株主至上主義とインフレ、銀行法改悪とタピオカミルクティー | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

株主至上主義経済の下では、

物価は確実に下落、

もしくは低迷します。

 

これはもう断言できます。

 

なぜかと言えば、

 

株主至上主義の下では、

企業が株主の利益のために

コストカット・利益最大化に走り、

合理化と称して

人件費含む経費節減に邁進するからです。

 

経費はモノの生産販売のために必要な費用ですが、

これを節約しようとすれば当然

より安いモノやサービスを

買い求めるようになりますよね。

 

確実に物価抑制圧力になるわけです。

 

企業も家計も、モノやサービスを購入するときに

基本的には消費者心理

つまり

良いモノをより安く買おうとする心理

が働くために、

元々そういう傾向があるわけですが、

 

株主からの利益最大化圧力

すなわちコストカット圧力

それに拍車をかけるわけですね。

 

もし企業が、資金調達を

銀行などの金融機関の融資に依存し、

法人税率がそこそこ高ければ、

 

つまり株主至上主義でなければ、

 

節約した分の費用は、

別の経費に回される可能性を高めますし、

経営に余裕があるなら、

そこまでより安いモノを求める必要もなくなります。

 

ちょっとお高めでも、

自社のために必要重要なモノやサービスに

お金をかけることも出来るでしょう。

 

しかし株主至上主義の下では、

モノやサービスを安く買って節約された分、

まるっと株主の懐に転がり込むことになります。

もしくは内部留保

 

利益を残すとその分高い法人税を

巻き上げられるということがない状況では、

それに拍車がかかるわけですね。

 

法人税率が高いと、

利益を残した分だけ高い税金をふんだくられます。

つまり儲けた分だけ使わないと

より多くの税金をふんだくられる、

それが法人税です。

 

法人税は、 

企業の儲けを政府を経由せず、

企業自ら社会に分配させる税

と言えます。

 

企業にとって、税金ほど無駄な支出はありません。

 

金融機関に支払う金利は、

まだ資金調達のためのコストという見方ができますが、

 

税金は、支払ったところで

国税からのお咎めが無くなるくらいしか

メリットがありません。

 

法人税を支払ったことで、

資金調達がしやすくなるわけでも、

経費や設備投資のように生産性が向上したり、

販売促進に繋がったりするわけでもなく、

企業活動へのメリットは何一つないわけです。

 

だから法人税率が高いと、

「利益を貯め過ぎて高い法人税を盗られるくらいなら、

貯めこまずに今と将来の企業活動にメリットのある

経費などに使おう」

とするインセンティブが働く、

つまり企業から社会への再分配が起こるわけです。

 

ところが、

 

株主にデカいツラをされてしまうと、

例え高い法人税を盗られても、

「より多くの利益を株主に献上しよう」

というインセンティブが働きますから、

どんなに売上が上がっても、

経費節減、コストカット姿勢は変わりません。

 

法人税廃止を訴えていたハイマン・ミンスキーは、

法人税増税が物価上昇に繋がると考えていました。

 

これは、法人税の増税分を

企業が価格に乗せる可能性を考えたものですが、

これも企業が株主の言いなりになったればこそです。

 

 

ここでもし、

資金調達を株主からの出資に頼らず、

銀行などの金融機関の融資に資金調達を頼っていれば、

 

金融機関からの借金返済は、

金利は取られますが額が決まってますし、

それ以上の支払いは要求されませんから

売上が上がった分、

借金返済以外のお金を

企業の好きなように使えます。

 

要するに

「もっと利益よこせ圧力」

が無い分、

企業は自由にお金を使えるわけですから、

多少は物価上昇圧力になり得るでしょう。

 

またこの場合の物価上昇は、

株主利益に回るはずだった分が

社会に分配される結果もたらされるモノ。

 

つまり賃金上昇も含まれていますので、

庶民生活への影響も少なくて済むかもしれません。

 

ところが。

 

 

 

   



 

動画スライドより

 

何と、

 

銀行が

融資ではなく

出資が出来るように

銀行法が改定

されてしまいました。

 

 

要するにどういうことかというと、

 

銀行が株かじりになっちゃう

わけです。

 

 

前にケインズ革命さんの記事を

ネタにした記事にも少し書きましたが、

 

企業が資金を調達する方法は主に二つあり、

 

出資融資というものがあります。

 

出資とは、株主資本家からお金を得ることで、

株主はその企業の一部を所有するという形になり、

利益の分配に直接口を出せる立場になります。

 

融資とは、銀行など金融機関からお金を借りることで、

銀行は融資(お金を貸す)見返りに、

金利を自分の利益として企業からもらいます

 

出資融資最大の相違点は、

この資金提供に対する見返りの部分です。

 

融資の場合、

見返りは金利という形で設定され、

それ以上は増えません

つまり天井があります

 

しかし、

 

出資の場合、

利益分配に直接口を出せるので、

利益要求は天井知らずです。

 

つまり、

 

企業の売上を

タピオカミルクティーに例えると、

 

融資

細いストローでミルクティー部分だけを

少しずつチューチュー吸われるだけですが、

 

出資の場合は

極太ストロー

タピオカから何から

ゴッソリ

吸い上げられてしまう

 

という絵面ですね。

 

こんなん賃金も上がりませんし、

物価も上がりませんわ。

 

反緊縮とか能天気なこと言ってる間に、

裏ではキッチリ外国に日本を売り飛ばす準備が

着々と進んでたってわけですね。

 

 

私たち庶民が相手にしているのは、

陰険かつ狡猾な連中であることを

しっかり認識しましょう。

 

彼らはアホではありません。

我々より頭がよく、

その上、権力者なのです。

 

相手の強大な力を認識しなければ、

私たちはこれからもずっと、

搾取される奴隷のままですよ。