MMTとベーシックインカムとインフレ ②MMTのインフレ抑制、財政支出と公共投資とインフレ | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
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さて、MMTとベーシックインカムというお話。

 

賃金どうこう、雇用どうこうでいうと議論も紛糾するので、

マクロ的な話で考えます。

 

結論から言うと、

要するにヘリマネベーシックインカムでバラ撒いた金は

どこに流れるか解らない、

というのが最大の問題、

ということです。

 

なので今回は、

財政支出と公共投資についてお話ししたいと思います。

 

 

普通財政支出というのは、

政府が使い道を決めて、

どこにお金が流れて、

どのくらい経済効果があるかってのは、

大体予測が出来るわけです。

 

例えば土木建築系の公共事業に

財政支出をしたとします。

 

そのお金は土木建築企業の売上になるわけですが、

財政支出をし過ぎる、

例えば仕事を発注し過ぎると、

企業が民間の仕事から公共事業に走ってしまいます。

(公共事業は取りはぐれがないから)

いわゆる民間需要が圧迫される状況になるわけです。

 

そうなると、民間の需要側は

価格を引き上げて、

公共事業に行こうとする土木建築企業を

自分側に引っ張り込もうとする。

 

つまりインフレしてしまうわけですね。

 

仕事を発注し過ぎなくとも、

財政支出額を大きくし過ぎたりしてしまうということは、

価格を引き上げて発注することになります。

 

例えば、某政治経済評論家、池戸万作氏みたいに、

「とにかく予算100兆円!」

とか言って、

額に拘って予算組んだりしちゃった場合とかですね。

 

まぁ現実的にはあり得ない話レベルの

アホな仮定だとは思いますが、

 

これもやはり、インフレ要因になりますね。

 

例えば10兆円で済む公共事業に、

100兆円もかけても、

それを受注できる企業の数も限られてますし、

当然受注した企業が出来る仕事量も限られます。

 

つまり有限ということです。

 

そこに100兆円とか無理やりな額の支出をしても、

仕事の単価が上がるだけです。

 

つまりインフレですね。

 

だから公共事業に財政支出をする場合、

仕事の量と価格をある程度調整してから決定しないと、

無駄なインフレを引き起こしてしまう可能性が出てくる、

というわけなので、

 

逆に言えば、

このあたりを上手いこと調整できていれば、

インフレを起こさず、

道路や橋、ダムのような、

国民生活に有益な実物資産を増やすことができる。

 

MMTが考えているインフレ対策というのがまさにここで、

そもそも財政支出で過度のインフレを起こすこと自体を

MMTでは想定していないわけです。

 

まぁこの辺は、私の理解なので、

MMTer的には違うとなるかもしれませんが。

 

要するに、

財政支出で過度のインフレを引き起こしてしまった場合、

その時点でその財政支出額の設定がクソだった

という話にしかならず、

 

もっと上手いこと金使えよ

って話でしかないわけです。

 

まぁ起っちゃったもんはしょうがないですし、

もし企業の供給能力が増大しなかった場合は

(増大すれば捌けるようになるのでインフレ率も沈静化するでしょう)

予算を縮小する必要も出てくるかもしれません。

 

これも、全体の額を減らすというのではなく、

単年度の予算額を減らすという意味ですが。

 

ちょっと説明が長くなっちゃいましたが、

要するに、一般的な公共事業、

公共投資に財政支出する場合、

 

政府の手腕によって、

インフレを惹起することなく支出することが可能なわけです。

 

しかし、

ベーシックインカムの場合、

それが難しいのではないか、

という話になるわけですね。

 

では今日はこの辺で。