コロナ経済対策諮問委員・けいいちろう(慶應義塾大学経済学部教授)とゆかいな仲間たち | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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前回の記事で取り上げた小林慶一郎・東京財団政策研究所研究主幹・慶應義塾大学経済学部教授ですが、

先日、週刊エコノミストOnline(毎日新聞社)という雑誌に記事を寄稿され、それがYahooニュースで取り上げられました。

 

日本政府の莫大な借金こそ「失われた30年」の真犯人だ=小林慶一郎(東京財団政策研究所研究主幹)【週刊エコノミストOnline】

 

ツイッター上では、

既に各方面から袋叩きの様相

を呈しております。

 

 

ツイッターアプリで記事名の検索を掛けると

出るわ出るわ批判の嵐。

 

その他、怒り、呆れ、様々ではありますが、

ポジティブ評価が全くない(私が確認した範囲)。

 

今さら感満載ではありますが、

前回ネタにしたこともあるので、

とりあえず逝ってみましょう。

 

 

 

まぁ、あんまり小難しくならないようシンプルに。

 

 

 

日本政府の莫大な借金こそ「失われた30年」の真犯人だ=小林慶一郎(東京財団政策研究所研究主幹)【週刊エコノミストOnline】

 

まず驚かされるのが、

この記事がつい最近(2020年5月19日)に配信されている

という点です。

 

論拠、

主張、

いずれも既に5~6年前には完全論破された内容で、

もはや化石といってよいレベルの話がてんこ盛り

で出てきます。

 

あ、コイツ最近の経済情勢も

言論情勢も、全く知らねぇんだな

 

というのが、この記事一本で全て露呈しているという、

ある意味奇跡の記事です。

 

それとも、既に5~6年前かそこらに書いた記事を、

引き出しの奥から掘り出して毎日新聞社に手渡したんでしょうか?

 

しかし、経済情勢・言論情勢を知っていたとしたら、

こんな記事中身読んでたら絶対表に出そうなんて思わないでしょうし、

やっぱり知らないんでしょうね。

 

要するに、最近でも稀にみる

物凄くレベルの低い

財政破綻論者

というわけです。

 

正直、財政破綻論を展開する人は

明石順平、

藤巻健史氏等々、

いろんな方がいらっしゃいますが、

その中でも群を抜いたレベルの低さです。

 

そもそも財政破綻論者自体のレベルも低いわけですが、

それをさらに下回るレベルの低さということです。

 

慶應義塾大学経済学部教授

なのに。

 

 

さて、中身の方ですが、

1ページ目

いきなり記事タイトルと内容の齟齬が生じています。

 

失われた30年というと、

一般的には経済の低成長、

つまりGDP成長率の伸び悩みと長引く不況、

と捉えられます。

 

記事タイトルから考えれば、

この記事の内容は「失われた30年の真犯人」、

つまり経済成長を阻害した要因は何か

(まぁこの人は日本の莫大な政府債務が真犯人だと言ってるわけですが)

今後日本が経済成長するにはどうすればいいのか

という内容になるのではないかと期待させられるところですが、

 

持続性をキーワードに経済を語ると言いつつ、

なぜかいきなり日本の政府債務の持続性とやらの回復が主眼になってしまっています。

 

経済ではなく。

 

どうやらこの人、

財政と経済の

区別がついていない系の

慶應義塾大学経済学部教授

のようです。

 

いやもう、ビックリです。

 

まぁ

 

「政府が財政破綻したら、日本経済も破綻スル~」

 

っていうのが財政破綻論者の前提みたいなもんですから、

テンプレといえばテンプレですが。

 

さらに‟その前提に基づいて”のことですが、

高い経済成長と財政再建は難しい(から諦めろ)

的な発言。

 

 

…。

 

 

お前もう帰れよ

 

って言いたくなりますヨネ。

 

だってこの人、

 

コロナショックに対処するために呼ばれた経済の専門家ですよ?

 

もう最初っから諦めモードじゃないですか。

 

こんな奴がどうやって日本の経済建て直せるって言うんでしょう。

 

しかも高成長と財政再建の両立困難の論拠が、

 

財政が悪化しているので、

消費者や企業が将来不安で委縮して、

経済活動が停滞している可能性があるから

 

とか言ってます。

 

…。

 

まぁ良いでしょう。

そういうこともあるかもしれない。

 

で、アンケートでも取ったのかい?

(少なくとも今記事中には無し)

 

…。

 

それ貴方の印象ですよね?

 

もうこの時点で完全にアウト!なわけですが、

その後も同じ慶應義塾大学教授の土居丈朗教授()の論を引いて

消費税を17~21%に引き上げろ、

とか宣っている。

 

いやお前、こないだの消費増税後のGDP成長率見たのか?

前期比マイナス1.9%、

年率換算マイナス7.1%やぞ?

この人、トータルで見て、

この数字も知らないんじゃないか

と疑ってしまいます。

 

慶應義塾大学経済学部教授なのに。

 

さて2ページ目

 

こっからはもう完全に、

経済回復そっちのけで、

財政均衡主義に基づく

財政再建論

になっちゃってます。

 

 

これ、

お前の持論展開したかった

だけじゃねぇの?

