日本では幼児教育の位置付けが強いモンテッソーリ教育ですが、モンテッソーリ教育は小学校課程に進むと、さらに奥が深くなります。
小学校課程の中核をなしているのは「コスミック教育」。
この「コスミック」という言葉が、一体何を表しているのかよく分からず、またどこか「天体」や「惑星」といったイメージから、日本の学校教育とはかけ離れているのではないかと想像される方も多いかもしれません。
海外の文献を読んでいても
「モンテッソーリ小学校のコスミック教育は非現実的!?」
こんな疑問を様々なところで目にします。
モンテッソーリ小学校ってどういう場所!?
果たして、一体モンテッソーリの小学校とは何を学ぶ場所なのでしょう。
日本の小学校のように「国語」「算数」「理科」「社会」といった教科ごとの時間割は存在しません。しかし、分野ごとにこの自然界に存在するありとあらゆるものを学びます。
例えば、日本の小学校の「理科」に相当するモンテッソーリの分野と言えば…。
天文学
物理学
科学
化学
植物学
動物学
などなど。
「5つのグレートストーリー」と呼ばれる「宇宙のはじまり」「生命のはじまり」「人間のはじまり」「文字のはじまり」「数のはじまり」という大枠の中で、繋がりを見出す小学生たち。宇宙に存在するすべての粒子は、何らかの目的を果たしているという、哲学的な確信から出発します。
どんなに小さくても、どんなに取るに足らない存在に見えたとしても、それぞれのものには価値があり、意味がある。こんなメッセージの込められたグレートレッスンから小学生の子ども達が受け取るものの大きさは計り知れません。
グレートレッスンで思春期の準備をする!?
来年、中学生となる我が家の12歳。
これからやってくる思春期とどう向き合うか。
実は、このグレートレッスンは、思春期のアイデンティティの探求のための文脈であり、子ども達の心が吹き荒れる前に、提供されるべきものだと言われています。モンテッソーリの小学校課程とは、10代の子ども達に待ち受けている重要な発達課題のための長期的な準備と言われるのも、こんな理由からなのでしょう。
思春期に見られがちな社会不安や気分変調といった精神的症状も、自分という人間をよく知り、役割を明確にしておくことで乗り越えられることが沢山あるのかもしれません。この広い宇宙に自分という人間が存在する意味を、学童期という早い段階で触れることによって、健全な思春期・青年期を送ることが可能となる…。
そんな現実的な教育がここにあるのだと思います。
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今週の大学院の言語教育では、モンテッソーリのエレメンタリーのアプローチに沿った「詩」の鑑賞についてディスカッションを重ねています。実はこの「詩」は、母にとって最も苦手なジャンル。またいつか記事にしてみたいと思います。
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