁ明らかではありますよね。

 

徴収する社会保険料を値上げし、

窓口負担を増やして患者負担を増やす。

 

そして、

 

診療報酬制度をいじって

病院が報酬を受け取りづらい環境を整えたりして、

病院側の負担を増やす。

 

さらに、

 

新薬や最新の治療技術の

診療報酬適用までの期間の長さを叩いたりして

自由診療(民間保険会社による診療報酬支払)の

導入を促そうとするわけです。

 

その結果どうなるかと言えば、

 

社会保険サービスという商品価値が落ちていくわけです。

 

特に若い世代にとって、

医療サービスというのは縁の遠いサービスです。

若い世代では、ケガでもしなければ、

ほとんど病院に掛かるなんて機会はないでしょう。

 

つまり、若い世代にとっては、

大してサービスを利用しないのに、

金だけは毎月毎月取られるという話になります。

 

収入が多ければ、

安心を買うという意味で我慢も出来ますが、

 

低賃金に苦しめられ、

増税で搾り取られ、

僅かな手取りから生活を切り詰めて貯めた金で

株を買ってささやかな資産を何とか増やそうとしている人たちにとって、

 

年々上がり続ける社会保険料は無駄

 

というような認識が広まっても、不思議ではないでしょう。

 

つまり、社会保険を買いたいという

インセンティブが喪われていくわけです。

 

そうなると、

 

社会保険制度の社会的意義が徐々に失われていき、

 

最終的には国民皆保険という、

日本が世界に誇る社会保険制度が

事実上瓦解してしまう可能性が極めて高いわけです。

 

そうして得をするのは誰かというと、

まず国内外の保険会社ですね。

 

最初は値上がりした日本の社会保険料より

安くて幅広いサービスに対応するようなもの、

つまり商品価値の高いモノを提供し、

社会保険から顧客を奪っていくわけです。

 

日本国民を囲い込んだところで値上げしたり

サービスを渋ったりしてコストカットし、

利益を上げていこうっていうところでしょうか。

 

そして何より、

誰よりも得するのは、

全産業の企業の株主経営者でしょう。

 

社会保険の加盟者がいなくなるってことは、

企業は社会保険料を支払う必要が無くなるわけです。

 

 

ちょっとこの↑過去記事は、

当時の認識の甘さが浮き彫りになってて

正直黒歴史リストに入れたい感じなんですけど、

 

この記事にもある通り、

社会保険料は、従業員と企業の折半です。

 

企業が従業員の給料とは別に社会保険料の半分を負担し、

さらに従業員の給料から残り半分が社会保険料として引かれる。

 

その負担が丸々無くなるわけですから、

企業にとっては大きなコストカットになりますよね。

 

保険料は従業員が自分の手取りから勝手に払う、

という話になるわけですから。

多少補助は出るかもしれませんが、

給料以外の負担分が減るだけでも

特に大企業にとっては大きなコストカットになるでしょう。

 

で、そのカットされた社会保険料がどこに流れ込むかと言えば、

当然株主資本家の懐というわけです。

 

エゲツないですよね。

 

そして、一度現在の社会保険制度が瓦解すれば、

再び復活させることは極めて難しくなる。

 

かつてアメリカ大統領だったオバマは、

アメリカに国民皆保険制度を導入しようと目論みましたが、

企業(株主)が負担しなければいけない社会保険料に対して

猛烈な反対をしたために、

頓挫してしまったことからも明らかでしょう。

 

そしてベーシックインカム。

 

現在、ベーシックインカムは

政治の現場において、

既存の社会保険制度に代わる制度として議論されています。

 

つまり、

 

社会保険サービスの停止に伴い、

社会保険料の徴収もなくなり、

プラスアルファとしてベーシックインカムが国民にバラ撒かれる。

 

その代わり、

 

民間保険会社に医療保険料を支払うことになる。

 

ちなみに、

アメリカの医療保険料は月額平均300~500ドル。

 

 

 

 

日本円で4万2千~7万円。

 

月額10万のベーシックインカムだったら、

ほぼこれだけで吹き飛びますよね。

 

確か竹中平蔵氏が

最初に言っていたベーシックインカムの月額が5万とか7万とか

言ってた気がしますが、

 

果たして偶然なんですかねこれは。