夫は子どもらが小さかった時、夜の帰りは遅かったから会えないこともあった。でも毎朝子どもらとしていた遊びがあった。
それはお姉ちゃんが小さいときに始まって、弟の時にも復活した「クジラさん」の冒険。朝起きるとまだ微睡む娘をお腹の上に乗せてお父さんの「クジラさんのお話」が始まる。
「あるところに○○○ちゃんという可愛い女の子がいました…」
女の子は何やかやで大きなクジラに飲まれてしまう。
これは落語絵本「地獄のそうべえ」と「ピノキオ」のパロディで、娘はお父さんのお腹の上で存分に揺すぶられ、くすぐられ、挙げ句に「かなりきちゃない形容語句」にまみれてオナラといっしょにクジラさんから放出され、無事おうちに帰ってくる。これを父と娘の二人は飽きることなく毎朝繰り返す。
下の子を抱きながらこのしあわせな大騒ぎを横で聴いている時間がしあわせだった。いつまでもそれが続くようにと祈ったものだ。
今はさすがに、もうクジラさんは来ないけど、本当は子育ての現場にもう少しいてほしかった夫が、毎朝を楽しく始めてくれたから、しんどいこともある小さい子の育児が破綻しなかったんだと思っている。
これは京都市長選に出馬を表明している福山和人弁護士のパートナーおかねともこ(イラストレーター)が、「家族の目から見たふくちゃん」を綴ったエッセイです。
2018年府知事選のときの「ふくふく家族」と同様、リラックスしてお楽しみください。
前回のシリーズはこちら→

