えいっと、頑張って買った高価なうつわも、飾るだけ、眺めるだけではもったいない
くらしの中で普段使いすれば、モノも喜ぶし、自分も楽しい、そう、思っています
なので、じゃぶじゃぶと雑に洗うせいか、気づけば、小さな欠けがあるうつわがチラホラ
ひとつひとつに、思い入れもあり、直せないかと調べていたところ、金継ぎを知りました
ただ、ガラス製品は扱わない方がほとんど
さらに今、とても金継ぎは流行っていて、お願いしても、最低半年はかかります
希望のひかりが消えかけたとき
藤野先生のInstagramで、簡易金継ぎの1日体験を見つけました
陶器の深鉢、重みのあるタンブラー、薄いガラスのお猪口の3点を、割れないようクッション材に巻いて持っていきました
どれも、小さな欠けばかりで、お猪口に至っては欠けがごま粒大なため、撮ってもほとんど分からないほどです
短時間でできる、簡易金継ぎは、まず、エポキシという樹脂製のパテをよく練り、欠けに埋めていきます
小さな欠けほど、埋めにくく、また、パテが固まらないよう短時間で行うのが、難しい
先生に助けていただきつつ、なんとか埋めたら、乾くまで待つこと15分
乾いたらカッターナイフで、厚みを削っていきますが、これが、慣れないせいもあり、陶器の模様が削れないか、どきどきします
模様は焼き付けてあるので、削れることはないと分かり、安心して削りに集中
ある程度削れたら、次は紙やすりで触っても違和感がないよう、滑らかにしていきます
これも、また根気がいる作業で、静かな空間にはシュッ、シュッと音だけが響きます
そして、ようやく漆が登場
かぶれ防止のベルツ水を肘までスプレーし、手で馴染ませたら、慎重に塗っていきます
「息が止まりそう」
他の方のひとことに、緊張がほぐれました
塗り終わると、濡れタオルを入れた段ボールへ30分ほど置き、漆を固めていきます
その後、金継ぎの色を選ぶと、先生が手早く、真鍮粉をかけてくれます
赤い漆を塗った欠けが、みるみる間に、金に染まり、別次元の美しさに変わった瞬間
「捨てなくて、ほんとうによかった」
思わず、こころの声が漏れてしまいました
他の方も、木のお皿の欠けや、バラバラに割れたティーカップが、まさに、オリジナルのうつわに生まれ変わり、それぞれの美しさにうっとりします
まだ漆は完全に乾いていないため、箱にマスキングテープで、固定し、大切に持ち帰りました
翌日からは、3日間濡れタオルを入れた段ボールに保管し、さらに3週間乾かしてから使えるようになります
帰りは、バケツをひっくり返したような土砂降りの雨でしたが、心は晴れ晴れと、まるで虹がさしたかのような軽い足取り
これからは、多少欠けても、割れても、捨てずに、金継ぎで、美しく甦らせよう
手間をかけたいと思ううつわを大切に選ぼう
そう、肝に銘じました
金継ぎが気になる方は、藤野先生のInstagramをぜひとも、ご覧になってください
欠け、割れ、ひびを、金継ぎした画像は美しい芸術品のようで、ため息ものです
【クウネルサロン連載、早期退職からの経緯】
50歳からのセカンドキャリア①
50歳からのセカンドキャリア②
50歳からのセカンドキャリア③
50歳からのセカンドキャリア④
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