という空気がビンビンに伝わってきますヨネ。

 

 

専門家と社会のギャップとか言って、

 

この手の財政均衡教の研究者

(消費税は35~60%(!!!!!???)まで上げないと財政再建無理)

(15%のままで年金1割カット、医療費自己負担増額とかすりゃ何とか財政再建できるかな?)

 

 

社会

(せいぜい上げても15%くらいまでしか無理)

(これ以上上げたら商売も生活も成り立たない)

 

のギャップを得々と論じ、

社会に対して

 

お前ら解ってねぇな

 

と言わんばかりの上から目線で

そんなんじゃ財政再建できねぇよ

とか宣っている。

 

いやいや財政再建じゃなくて

今必要なのは経済再建だから。

 

って話なんですが、

 

もう完全に自分の世界に入り込んじゃっている

慶應義塾大学経済学部教授の暴走

は止まりません。

 

続いて3ページ目

 

ハイ、出ました。

 

日本もギリシャ・アルゼンチンみたいに

財政破綻スルゥ~!

 

σ( ゚Д゚)

お前はバカか?

 

当然、

ギリシャもアルゼンチンも

自国通貨建ての国債で

デフォルト(=債務不履行≒財政破綻)

したわけじゃないので、

100%自国通貨建て国債の日本とは

比べられません。

 

そんなことは、

あの財務省ですら公式ホームページで認めている‟事実”です。

 

日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。

 

外国格付け会社宛意見書要旨 財務省

 

>よく解らない人は拙記事参照願います。

 

ツイッターランドの財政破綻論者の間でも、

ギリシャだのアルゼンチンだのの例は、

今では恥ずかしくって誰も出せないレベルの

アホ論として認知されています。

(反緊縮派とかに見つかったら袋叩きに遭うのが見え見えなので)

 

まぁ今でも出してくるのはたま~~~には居ますが、

その都度袋叩きに遭うので

二度と出してくることはないようです。

 

そんな論を、

まだ出してくるのか!?

 

うん、

まぁある意味大物ですネ。

 

そして、ここでも

 

財政が悪化しているので、

消費者や企業が将来不安で委縮して、

経済活動が停滞している可能性がある

 

というアンケートすら取ってねぇ

個人的見解を展開。

 

一応論拠として、他者と共同研究の政府の債務比率と経済成長率の相関についてのシミュレーションを提示していますが、

 

相関関係があるからって

因果関係があるとは限らねぇだろ

 

という話でしかありません。

 

 

さらにさらに、

既に間違いが認められた

ラインハート=ロゴフ論文

まで持ち出してくる始末。

 

前回の記事でことの顛末をまとめましたので、

詳細をご存じない方はお読みください。

 

この論文にまつわるお話は、

事件とまで称され、

様々なメディアが取り上げた

一大経済スキャンダルとして

極めて有名な話であり、

 

経済学部の教授ともあろう人物であれば

知らないわけがない話

 

なわけですが、堂々と持ってきているあたり、

 

本当にこの人が経済学部の教授

(しかも慶應義塾大学)

なのかマジで怪しい

と言わざるを得ません。

 

 

そして4ページ目

 

最終ページですが、

 

もう完全に、

財政再建と経済成長・国民生活の順序が逆

になってしまっています。

 

まず政府が考えるべきこと、なすべきことは、

国民生活の改善であり、

その前提、あるいはプロセスとしての経済成長

であるはずです。

 

その結果、財政再建してもいいですが、

 

別にしなくてもいいものです。

 

自国の主権通貨を持ち、

発行国債が

100%自国通貨建て

日本という国は、

財政再建など本質的に不要

なのですから。

 

事実、1990~1991年、

 

 

日本経済絶好調期にはPB黒字化を達成しています。

確かに当時の政府債務対GDP比率は、

現在とは比べ物にならないくらい低いものですが、

それは単に経済が好調であったために、

政府債務が少なくて済んでいただけに過ぎません。

 

つまり、

例え財政均衡主義に基づき、

税収を増やし、

歳出を減らす財政の健全策を議論をしたとしても、

 

税収の原資がGDPである以上、

財政の健全化には

経済成長が不可欠

なのです。

 

税収を増やすには

GDPを増やさねばならない。

 

経済不況からGDPを増やすには、

政府債務を増やし、政府支出を増やして

民間の経済を活性化させなければならない。

 

そうすることで、

ようやく税収を増やし、

財政健全化の足掛かりに出来るのです。

 

つまり、

財政健全化、財政再建という議論においてすら、

経済成長は避けて通れない道なのです。

 

もちろん、別に財政再建とかいらないんですけどね。

 

慶應義塾大学経済学部教授ともあろう人物が、

こんな単純なロジックも理解できていない。

 

 

 

何しろ、

財政再建すれば経済成長できる!

というのがこの人の持論であり、

この記事の前提となっているわけですから、

 

税収の原資がGDPであることも

知らない可能性が極めて高い。

 

慶應義塾大学経済学部教授

なのに。

 

まぁ要するに、

 

コロナショックによる

経済的混乱も、

財政再建すれば全てうまくいく

とでも思ってるんでしょう。

 

 

 

そりゃあ

経済と財政の区別もつかなくなるわ

って話ですわな。

 

<追記>

Σ( д) ゚ ゚

 

この認識があって、あの記事書いてるの??!!

 

…。

 

もはや完全に宗教ですな。

 

財政均衡